不眠症に悩む人達は、朝の不快気分とかで
「昨夜はあまり寝られなかった」
などと睡眠充足感を占う。
しかし、そもそも人間は昨夜睡眠を上手く取れていたか、取れていなかったか、正確に感知できない。
色々調べてみると、朝の不快気分を予測する要因は、「総睡眠時間」よりも「寝る前の不快気分」の方が重かったりする。
また結構多くの不眠症の人が
「昨夜に〇〇という音(声)を確かに聞いた。だからその時は確かに寝られていなかった」
と言ってくる。
しかし、そもそも寝ている時でも音も聞けるし、声も聞けるし、返事もできる。
だから、「昨夜に音を聞いた記憶」は昨夜寝れていない証拠に全くならない。
「寝ている家族を起こす時に、なんて声をかけるんですか?」
とシンプルに質問すると、
「朝やで!起きなさい」
と返ってくる。
家族は明らか寝ているながらに、その「朝やで」を聞き取って、判断して、起きるからだ。
もし睡眠中には、何の音も、何の声も聞き取れないなら、そもそも音声で起こすことなどできるはずもない。
「声が聞こえて起こせるってことは、その家族は寝たるふりしてただけで、実は起きてたんですか?」
と問えば、それは明らかにグースカ寝てる人に声をかけているわけで。
なんなら
「あと15分だけ寝かせて」
などと返事することや、それを覚えてなくて
「何で起こしてくれない!」
と逆ギレしてくることさえある。
つまり人間は寝ていたとしても、音も声も聞き取れるし、判断もできるし、返事さえ可能で、それらができることは寝られていない証拠にはならない
ついでに言うと、睡眠時遊行症(昔の夢遊病)という病気だと、ベットから起きて、着替えて、台所で何か食べ、玄関を開けて、外に出たりもできる。何なら走り出したりもする。
しかもなんと、全部寝たままでそれをするのだ!
だから、気がつけば見知らぬ場所で目が覚めるなんてこともある。下手すると怪我とかもしちゃう。
居眠り運転の人も、グーグーうつ伏せに寝ながら運転している漫画とかよくあるけれど、実はそうではない。
アクセルも、ブレーキも、指示器も、ハンドルも、運転に必要な多くの操作をしながら、それでいてもう脳波的には寝ているので、何かを見逃して事故を起こすのだ。
つまり居眠り運転の人も、起きてて普通に運転しているように見える。
目も開いているし、瞬きもするし、あくびもするし、顔も擦るし、深呼吸もするし、、、、でも寝てるんだけどね。
まあ要するに
「寝ながらでも出来ることはたくさんあるし、それができているからと言って、その時間寝ていない証拠にはならない。」
ゆえに、
「昨日は寝られなかった、、、なぜなら、、、」
というのは、客観的な事実というより、主観的な経験だということです。