2019/07/17: 第6回大阪神戸CBT研修会&第9回CBT casecamp感想 その1

第6回大阪神戸CBT研修会&第9回CBT casecampが無事に終了しました。 今回も皆さんの積極的な参加者に支えられて、大いに盛り上がりました。 はるばるお越し頂きありがとうございます。 そしてスタッフの皆さんお疲れ様でした。
講師、コメンテーターを快くお引き受け頂いた皆さんにも深く御礼申し上げます。
あとは、参加者を快く送り出してくれた、施設や同僚や上司、事例報告の許可をくれた当事者の方、そしてなにより、ご家族のご協力もあって、成立しているのだと思います。多謝多謝。

さて、中の人の一人として雑感を書いてみますね。

昨年のケースキャンプの時に、看護師の近藤さんと川野さんにお願いして「来年は看護のチームでよろしくね」と無茶ぶりをした。
これは、完全な無茶振りだ。
なぜなら、それまで看護師の人たちは、友達であってもチームではなかったからだ。
要するに、「友達からチームにランクアップしてね」とお願いしたわけだから、無茶ぶりではなくてなんだろう。
でも、まあ、去年のスキルアップ研にお願いした時も、それは似たようなもんであった。

いま振り返ってグーグルのカレンダーに「ケースキャンプミーティング」と入力すると、これまでの数々のミーティングが出てくる。
第7回北海道が遠隔地だったこともありZOOMでミーティングを始めている様子。
それが正しければ、今回のケースキャンプの第一回ミーティングは2018/11/8になされている。
その後、2019/1/30,2/18,3/7,4/5,5/22,6/2,6/25,7/2と続いて、9回のWEB会議がなされた。
そしてこれは私の預かり知らぬところだが、事務局同士で頻繁なライングループによるやり取りもあった様子。
もちろん、恒例の、コメンテーターと事例報告者のやり取りも複数回なされていた。

つまり、準備は念入りになされていたわけだ。
この準備行動というのは、不安だというのももちろんあるが、それだけではない。学園祭を通じて凝集性が高まるじゃないが、大人は仕事を通じて結束できる。
結果として看護CBTを学ぶ会は一つのチームになった。しかもいいチームになった。

ケースキャンプの目的はいくつかあるが、一つは「行動活性化」ならぬ「行動社会化」にある。我々精神やら心理やらを追求する人間は、現実社会との繋がりに乏しいところもある。
「教師の世間知らず」と揶揄されるところがあるけれど、心界隈の住民も十分世間知らずなのだ。
一つの大きなイベントを開催すると、本当にめんどくさい、手間ひまのかかる、考えもしなかったトラブルなども起こってくる。
日常の仕事では関わる必要の無い人とも関わらなければならないし、どの程度まで相手に要求可能か、どの程度からは厚かましいかとか、契約上のさじ加減だって必要になる。

それらを伝えていくことは、一般社団法人CBTを学ぶ会の「中間支援」というものに属している。
中間支援とは、NPOのひこね市民活動センターさんを手伝っていた時に学んだ概念で、活動している団体を応援する活動のことだ。
少し前までは、お金などを各地に寄付したりしてみたが、カネだけの支援というのは実のところ虚しい。
ノウハウを伝達していくことによって、野火が広がっていくように、認知行動療法が広まればいい。そんな風に思ってケースキャンプをしている。

しかし今回のケースキャンプは、いつもにもまして事務局の伸びがハンパなかった。
最終的にはどこまで到達するのか見守りたくなり、私がジャマをしないように小さくなっていたぐらいだ。
それぐらい看護師チームはよく結束して、事にあたっていた。聞くべきことは聞き、判断スべきところは判断していた。
これ以上のチームはなかなかないだろう。

ただ、今回のコメンテータは、看護CBTの方々にCBTのコネが無いからということもあって、いつものケースキャンプと違って、私が事例についてピッタリ合いそうな人を全国各地の先生にお願いする形となった。
ファンの多い三田村先生や蒲生先生に来てもらったことは、聴衆みんなが喜んでいた(サインの列ができてました。)。
また、私が個人的にええ臨床家だと思っている嶋崎まゆみ先生にもご参加いただけたことは、テンション上がった。
他の講師であれ、コメンテーターであれ、皆さんに忙しい中で時間を割いてケースキャンプに参加してくれたことは本当に嬉しかった。

そんなわけで、万全の体制で迎えた今回のケースキャンプでした。
特に、地元ゆえに会場の手配、託児の手配、足りない機材の買い足しなど、etc.etc.八面六臂の活躍を頂いた長浜さんには感謝です。
あと、事務局の入金確認や大方のメール返信を一手にに引き受けてくれた堀江さんも縁の下の力持ち的な活躍でありがとうございます。

あ、嘘ですと言うか、私の部分だけは、何もかもの後に後回しされたので、結構適当でした。すみません。発表中にもちょこちょこ手直ししてたぐらいです。ここでお詫びしておきます。

さて、前入りして三宮駅前のキンコーズで印刷しつつ、駐車料金のあまりの高さに毒づいていた。
他の事務局スタッフはなんと前日でも日勤しているし、何なら夜勤明け。3日間を開けるということで、逆にその3日間以外を開けることができないぐらいに仕事が詰まっている働き盛りっぷり!
しかもキンコーズの印刷機が全然しゃきっと動いてくれない。
「昔はそんな事なかったんだけどなー。経年劣化かなー」とか思いつつ、思いの外時間を食った。
スタッフの一人で縁の下の力持ちの鶴田さんが岡山かけてくれて、アレコレ手伝ってくれたので、雰囲気がほわっしました。

実のところ、音響システムが会場の人についてもよく解ってないらしく、会場に早いこと着いて、必要とあらば足りない機材を、電気屋が開いてる時間帯に買い足さなければいけない。

まあまあでも、そんな不安をよそに、何とか印刷もできて、音響もどうにかなりそうということになり、明日から無事にスタートが切れそうということになったので、せっかく神戸に来ているんだし、中華街に繰り出そうということになった。
もうこの日以外は外に食べに行けそうになかったからだ。
中華街は会場から歩くと遠く、へとへとになりかけたところで到着。
なかなかに美味い!
でも、明日のこともあるから、早めに帰って、早めに寝る。

今回のケースキャンプは看護CBTを学ぶ会が全力を尽くして看護師を集めたので、つまり認知行動療法のことを殆ど知らない人とか、臨床歴がほとんどない人とかが、例年にも増して多い。
明日の研修会では、そのような「全く知らない人」から「そこそこ知っている人」までいる聴衆のギャップに応じて、両者を満足させる内容にしないといけない。
聴衆のレベルが分かれているという研修において両者を満足させることは、まあまあ難しい。
最初は「全部模擬面接でいいや」と思っていたんだけれど、一応基礎研修ということもあり、行動療法や認知療法の基本的な講義も付け足す。
でも講義の中であれこれ臨床的な話を盛り込むことによって、全体的に飽きが来ない構造を目指した。

さて、1日目。
早速プロジェクターの挙動が不審。前夜のテストでは動いてたのにな-。
でも、予備のプロジェクターも持ってきている・・・予備のプロジェクターも不審。
電源は入るものの、ライトが点灯しないという2台とも同じ症状を呈していたので、ひょっとして会場の電圧とかがオカシイのか?などと邪推して、違うコンセントに挿してみたり、あれこれ試している内に点いた。

「第6回大阪・神戸CBTを学ぶ会」何故か最前列に座った小関先生がニコニコしながら観ている。
ちょっとだけリップサービスとしてブリーフセラピーの話しを混ぜたり、森先生の逸話を混ぜたりしながら、進行していく。
休み時間に小関先生に
「案外西川さんは、まっとうに認知行動療法の話をするんだなと思って驚いた」
と言われる。

するよ!型がなければ外せないよ。

さて、午前を終え、多少の積み残しを午後に回しつつも、メインの模擬面接。
模擬面接ばっかり4時間ですぜ!

今回は「動画で学ぶ認知行動療法」なわけだから、午前の講義で行ったことを、フロアの模擬患者さんにやって見せなければならない、という縛り。
まあでも、セラピーは、臨床の自由度を下げる代わりに、セラピストの安心感を高めてくれる(患者さんにさしたる益はないと思う)装置なので、所詮は縛りみたいなもんだ。
飛車落ちだろうが、角落ちだろうが、CBTだろうが、ソリューションだろうが、与えられた条件で仕事すればいいだけだ。

今回の模擬面接では、も一つ工夫があって、書画カメラを導入し、セラピストである私が紙面に書いていることが、リアルタイムでプロジェクターに映し出されるという試みをやってみた。
これは、思っていたよりも結構ウケた。
・何を書いて、何を書かないか。
・どう書いて、どう間を取るか。
・クライアントさんが書かれた紙を見て、どんな反応をするか。
そんな所が示されることも、なかなかないことだ。

1事例目は、広島の心理士さん。故権上さんの弟子らしい。スムーズにかつ、事前にお伝えしていたCBTの進行通りで、圧倒的なサクラ感があるけれど、無事に8分ほどで終了した。
困りごとと困り事でないことのギャップがあれば、そこに問題のエッジを見つけていくことで輪郭が浮き彫りになって、事例の理解がシャープになりますよね。

2事例目は、滋賀の仲良い精神科医さん。全然しゃべらない。舞台に来てかつ喋らないというのは、なかなかのものだ。
1事例目とぜんぜん違うトーンなので、ぜんぜん違うセラピーになって、良いことだ。
ほとんど喋らない、ほとんど動かない系のクライアントさんは一定のセラピスト困りごとニーズに入っているから、そんな時はどんな風に言語を組み立てていくと良いのかが示せたと思う。
たしかに流暢性の問題が全面に出てきていると難しい風に感じますよね。まあでも無事に9分ほどで終了した。

3事例目は、上司と上手くいかないという事例。
問題の同定、それが起こらない時。
類似の問題との類似性、ゴールの設定。講義した通りのことを、講義したとおりの順番でスムーズにサクサク行く。
いやもう全員サクラだな。無事に7分ほどで終了した。

まあでも、ここまでは、実のところ①問題の聞き取りと②整理と絞り込みというたった2つのことしかしていないので、スイスイ行って当たり前とも言える。
ここで休憩を入れたら、「あの続きが気になる」と複数人に言われた。
まあ、でも私としては別にしなくても、ほとんど終わってるとこまで来ているから興味ないけどな。
シナリオ通りにいけばスムーズに終わるし、シナリオにないことが出てきたら、多分もっと早く終る、てなもんだ。

4事例目からは、①問題の聞き取りと②整理と絞り込みに加えて、③問題の定式化と解決策の作成④課題の作成まで、フルパッケージでお見せすることになる。
そんなわけで、倍ほど時間がかかるという前提で、ちょっとねっとり目にやってみた。
「友だちがいない」という重たい目の主訴を、あれこれ多面的な角度から検討しつつ、課題を出すまでやっていく。じっくり30分ぐらいかけてみる。
あれ、じっくり行こうと思って、行き過ぎたかもしれない。
まあでも、録画したものを再生しながら、「こんなな時はこんな風に考えて、こんな事を言ったんです」みたいなことを、15秒毎に停めては解説する。
解説が長すぎて、くどいww終わらない。

ちょっと時間かけすぎてて、次の面接は20分で終わらせないといけない感じ。
5事例目は、病院の心理の方で、やや他罰的なクライアントさん?多弁的というか。色々不満はあるようだけれど、問題を聞き出し、絞って、解決を構築し、課題を出してと、楽しく面接して20分でちょうど終わる。

ちなみに、暇なので、5事例とも最初の枕の部分を違うのにしてみた。
落語で言えば枕は大事だ。
「枕で決まる」とは言わないが、ええ枕をいくつか用意しておくに越したこと無い。
どうとでも言いやすいように言えば良いのだが、枕が全体の方向性を決めかねない。
「トンネルを抜けるとそこは雪国だった」でも、「石炭をばはや積み立てつ」でも、「徒然なるままにひぐらし」でも良いけど、最初が肝心なところはある。

てな感じで、模擬面接という芸を披露して、一日目は無事に終わったのでした。模擬患者役をしてくれた5人の方々、ありがとうございます。

二日目に続く
投稿者: 西川公平
2019-07-17 02:00

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