03/06: 2016認知・行動療法コロキウムin小浜参加記 〜後編 西川

模擬面接の続きから

認知行動療法の陪席のポスターを作っていた時もそう思ったんですが、大抵の認知行動療法をする人は、そもそもだれかが認知行動療法をやっているところを見たことがないけど、本を読んだり研修で習ったりした知識でやってます。
言い方が悪いけど、エロ本とアダルトビデオで性交渉を学んで本番に臨んでる人みたいな感じで、んー、それってどうなんだろうと思います。

模擬面接は、しょせん模擬なので、本物のクライアントさんとは挙措も違うし薄っぺらいのは確かなんですが、あれこれ色んな人のプレイを見ることができるお手軽な方法だと思います。
そもそもこんなことをやり始めたのは、おそらく2つの要因からです。
1つは2013年の旧行動療法学会で新潟大学の神村先生に誘われてワークショップの半分ぐらいを模擬面接でやったという経験から。
もう一つは、家族療法学会か何かで東豊先生の家族面接のワークショップに出て、「・・・こんなフツーにできそうなことで金になる世の中なんだなあ」と感心したことです。

私はあがり症なので人前で出て喋るのはとても苦手なのですが、模擬面接なんかだと普段やってることだし、多少人前でもあまり苦も無くできるというのがあります。というより、陪席されている時も、面接だと陪席者がいることをしばしば忘れちゃう感じというか、「いたの?」みたいになれるので、そ―ゆーのもあるのかもしれません。

しかし、模擬面接のくじ引きについて、私が出目を操作しているという話がすごく多くて、しかも強い確信を持って語られていてびっくりしました。
風呂場で会った宮先生でさえ、「あれ、ちゃんと引いたの?」と言ってきたぐらいです。

私がそんなことするように見えるんですかね??

まあそんな眠気覚ましのお楽しみプログラムはさておき、第4ケース目の下関病院の本園先生のケースは、なんというか、「ヤサイマシマシ・ニクマシマシ」という呪文が聞こえてくるかの如く、薬もてんこ盛り、療法もてんこ盛り、みたいな感じでなんじゃこりゃーって感じで、Onするしかできない主治医の悲しさを観ました。
まあつまり、中央値的な精神科医療のなされているケースでした。

本園先生の独特の語りというか、むしろその語りは消去か!というトーンにフロアが撃沈していたのが印象的で、ちょっと悪ふざけして物まねとかしちゃったりしましたけど、アップダウンの多そうなクライアントさんに関しては沈静系に作用したんじゃないかと思って、組み合わせの相性は良かったのかなあとも思いました。
コメンテーターの田中先生は、なんかそれなりのスライドだった風に思うのですが、記憶が定かではありません。

そういえば、コメンテーターのコメントとグループディスカッションをどっち先にするかというので、コメンテーターが先に喋っちゃうと、その後のグループディスカッションの方向性が定まってしまうというのがありました。
こーゆー方向でディスカッションするのが建設的だ!みたいなのって、なんだか模範解答を探ってるみたいで、私は趣味じゃないですね。


第5ケース目のなごやメンタルクリニックの平田祐也先生のケースは、珍しくアウトリーチ系の発表で、新鮮な感じでした。
普段我々がお出会いする人々は、少なくとも専門機関に出て来れるほどには状態が良い人々なので、アウトリーチというとさらに悪い感じがあるだろうから、ちょっと楽しみでした。
感想としては、普通に医療保護入院&薬物療法にプラスして幾ばくかの生活支援を先行させれば良いものを、阿漕に金取ったなという雰囲気で、心理士が引っ張ることで適切な治療がなされない典型的な感じでした。

コメンテーターの宮先生は人食い虎みたいに食い殺すかと思いきや、割と優しいコメントをされて意外でした。
確かに誰にもまともに指導をしてもらえる立場にいないっていうのは、かわいそうですね。
療法以前の倫理について述べられたところが平田さんに伝わればよいのですが、そこが一番伝わって無さそうでした。

 
そんな感じで、2日目の発表はすべて終了し、夕食&宴会の時間。つまり本番です。
2日目の懇親会では満を持して丸一本バームクーヘンを出すとのことで、それを出すまでは気が抜けないなと思っていましたが、ようやくお出しすることができて、私の仕事は全て終わった感がありました。
あんまり何喋ったのか覚えてないですが、よなよなエールがおいしかった印象があります。

でもでもだってを繰り返してぐずっていた谷元さんを宮先生の所に放り込んだ覚えもかすかにあります。

2日目が終わったことで、ようやくスタッフ間にも余裕が生まれたというか、これで終われる感が出てきていて、私も入浴する余地がありました。
お酒も飲んで楽しくしてたら、気が付いたら寝てました。
私の一番最初の職場にいらっしゃって、大変お世話になった作業療法士の後藤さんは、デイケアにおいて、どの場所で、誰が、何をしていたかについて、自分がどこにいようとも把握していたので、すごいなあと憧れていました。
奇しくも嶺南病院のメインスタッフは作業療法士ばかりなので、会場の隅々まで目を届かせる技術に長けていたのではないでしょうか?
コロキウム全体を通じて皆さんがリラックスして楽しめる状況を、そこはかとなく作り出されているのを感じました。


朝起きて、朝湯入って、飯食って、第6ケース目の新潟大学の佐藤友哉先生のケースは、なんと私がコメンテーターでした。
実際のところ私は今回のコロキウムにおいて全く喋らないつもりでいたのですが、前述のようにコメンテーターが不足していたので、まあ仕方なくというか、余りものですみませんというか、そんな感じでした。

うちのペアはコメントを5往復したのですが、佐藤先生自体は精神科診断や応用行動分析の知識がない様子だったので、そのあたりを1からってのにやや強引なコメントをしてしまっていて反省しています。
まあでも、佐藤先生の粘り強さ、どんな辛口コメントも”ご褒美”としてしまう懐の深さに感嘆しました。次回の面接から治療が開始されると良いなと思います。


いよいよ大トリは、同じく新潟大学/さくらの神村先生のケースで、新潟2人を3日目に持ってくることで、物見遊山なんかには行かせないぞという作戦が観てとれます(うそ)。
コメンテーターも足りなさ過ぎて、居ません(半分うそ)。

神村先生は事例報告を通じて、旧行動療法学会の理事ともなればそこそこの腕前なんだという事を伝えてくれます。
他の理事が発表してる所はあまり見たこと無いので知りませんが、幾つになってもチャレンジスピリットがあるというか、腕前を上げたいという気持ちがあるのは素晴らしいことだと思います。
問題は神村先生ぐらいの腕前の人をちゃんと上達するように指導してくれる人がほとんどいないことです。今回出したことで、神村先生は腕を上げられたんでしょうかね?
 素人を初心者にするとか、初心者を一人前ぐらいにするのはそれなりにできることですが、それ以上のモノになるのはなかなか難しことですね。


さて、コロキウムが終わって、即敦賀へ。

敦賀市にて岡嶋先生首藤先生の市民講座&専門家向け講座を設定してありました。コロキウムは沢山の専門家が福井県に来てくれるというイベントですが、福井で認知行動療法についての啓蒙がなされることもないし、福井県民に対して何のメリットもないイベントです。
嶺南こころの病院もCBTセンターも基本的には土着のというか、ローカルな存在なので、その地域に根差して、その地域を良くしていきたいという基本理念がありますが、コロキウムはその理念を満たしてくれるイベントではないのです。“学会のえらいさんは地域でつまはじき”という言葉もありますが、そもそも学会というのはフワフワしていて土地に根を張るような存在ではないのです。

まあそんなわけで、困った時の社団法人ではないですが、たまたま同日にイベントを開催することで、なんとなくそのあたりを満たしていこうと画策していました。(もちろん学会にそういうイベントをしてもらえませんか?と尋ねたところ、断られたので)
広報上の難しさなど、色々とありましたけど、市民講座、専門家講座共にそれなりに人も集まってくれて、岡嶋先生も首藤先生もいい話してくれて、私の気持ちが個人的に満たされました。もちろん聴衆も大満足している感じでした。

アクシデントもないわけではなかったけど、総じて良いコロキウムだったなと思います。2泊3日の宿泊研修というガジェットは昔ながらのものだけど、マネジメントとコンテンツが良ければ今でも十分通用すると思います。
今回のコロキウムにおいて、私はコンテンツではありませんでしたが、そんな参加の仕方もなかなか面白かったです。

来年度以降の学会参加やコロキウムは諸事情あってちょっと参加をどうしようか迷う所ですが、そんなことしなくても地味に地域で頑張って行ければ良いかなという気分でいます。

来年度のCBTケースキャンプは北海道であるので、それは土着のイベントだし参加を楽しみにしてます。

最後になりましたが、はるか遠くの小浜までたくさん参加いただいた皆さんには感謝しております。
投稿者: 西川公平
2017-03-06 01:24

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