2020/02/23: 【Family Based Treatment研修参加記 2日目】

Family Based Treatment研修参加記二日目です。

調子に乗ってたので、ヤバイほど長いです。1日目の倍ほどあります。

1日目の感想はこちら

昨日も思ったんだけど、読んでる講師が普通に臨床の人で、学者感が無いのがとてもいい。非常に実践的な話が多い。調べたらわかるようなくだらないエビデンス話に研修の分量を咲かれることが無い。ダイレクトに治療法からスタートだ。

通訳者がやったケースで講師がSVしてたケースについての報告からスタート。
日本でやったFBT治療についての報告と、治療集結時の家族のインタビューを見せてもらった。
ミールセッションはうまくいかず、数回のミールセッションが行われたり、主治医変更が行われて入院についての条件が明確になってから、随分治療が進むようになった。
暴力や暴言の問題があり、そのようなコミュニケーションの問題もふくんでいたので、長引いて、20界では終わらなかった。
家族じたいはFBTを探して探して、ようやくたどり着いた家族だったらしい。からの報告では
当初の持ってたFBTへの印象は、最初、食べたので、お、イケルと思ったけれど、ミールセッションでこんなに食べるということで、できるんだということが分かったが、自宅で自分たちでやると、手に負えないぐらい食べない。通い続けて、どうにかやり続けることができた。そのためには、本人がメニューを選んで、食べるようにした。父親の実感としては、本人の意志を尊重したのが良かったと言うが、セラピストとしてはおもねったと思って、長引く要因になったと思う。スタンダードなFBTを各家庭にどうアプライしていくかについてサポートしてもらえたのが良かった。
転機となったのは、友人と外食で焼き鳥を食べてくれた時、新学期になって、それに間に合わせようと意欲が高まった時。そこそこ上手くいっていたのが、途中でにっちもさっちも行かなくなって、しかたなくクライアントに併せてミールを替えたり、主治医を替えたり、それが本当に良かった。うちでやるしか無いんだということを思った。入院するぐらいだったら死んだほうがマシだと娘も言うけど、でも、うちでするしか無い。でも、このままじゃ無理だよということで。前の主治医のときは入院を脅しの手段として使っていたのが、だんだん効かなくなってきた。次の主治医は入院の基準を明確にするとともに、本人の主体的な入院を尊重しながら、一方で家族でやらないといけないんだという覚悟が決まった。主治医から学校に行くか?と言われてびっくりしたんだけれど、それも良かった。
娘がものすごい抵抗を示すことで、「親として娘を絶対治すぞ」という愛情でやっていてさえいても、その愛情を日々のバトルの中で、そこが蔑ろになってる、見失っているような時があって、その時カウンセリングでセラピストが娘と個別セッションで話して、「ああ、やっぱり親の愛情やヘルプが必要なんだ、頑張らなきゃいけないんだ」と思った。個別セッションで「お母さんが笑わなくなった。お母さんに嫌われていると思う」ということを怖く思っているということをフィードバックできたことで、このままじゃだめなんだという事が腑に落ちた。そこで、母親としての愛情が取り戻せた。食べさせるんだけど、それは愛だ。この病気にかかると、親がやってあげようということが全て敵に思える。それでもなお、愛情を注ぎ続けることが本当に難しい。

FBTというのはチームの治療なので、小児科やその他のバックアップがないと、本当に大変だ。難しい。両親が何を、どういう意味でやっているのかの理解を助けるというのがセラピストの仕事として重要。両親が自分たちでできると信じられるようにサポートできたのが、良かったと思う。
まあ、これ、エクソシストみたいなもんだよね、って質問すると、いや、正にそうなんだよと。テクニックでそれに名前をつけることもあるぐらいなんだよと。
スタンダードなFBTでは一回何カロリーとか指示することはないので、実際体重が増えてたら食べてるんだろうし、減ってたらうまくいってないんだろうし。ただ、母親たちはカロリー計算は全然している。できるだけ色々な食品群から、炭水化物、タンパク質、脂質と幅広く出すように、ぐらいは言う。セラピストが理想を言い過ぎても、ドロップ・アウトするし、塩梅が難しい?とりあえずは体重を増やすことだ。
両親がとてもとても疲弊している時に、仕方なくレスパイトケアとしての入院を入れることはある。その時も外来に来てもらって、退院後にどうやって仕切り直すかについて、話し合うことで、両親にしかできないことなんですよと伝えていく。
入院して経管栄養でやるほうが楽だ、なんてことを言うクライアントの場合は、むしろ入院は印籠にならないし、避けた方がいいことだ。もう食べるしかないんだ、食べさせるしかないんだという所が無いと、そこからの逃げ道を用意してはいけない。

さて、ロールプレイ
まずは、個別セッション10分で、体重を測定し、普段との違いを聴く。
体重測定の時には上着などを脱いでもらって、軽い格好になってもらう。ポケットに何かが入ってないかも、本人に叩いて申告してもらう。
FBTでは全てにおいて率直なコミュニケーションを旨としていて、秘密を作ったりしない。
クライアント役の人は「食べているし、病気じゃないと思っている」と否認がちだけど、「食べられないものもあるよね」と伝える。「昨日のセッションの後、兄がどう助けてくれた?」と聞いてみたり、「食卓での変化は?」などと聞いてみたりもする。父親がサポートしてくれたら、そんなサポートを迷惑に思ってる娘だったとしても、父親のフォローをしておく。
個別セッションで、本人の好みやどんな時間を過ごすのが好きか、などと色々聞いておく。誰をインスタでフォローしてるのかなど。友達と過ごすのが好きって言ってたけれど、病気になってからそういう時間が減ったり、変わったりしていない?」「友達とご飯食べに行ったりも減ってたりしない?」などと、思春期の日常生活における様々な楽しみがANに犯されていることを確認していく。
疲れが出やすいとか、そういったあなた自身の事を聴かせてもらうのがとても治療の訳に夏から、最初はあなたの話を10分聞かせてね。吐いたりとかも無かったかとか。
「今週病気があなたに吐いたり、捨てさせたり仕向けるようなことはあった?」
「運動とかはどう?家でも運動しているの?どんな運動を?いつ?どの部屋で?」
「この後家族と一緒に話をする時間なんだけれど、その時あなたから聞きたいこととかある?」
「今日はミールセッションをするから、その時に話しましょう。ミールセッションが心配?」
「ミールセッションは大切だし、あなたがかかっている酷い病気から、何とか回復できたらと、家族みんなが協力したいと思っているんだよ。」
始めの10分セッションありがとう。毎回最初の10分は話すから、なんでも聞いてね。

続いてミールセッションのロールプレイ
本人を挟む形で両親を配置。兄弟も向かいに配置。
セッションの最初に、さっき測った体重測定値をグラフに記入し、体重が前回の小児科の測定より500g減っていることを指摘し、そういう意味では、ファミリーミールのタイミングにちょうどだと伝える。ファミリーミールの間は、セラピストは食べない。家族間のいんたらくしょんは部屋に入ってきたときから観察し、介入していく。
「今日のお昼はどうやって決めたんですか?」
本人は何も言わないので。
「夫には相談したの?」
いつも通りのものでいいんじゃないかと言われて、せいぜい食べられそうなものを持ってきた。
ということは、きょうは本人にとって安心できるようなものを持ってこられたという事ですね。さきほど500g減ったという事をお伝えしましたが、そのことを踏まえたうえで今日持ってきたものはどうだと思いますか?
増やすという意味では、今日の食べ物では足りないものだと思う。
お父さんはどうですか?
私はカロリーを調べて、このカロリーのものを作るように妻に伝えました。ただ、作るのは妻なので。
だって、作っても食べないから。
「昨日の話でも、本人はANに乗っ取られている。それも8割方乗っ取られているわけですから、本人の病気の意向ではなく、ご両親がお二人で食事、食べ物に関するすべての選択は、体重の90%に達するまではご両親が負う必要があるんです。」
「ご兄弟が真っ当に成長していることからも、親御さんは何をどれぐらい食べれば真っ当化について、十分にご存知だと思います。だから、本日持ってきたものに、なにを足せば足りると思いますか?」
「資質も、たんぱく質も、炭水化物も足りないと思うんですよね。それをつけ足すいい機会だと思います。私たちのオフィスに冷蔵庫がありますので、そこから選んで足してください。ご両親は冷蔵庫から必要な食物を持ってきてください。」
「お兄ちゃんは来てくれてありがとう。昨日早速一緒にYouTube見てくれたそうだね。」

個人開業のキッチンには、チョコレートバーとか、常備してます。近くのコンビニに買ってもらったり、病因なら食堂に行ってもらったりもできる。実は、ご両親がカバンの中に持っていることすらある。
とにかくは「怖い」食べ物が最初から目の前に並べられるようにする。
そうして、明らかに不足した食べ物しかミールセッションに持ち込まれなかったような場合は、きちんと必要な分量だけ足していく。
大抵水を持ってきて、水ばかり飲んでお腹を膨らませてしまうようなことがある。
「食事の前にお水を飲むのが良くないってことを、どうやったらご両親から本人についた得られますかね?」
「では、水をテーブルから片付けてください。」
「では、ご両親から、本人さんが食べ始めるように、促してください」
「これは本人にとって、とても難しいチャレンジですから、病気が許可する以上に、もう少し、もう少し、と進めてください。」
「病気よりもご両親の方が、賢いという事を覚えておいてください」
「本人はサラダを食べてますが、もう少し大切な食品群から食べるように促してください。」
「食べるまでのためらいが長くなればなるほど、もっと難しくなるので、なるべくスムーズに食べられるように促してください。」
「大事なのは、病気になる前のように食べられることなので、その時の事を思い出してみてください。どうされてましたか?何から食べてました?」
「じゃあ、その順番でそう食べましょう。なぜなら普通に戻るという事ですから」
「兄弟を見ていれば、普通に食べるというのが何か分かりますよね」
兄弟の中で共通の話題などを把握しておき、その話題を振ってもらうなりする。
「親御さんは、『おはしで、おにぎりをひと口含んで食べるように』とお子さんに伝えてください」
セラピストが本人の真後ろに立つこともある。後ろから、「おにぎりを手にとって、一口食べて」と娘さんに言ってもらえます?おにぎりを手に取って」と言ってください。お父さんも言ってください。
病気はダメと言っているかもしれないけれど、とにかく一口食べる。
「あなたならできるわ。病気の許可する以上に。怖いけど、やらなきゃいけない。薬だから」
「普通のひと口、兄弟みたいなひと口を食べてもらってください。そのように促して。」
「ご両親に訊きたいんですけれど、本人が食べられる限り付き添う覚悟はおありですか?じゃあ、隣の部屋で、食べ物持っていって、今と同じように続きをやっててください。」
「午後から学校に行けるように、なるべく早く食べ終われるとイイですね」
「食べ物が薬なので、食べることで考えもまとまって正常になるし、体力もついてきますから」
両親はどんなに今まで頑張ったか、兄弟がどれぐらいサポートになっているか、コンプリメントしてから別の部屋に送り出す。

10分後

「どうですか?食事終わりました?」
「あの後何口ぐらい食べましたか?」
「それは十分だと思いますか?」
「じゃあ、ご両親としてはどうします?」
「食事が終わらないと、また次の食事が来ちゃって、やりたいことが何もできないですよね。ここにいるよりやりたいことは山ほどあるのにね。でもご両親は諦めないと言ってるから、これを食べるまではどこにも行けないから、頑張りましょう。長くなればなるほど大変だし」
「じゃあ、また、ご両親で促してください」
「家に帰っても、学校に行ったり、宿題したりも、できるようにね」

こんな感じで、ミールセッションでキッチリ食べてもらうという事をしていく。これで残すと、食べないので。
誰が料理作ってるかとか、誰が買い出ししてるかとかについても質問する。それらについても子供のANに口を挟ませない。朝昼晩典型的にどういうものを食べているか、官職の重要性について両親が把握しているかについてもインタビューしていく。誰が食事を配膳しているか。これも100%両親がしないといけない。配膳するもの、配膳する質。
兄弟にも食事のサポートをしてもらっていいのかと言われると、その答えはいつでもNO。兄弟は兄弟としてやってもらう。
病気の辛さを誰にも話せないので、お兄ちゃんに話してもらう。両親は「食べさせる」という役割なわけだから。
そして、ミールセッションの感想を本人に聞く。
本人「すごい怖い気持ちもあったけれど、両親がともに協力してやってくれたという後押しがあって、食べられたという事ですね。」
母親「ちょっと食べてくれたから、ドキドキして、ちょっともういいよ一口食べられたし」と言いそうになったけれど、先生からの助言もあって、父の助けもあって、全部食べないといえた。」
父親「昨日カロリーを調べて、先生の後押しもあって、自分が間違ったことをしていないと思えてよかった。これまで食べさせてこなかったので、母親のやり方をまねてやった。昨日よりは母親と目が合う機会が増えた。」
兄弟「あんなに仲悪い両親が協力していて感動した。」

兄弟の学校を休ませてファミリーミールに来てもらうのは、家族の危機だからで、少なくともこの治療中は家族に色々無理してもらう。兄弟が治療に参加して、両親が何をしようとしているかを把握することは、「意地悪してる」とか「喧嘩してる」とかならないように、キチンと家族として判っていてもらう必要がある。
食後の自室での運動なども、両親に伝えて、そうできないような気をそらせるような働きかけをしてもらう。
最初の本人の10分はラポールを築くためのものでもあるけれど、このことも取り上げないと、これも扱わないととか、思いながら聞く。結構みんな、正直に、運動まだしてますとか、吐いていますとか、教えてくれる。
ファミリーミールでは両親に「自分たちにもできるんだ」という事を分かってもらう時間になる。誰もが「できない」と思いながらファミリーミールの時間を迎えるわけだけれど、でもできちゃったとなり、自信になる。

ファミリーミール中に、長々と両親がしゃべるのは良くない。シンプルな行動指示。両親が罪悪感を抱かせるような「あなたが**だから私たちは$$なのよ」みたいな言い方もやめてもらう。食べ物についてネゴシエートも辞めてもらう。両親のすぷりってぃんぐも無くす。両社が違う事「これぐらいでいい」「まだ食べなきゃ」などにならないように気を付ける。兄弟が両親のやるべき役割を担わないようにも注意する。一人の親だけが全部するのではなく、ちゃんと二人で分担して取り組めているかを注意する。
怖がっている親御さんについては、それに注意を払う。
親がわが子に「頑固だ」とか「わがままだ」などと言い出さないように、そういう時には外在化で。
HighEEで、怒りが爆発したり、泣き崩れたりする親は、いったん出て外で話したり。
「もうひと口」とか、「難しいけど、頑張ろう」とシンプルに伝える。その両親を支える。それに尽きる。
大事なのは「病気がかけている制限“以上に”食べる」ということ。それができたら「いいスタートが切れましたね」とご両親をエンカレッジする。マニュアルには無いけれど、ミールセッションを数回してもいい。
「家に帰った時に、両親が何をすればいいかはっきりわかっていて、それをする自信を持って帰ってもらう」という事が大事。
ファミリーミールは、単なるトレーニングではなく、象徴的な機会になる。これまで食べてなかったものをひと口でも食べれば、それは、「始まり」の象徴になる。完食できるのが理想ではあるけれど、そうならない時も色々ある。
セッションで逃げ出そうとしたらどうするか。子供がドアに一番近いといけない。ナイフなどもプラスチック製にする。多くのFBTセラピストはPCをぐちゃぐちゃにされちゃったりするので、PCはミールセッションの部屋に置かない方がいい。他の店子にも伝えておいた方がいい。叫び声でQQ車を呼ばれることがある。
修了者に「回復がどこから始まったか?」というインタビューで一番多く出てくるのがミールセッションで、「ここから私の回復が始まった」とたいてい応えてくれる。

両親が不適切な働きかけをしたとき、子供の方を向いて「あなたはそういわれると、どういう風に感じる?」と尋ね、さらに「お父さんのそのような声掛けは、あなたが食べる役にたつ?」と聞く。そしてその答えをまた父親に返していく。治療者が批判者としてOKNGをだすと、罰的なる。そこは家族を使う。娘がどう思っているかを使っていってけば、治療者からの批判ではない。その方が刺さる。患者さんを使う方が、治療者が私の味方で私の気持ちを分かってくれると思ってもらえる。
それらが続くようであれば、両親だけのセッションを開くこともあり得る。
最初の10分で「この治療は相当大変だから、なんでも色々教えてね。両親も学んでいる最中だから、失敗とかもあるかもしれないし。食べることは食べないといけないけど、やり方を変えることはできるかもしれない。まあでも、食べなきゃいけないのは変わらない。」
「兄弟がANの手下になったり、逆に両親の手先になって患者の運動をチクったりするという事はある。それは、兄弟としてもこの病気がものすごく怖いという事だし、両親を出し抜いているという事だから、両親に出し抜かれないようにより管理していく。兄弟については心配していることを聴いて、それを患者さん本人や両親に聞かせることも大事。どうすればその心配を彼が背負わずにいれるか、両親に解決策を提示してもらう」
親御さんの表現が虐待的であれば、それは決して許さない。それらの方法が娘の回復に役立たないことについて率直に述べて、やり方を変えてもらうように別個に言う。

そんなところで、午前のセッションが終わって、お昼ご飯。

【Family Based Treatment 2日目午後】


昼飯を食いながらあれこれ考えた。
ミールセッションでは我々の業界で言うところの「タクトを出す」というやり方、家族療法で言うところの「間接指示」というやり方が用いられているように見える。
そして、確かに子供にも、親にもそれぞれ別のエクスポージャーではある。
しかし、やはり、これはERPそのものでは無いな。ミルクボーイみたいやけど。


しかし、この研修を見て、FBTができるようになるのかと言われると、それは無理な気がする。少なくとも曝露法について十分な経験を積んでいること、できればOCDの家族巻き込み型のやつを家族込みで指導できること。ペアレントトレーニングができること、そして家族療法ができること。とりわけ円環的な質問や、戦略的行動課題が出せること、そして、認知療法ができること。などがベースとなるようなスキルだと思う。


さて、2日目PMの講義が始まった。
FBTをやっているあいだじゅう、家では体重計に乗ることを禁止するらしい。治療の間体重計は他所にのけてもらう。したがって、体重は分からないまま、とにかくはミールセッションでやったように、頑張って食べさせてもらう。


で、次のセッションの頭で体重が測られる。ある意味セッション間の頑張りに対するバイオフィードバックだ。


家族にどうなってると思いますか?と予測で尋ねると、家族によっては、「あんなに頑張って食べさせたから、きっと増えているに違いない!」という場合もあれば、「あんまり食べさせられなかった(しゅーん)」という場合もある。


そして、実際測定した値をフィードバックする。それは、結構事前の予測と変わっている。「え?マジで?減ってるの?」とか、「ああ、何だ、意外と増えてた、良かった」、とか。


とにかく増えてたら、ほら、やっぱりうまくいったじゃないですかと親を褒めるんだけど、摂食の促しが、無理やり押さえつけているとか、ハラスメントなやり方になってないかは注意する。
あるいは、体重は増えてるけど、相変わらず怖い食べ物は避けて食べているとかなら、次は種類を増やすとか。
目標として1週間に500gぐらいの増加を目指す。増えてるけど満たない場合は、「どうすればその目標にたどり着けるか」家族で、話し合ってもらう。
前の週は増えてたのに、今週は体重が減ってた場合は、やはり両親はがっかりするので、そこには共感して、前の週と何が違うか話し合う。「前の週と同じものを食べさせていたのに!」と言われると、そこで患者さんが本当は何をしていたか、探っていくことになる。病的な行動、例えば吐いてるとか、過剰に運動しているとか、そういったおかしなことが起こっていないか、ちゃんと管理してもらう。
そして、どうしても分からない場合には、一つ一つの食事をもっとしっかり見ていく。しばしばそういう時に見つかるのは、結局食べてなくて隠してたり。そういう風に、アップさせたはずのカロリーが消えてなくなっていたら、そのカロリーがどこに行ってしまったのかを調べる。ペットの室内犬が食べていることも少なくない。そんなときは食事中は犬を遠ざけてもらう。
両親はそういったAN特有の行動を思いもよらないことが多い。そこは家族教室で、どんなポイントを注意して管理すると良いかを学んでもらう。例えば、必要以上に2階に上がったり下りたりしてるのなんかは、両親に「運動」とは見えないこともある。
体重が増えるだけの食事を用意して、きちんと食べさせるように管理しているにもかかわらず、なお体重が望ましいように増えていないのだとしたら、必ず何かおかしいことが起こっている。その「何か」を探っていくことが必要だ。

体重が現状維持だった時、要するにそれは、上手くいっていない。痩せてないからOKなわけじゃない。だから、実は減っているというのと同じことで、「1週間をロスにしてしまった」と伝える。「両親がちゃんと結束できているかとか」「今週一番手ごわかったのは?」「一番うまくいったのは?」など色々聞く。進まなかった今週に比べて、来週こそは前に進むために、一体どこを変えていかないといけないか。誰が何をするのか、どんな工夫を付け加えるのか。どこを管理すると良いのか。具体的なプランをしっかり両親がイメージできるようにしてから帰ってもらうらしい。

セッションの内容は要約し、今週はここがこのように難しかったが、そこは来週こういう風に工夫する、というのように工夫を持って帰ってもらう。でも両親を責めたりして、罪悪感や失敗感を持ち帰らないようにする。
すくなくとも第2段階に進めるまで体重が回復するまで、この段階を粘り強く続けていくことになる。

こういうのはMRI(戦略派)の行動課題にけっこう似ていると思った。つまり不退転の決意でDo Differentを処方するわけだ。


【第二段階について】
第二段階に進むのは、下記の事が達成出来たらである。
・9割の目標体重に達している。
・著しい困難無く食べられている。
・両親が、自信をもって患者の再栄養並びにAN行動を管理できている。
生理が回復するのは、一つの指標であるが、大体90-95%の体重に回復すると戻ってくるものではあるが、絶対ではない。
例のAN乗っ取られ度合いベン図を使って考えてもらって、より元通りの健康な本人の%が戻ってきているか、家族それぞれに訊いたりもする。家族もエンパワーされた形で再栄養に取り組めているかも考慮する。

第二段階に入っても、患者さん本人が自分一人で、きちんと必要な食べ物の種類や量を選べると示せるまでは、いつでも家族が食べ物を選ぶようにする。例えば朝食の準備なら、本人が適切な品を適量用意するのを見守りつつチェックする。
見守りの下でできるようになって初めて、学校など親の目の届かないところでも、本人だけでできるか試してみる。最初は、十分親の目の届くところで、自主的にできるか進めていく。
毎週の第一段階に比べ、第二段階は隔週の頻度で行うが、体重が減れば毎週の頻度に戻す。

第二段階は食事の自主性のほか、他人と食べる、特に同年代の子らと食べる、など病気になる前のように、社会的にも普通に食べられているかが、一つの大事なポイントになる。
あと、病気の前にやっていた運動が、それをやりながらも体重を維持できているかとかも確認していく。
そういう時に「病気になる前に娘さんができていたことで、今できていないことはですか?」という問いが役に立つ。本人からも「再び以前のようにチャレンジしたいこと」を尋ねて、そのことに取り組んでもらう。

第二段階は6セッションだけれど、認知的な変容は12か月から18か月ぐらいかかるという事を両親に伝え、急に手を放さずに見守りを続けるというのが必要らしいj、krr。。

・・・これは、行動療法の私からすれば、これまで「食べない」という行動でGetしていた親の注目を、「食べる」という行動で十分十二分にGetできるようにしておいてから、徐々にフェードアウトしていく手続きにも見えるな。

本人の欲求とANの欲求を分けて考えて、外在化を進めていくという事も重要。時期尚早に第一段階を辞めて第二段階に進んで欲しくもないけれど、着々と進んでいって欲しい。
第二段階で体重減少が認められるときは、両親はがっかりしちゃうものなんだけれども、まあそんなときも、「ANという病気がどれだけ強いか、根深いかを再確認する機会になりましたよね」などとポジティブに伝える。「本人の自主性に任せて、体重が減っちゃったのはとても残念だったけれど、それも、いったんは任せてみないと判らなかったですからね。」などと伝える。

第三段階は月一で4回ぐらい行う。第二段階を経て、患者さん自身がほぼ自分で、適切な量、適切な質の食べ物や運動をマネージメント出来ていることが目安。もちろん目標体重の95%をキープで来ていることが前提。

第三段階でも体重や体形への拘りは本人の中に残っているが、そうであっても身体や思考が回復し、思春期としての成長軌道に乗れていることを、両親が把握できている必要がある。

第三段階では再発予防について取り組むわけだが、患者さんに「もし病気が戻ってきたとしら、両親はどういった所で、その逆戻りに気が付くだろうか?」という質問をする。
患者さんはまた第一段階には戻りたくないものなので、結構正直に答えてくれる。

第三段階は、本人の正常な発達段階とは何か、健康な本人にどんな発達的なニーズがあるかを両親に考えてもらう段階だ。そもそも第二次性徴などの変化の時期ではあるので、それらも大事な話題になる。
例えば14-16歳ぐらいであれば、社会的なアイデンティティーの形成も重大な話題となる。より年齢が高ければ、自立であったり、他者との間に親密な関係を構築することなんかも大事になってくる。
それぞれの年齢の患者ごとに、どの発達課題に取り組んでいくべきか、そしてそれがANによって阻害されていないかを考えていく。
そしてまた親の方も、そういった子供の発達段階の変化に応じて、親の役割も変化していくよね、ということになる。例えば、親自体に本人の年頃の時代を振り返ってもらい、自分が子供と同じ年齢だった時には、何を発達課題にしていたか、思い出してもらう。
そして、この第三段階になると、夫婦関係が正常に戻っていることも確認されるべきことだ。

FBTは再栄養に特化した医療的な取り組みであって、「ボディーイメージの問題」や、「認知の問題」は取り扱わないと、明確に宣言している。だから、FBT終了後、多くの患者さんが心理的なサポートをFBT以降も必要としていて、実際6割の患者さんたちは別の治療に移行する。
ただ、そのような心理社会的問題を本人が扱えるようになる大前提として、再栄養と身体の回復が必要なので、そのためにFBTがある。「身体が回復していなければ、こころは扱う事ができない」がFBTの哲学なのだ。

【FBT必要条件】
・チーム皆で同じ方向を向いて取り組むこと。
・両親がANやその治療に向き合う準備ができていること。
・FBT前に家族(精神医学的、社会的、心理的)アセスメントを済ませておくこと。特に両親の攻撃性、虐待、精神医学的問題は調べておかれるべき。

【AN親向けの家族教室について】
FBT前の心理教育をどうしているか。両親が自分達で関わるということを意識し、そのことがAN治療に大切だという意義を見出せることが大事。そこを両親がちゃんと理解してくれていることで、チームメンバーにとっての仕事もスムーズになる。両親の理解度が治療を促進してくれる。
講師の研究ではFBT前に家族教室を受けた群、受けない群で比較すると、家族教室群の方で有意に体重増加があった。少なくとも日本でも両親への家族教室は大事だと思う。
講師の病院では毎月最初の月曜日に3,5時間の両親教室が開催される。FBTを初めて4週未満の家族。これは病院では強制的な参加になる。参加しない人はごくわずかで、そういう人たちはその後もドロップアウトすることがほとんど。
グループのプログラムの最初30分は参加の動機について各々喋ることで、お互いの話を聞いて、共感したり安心したりする。多くの家族は「こんなに大変なのはウチぐらいだ」と思っている。なぜならANは家族間の断絶を作り出す病気だからだ。
オーストラリアでは、「ANになるのは家族のせいだ」というスティグマを持たれることが少なくない。また、健康な家庭にANの相談をしても、「え?食べさせたらいいんじゃないの?」などと無理解に出くわすだけで、却って孤立を深めたりもする。
ANがもたらす悪影響がどのようなものか、なぜそんなにANが食べるのを難しくさせるか。FBTがどのように作用して、どう良くなるか。などが家族教室で語られる。
家族教室のみ、何をどれぐらい食べると良いのかカロリーや栄養についての教育も行う。きちんとカロリーの話をすると、意外と家族は知ってなくてびっくりすることが多い。
FBTの中では本人も同席しているので、患者さん自身が必要なカロリーを見るとパニックになったり、不安定になるので、カロリーの話はしない。
家族教室では、本人が混乱、パニック、怒りなどの情動発作を起こした時、親としてどうマネージメントするか、両親でどう連携するかについても話す。連携の話をすると「だから言ったじゃない」などと夫婦喧嘩も始まるw
家族教室の最後ではFBT卒業生の家族に来てもらって、これからのご家族からのQ&Aに協力いただく。そうしてこのセラピーへの期待と確信を深め、食べさせるという親の役割に自信を持ってもらう。
【家族教室で、特に両親に判ってもらいたいポイント】
1. 病気の身体への影響。脳に、髪に,心臓に、血に、筋肉や関節に、腎臓に、生殖器に、ホルモンに、肌に、骨に、etc.たくさんの悪影響が現れるが、両親は意外と分かっていない。突然死も起こるし、餓死もする。特に思春期に起こるシナプスの選定で、つながるはずのシナプスがつながらなくなるなど脳委縮の影響を強調する。脳が変化する思春期にANになってしまったからこそ、慢性的になるような固着が起こってしまう。骨密度の写真とかも見せる。そういうリスクを伝えることで両親のモチベーションを上げていく。それらを根拠に、「我々が食べさせないといけないのだ」という事を再確認してもらう。ANからの回復食として、体重増加のためには毎日3000kcal以上を必要とする。3回の食事3回の間食を伝える。思春期により多く必要な、カルシウムや、鉄や、その他栄養素についても話す。
2. 通常の子育てにおける食事提供と、AN回復のための再栄養の食事は全然違う事を理解してもらう。再栄養は、子供が回復するための処方薬であるため、両親で同じやり方で提供できなければならない。子供が病気の時に抗生剤が出て飲むように、ANには食べ物が薬として出されて、確実に飲まれる必要があるということ。
3. 治療を妨げる病的問題行動の種類を知る。排出行為(嘔吐、下剤、利尿剤)。過剰な身体活動。体温。食事メニューに子供を関わらせる。などは、病的問題行動だったりする。排泄は食べた罪悪感を帳消しにするために行われることを理解する。食事中も当然見守るが、さらに食後も一定時間見守る必要がある。食後1時間ぐらいは子供に何もせずに休んでもらい、トイレなどに行かない(吐かない)よう管理し、何もしないように伝える。子供はあらゆる機会を見つけ、親の目を盗んでエクセサイズをしようとする。運動に見えない運動、例えば、立ちっぱなしたり、貧乏ゆすりとか、やたら歩いたりとか、階段上り下りとか、目を盗んで自室やトイレで運動したりとか。体温も体重増加に大切なポイント。やたらと厚着をして汗かいたり、寒い中薄着でいたり、体温のアップダウンでカロリー消費を試みることもある。摂食障害の男の子たちは寒くても半ズボンだったりする。寝ている時にも、かけ布団のさらに上に寝ることによる寒さでカロリーを消費しようとまでする。
4. 問題行動を誘発してしまう事が多いので、メニューや調理に子供を関わらせない。本人以外の家族成員がダイエットしてたりしても、本人のAN回復の妨げになる。健康志向が強すぎる両親は、健康食品に拘ったり、クリーンな食べ物に拘ったり、ジムにせっせと行ったりするが、そのような拘りが両親にあると、良くない。例えば両親が食べさせてて子供に拒否されたとき、「あ、でも確かにこれは、クリーンな食べ物じゃないからな」などと、食べさせるのをSTOPしてしまう事がある。
5. 「なぜ子どもにとって、食べることがそれほど難しいのか?」を考えてもらう。親は意外と分かってない。「(夫みたいに)わがままだから」などと短絡的にしかとらえてない。食べない理由はステレオタイプには6つの理由で説明することが多い。
6. 子どもの行動を「恐怖」という観点から理解する。摂食(拒否)行動が恐怖に関連付けられていることを強調する。体重増加の恐怖、カロリーへの恐怖、太る事への恐怖、食べ出したら止まらなくなる恐怖、次の食事に対する恐怖。コントロールを失う事の恐怖、周りにどう思われるかの恐怖、ANというアイデンティティーを無くす恐怖などだ。2/3の摂食障害には不安症状が見られる。食べ物を目の前にすると、一層恐怖が高まる。両親から観て不合理なほどに高い恐怖。
7. 子供の行動を「執拗な内的会話」という観点から理解する。「食べちゃダメ」とか「ストップ!」とかそういったANのつぶやきが常に耳元で聞こえている。ファシリテーターがAN役になって、耳元で延々とうるさく言ってもらったり、デモを通じて分かってもらう。
8. 病気が課す無数のルールについて理解する。ルールは一定の安全感をもたらすものだ。例えば、「インドの真ん中で車を運転する」と、もう交通ルールが無さ過ぎて、恐ろしい体験になるだろう。ルールは安心をもたらすにせよ、それ有り過ぎるとがんじがらめになって逆に苦しくる。ルールは取っ払うより、より適切なルールに置き換えていく。
9. 子どもの行動を「飢餓状態の脳」という観点から理解する。
10. 子どもの行動を「パーソナリティー傾向」という観点から理解する。
以上の理由を伝えて、親が「だからうちの子は食べるのが難しいのだ」と理解する手助けをする。子供が自分の感情や思考を自分自身で調整できなくなっているので、だからこそ両親の助けが必要なのだと分かってもらう。

感情が高ぶった子供を見て、親が救済モード(今すぐ救ってあげたい)に入るのは、親としてごく自然なことであるが、それが必ずしも子供に役立つとは限らない。とりわけ、親が代わりに何かをすることは、子供の助けにならない。
大事なことは、不確かさや選択肢ができるだけ少ない、混乱が少ない状況を作り出すこと。それは個々の家庭によって異なっている、次の食事がきっちりわかっていることで混乱が減ることもあれば、次の食事を知ってしまう事で混乱が増えることもある。子供の辛さに寄り添い、共感もしながら、一方で「『食べる』ことは絶対にしなければいけない」と毅然と伝える。
「まず気持ちを認めた上で、それでも食べる必要があることを伝え、具体的な行動を示す」というプロセスが大事。辛さを無視されるのは良くない。感情を認めるのが重要なポイント。
両親の間に亀裂が生じた時に、ANは最も威力を発揮する。逆に両親同盟は治療に最も威力を発揮する。
親が子に関わるとき、気持ちの上で4段階のレベルがある。下から無関心、同情、共感、慈愛だ。
無関心「私理解できない。なんで食べないの?」、同情「一緒に苦しい」、共感「あなたの苦しさが分かる。あなたと深くつながってる」、慈愛「あなたの辛さを感じながらも、あなたを助けるわ」。慈愛の段階で初めて子供を救う事ができる。この4段階を伝えて、親として、「同情してるだけなんだ」とか、「共感どまりなんだ」とか思ってもらって、さらに良い関りにシフトしていってもらう。

目安となるようなミールプラン(量や質の目安となる食事)を管理栄養士に作ってもらっているものがある。プラン1からプラン8まであり、患者さんの治療段階のよって選択する。プラン8は週に1.5㎏の増加を目指しているので、めったに使わない。男子の場合とか7まで行っても増えない時とか、特別な時だけ。大体プラン5ぐらいを良く使う。ミールプランをAN両親に見せると、「多い!」とビックリされる。でも、健康な思春期の子だったらそんなもんでしょうと、納得してもらう。病院であれば、職場の管理栄養士に頼んで作ってもらってもいい。プランがあれば両親の理解度も違ってくる。


【質疑応答】
Q.オーストラリアではどうしてFBTが進んでるの?
A.オーストラリアでも10年前はANに対して小児科医が困っていて、入退院を繰り返すだけに過ぎなかった。色々な職種を含めてのディスカッションをやっていって、ようやくFBTを行えるように、ムーブメントが起こってきた。

Q.治療チームのマネージャーは誰なの?
A.FBTセラピストがチーム全体のマネージメントを行う。心理士だろうが、ナースだろうが、医師だろうが職種は問わない。少なくとも2人、できれば3人以上のチームで行う必要がある。身体管理役の小児科医と、FBTが不可欠で、あとは精神科医は必要に応じていればいい。チームの足並みがそろわないとうまくいかない。

Q.投薬はどうなってる?
A.現実の臨床場面では50%の患者さんが投薬されている。RCTでは2-30%だった。チームメンバーの精神科医が薬出すの好きかにもよる。実感としては摂食障害の8割ぐらいは不安障害を併存して持っている。そうは言っても、薬にすぐ頼るのではなく、両親が自分たちの力でできるかどうかのチャンスを、まずは与えることが大事。

Q.曝露が日本になじまないのでは?
A.オーストラリアでも同じく、本人も、家族も、セラピストも、ミールセッションはやりたがらない。なぜなら怖いから。その怖さをセラピストや親が乗り越えられないのであれば、治療は成立しない。ただ、そこはリフレイミングというか、「こういうやり方・スキルなんだ」と変えてみたり、少し怖さをマシにするような表現方法はあるかもしれない。

「一生このままでも良いんですか?」「何かやった方がいいんですか?」などと親に問う事で迫ることが多い。もし何か違う方法を試して、上手くいくかどうかわからないけれど、やらなければ変わらない。さてどうしますか?」とか、そんな感じで問うていく。
何か変わりたいことがあるからこそ、専門家の前に来ているわけだから。などという。

Q.FBTをゲーム依存にも使えますか?毅然とした態度など。
A.AN以外にも、肥満に使われているという研究はある。ゲーム依存に関しても、シンプルな親教育として考えれば、両親が毅然とした態度で取り組むという意味では同じだ。

Q.本人が来ない場合は?
A.親だけがFBTを受ける場合も遜色ない結果が出ている。しかし、その場合も子供は病院で別の看護師と話をしている。一方で、親が子供を病院にすら行かせることができないのであれば、そもそも食べさせることは無理だろう。

Q.成人ANの場合は?
A.ガイドライン上で成人のANについては、CBTやマントラ??だったりするので、FBTを適応した例はあるが、ガイドラインに従って違う方法を選択するべきだ。年齢が上がれば上がるほど「親の威厳を使って」という方法自体が難しく、適応が難しい。

Q.兄弟がいない場合の、サポート役は親?無し?
A.兄弟がいない場合などは、サポート役になるのは両親で、食事をマネージメントしながらもそのようなキャパシティーになってもらうが、難しいようなら、おばあちゃんやいとこや、誰かサポートになる人を探してもらう。結構ペットがその役割を担うこともある。それらのサポーターが誰になるかは話し合われるべきだが、別に面接に来なくても良い。

Q.体重測定から子供が逃げ出す場合は?
A.両親に連れ戻してもらう。体重測定は基本的にやってもらうが、どうしてもどうしても、体重増加が妨げられるほどの障害が出るという事であれば、体重増加を優先する。

Q.食事記録は使うの?
A.FBTでは食事記録表などを使うわけではないが、使う事を禁止するわけではない。それらにリジットに従おうとする柔軟性に欠ける親の場合は、子供のためではなく、親のために取っているというか、そういう場合がある。それが子供のパニックを招くなどの場合は止めさせるし、それを子供に見せる必要はない。FBTは率直なコミュニケーションを是としているので、本人に内緒でカロリーを忍ばせたりもしない。

Q.家族教室は最初の1回だけ?
A.家族教室は最初の1回だけだが、2回目をしてもいいかなと思う場合もある。

Q.家で体重測定している家庭でも、禁止させるの?
A.体重測定は、家でしないように指導する。体重は体重計によっても違うので、あーだこーだなるので、セラピールームの一つにまとめる。

Q.子供が体重測定すらさせてくれない場合は?
A.子供の体重を知って健康を管理することは親の責務なのでそこはやってもらい、低体重だから病院に行こうと持っていく。その後FBT始まったら、体重の管理は親はしない。FBT以前に、小児科なりに持っていくことをどうするかについては、FBT以前の臨床判断になる。でも多くは恐怖でそうなる。

問題解決療法や論理的帰結(ロジカルコンセクエンス)を用いて問題行動の解決を図るように導く。「過剰な運動をしていることを辞めない限りは、自分がやりたい部活に戻れないよ」などというロジカルな説明をおこない、どうすればどうなるという結果を示すことが大切。例えば、ずっと立ちっぱなしでカロリーを使う子には、「座らない限りはスマートフォンを使わせないよ」とか、そういったシンプルな親訓練を用いていく。大事なのは、単なる行動制限ではなく、なぜそうだとそれができないのかについてロジカルな説明をつけるという事。

⇒これは、親訓練によくあるオミッション条件づけのルール支配だと思われる。

Q. 一時外発的な動機づけで摂食行動を回復させたとして、最終的に適切な空腹⇒適切な接触のレールに再び戻すための方法が分からない。
A.何が普通の食べ方かについて、両親に家族教室で喋ってもらうと、家庭によって何が普通かは違っている。しかし、とりあえず、恐怖なく食べられる、必要なエネルギーが食事を通して取れる、友達と出かけて社会的な活動として食べる、それらが大事。とにかく「不安なく食べられる」のが大事。当初の「食の処方」は普通ではないが、回復過程においては三食ではエネルギーが足りないので、食べ物は薬であるという事にしている。ノーマルな食べ方「お腹が空いたから食べる」はANにおいてずっとずっと先にならないと回復しない。だから、かなり長くの間、空腹、満腹中枢に頼って食事をすることはできない。体重回復しても、その後6か月は体重減り易いので、高いカロリー摂取を維持する必要もある。回復のためではなく、再発予防のためにも食べ続ける必要がある。満腹以上に食べ続ける必要があることに患者さんたちは不満を抱く。3年ぐらいANだと、普通の空腹⇒摂食スタイルに戻るまで、少なくとも6か月ぐらいはかかる。そして病歴が長ければ長いほど、普通の摂食スタイルに戻るまでも時間がかかる。

Q.オーストラリアの摂食障害事情を教えて。
A.オーストラリアでは、例えばメルボルンでは大きな二つの小児科が二つあり、それぞれがカバーするところは少しずつ違うものの、どちらも標準治療としてFBTをしている。
政府もAN治療に助成を出していて、民間のカウンセリングルームに通うお金も40回までは出してくれる。他の心の問題でも10回までは出る。なぜならANは思春期のこころ問題の中でも死亡率も高く、注目されているからだ。


そうして、2日目のFBT研修が終わった。

CBTからみると、感想としては親訓練+エクスポージャーセラピー×親&子+家族療法という感じだろうか?
「好子の剥奪しといて、適切な行動出来たら許可する」というオミッション条件づけも結構やってそう。まあ、古く言えば行動制限のような。でも、行動制限じゃない。ロジカルコンセクエンスだ!という事らしいそうです。

鍵となるのは、「親の食べさせ行動」形成で、それを生起させるためのプロンプトとして子供の健康問題を持ち出して脅しもする。その行動の強化子は「親の言った通り子が喰う事」なんだけど、同時に抵抗もハードなので、親の気持ちが折れないようにサポートしないといけない。
子供が体重を回復させるのと同時に、親が子育ての自信を回復させるという、体重&コンプライアンス回復プログラム、それがFBTだと思った。

三日目はこちら
投稿者: 西川公平
2020-02-23 20:46
カテゴリー: テクニック

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