2008/03/12: 行動療法コロキウム in宮崎に参加して

はるばる宮崎にてコロキウムに初参加してきました。
以前からコロキウムという名前が可愛らしいと思って、興味を持っていたのです。特に「ころ」の部分がキュート。
地鶏がとても美味しかったです。

宮崎県はおそらく2度目の来訪だったと思う。
しかし今回は、コロキウムということでホテルにひたすら缶詰めになり、来る日も来る日も臨床の勉強を続けた。なんというか、まあそれはそれで面白いというのが初参加の感想です。

毎年の中級研修会のレベルの低さに、行動療法学会を見限るかどうかが今回のコロキウムにかかっていたと言ってもいいが、来ていた先生たちがわりあい面白かった。
大学畑の発表者は大体のところ

しかし残念な事に、一つの目標であった「山上先生にお目通りすること」はかなわず、まだ見ぬ人ということになってしまった。久野先生からのメッセージを届けられずこころ残りがあります。

さて、自分の発表は「包括的フリーオペラント」という臨床上の"めあて"を解釈に用いた発表だった。そのめあてはごく常識的なコツで、自分で解釈に用いたらちょっと面白いかなと思ったのだが、今となっては私自身がもう少し「包括的フリーオペラント」について詳しくなっておけば、さらに盛り上がるディスカッションになったのではないかと反省している。

一般的には「包括的フリーオペラント技法」は自閉症のお子さんの言語形成等に用いられているようだが、定型発達の中学生に使用した場合は、主たる強化随伴性がルール支配行動などになるので、メタメタしい事この上ない。言語を使うとメタっとした弁別や、メタっとしたシェイピングが頻発する。
行動分析の方々はそれらを要素還元してから単発の介入するというイメージがあるけど、私としては妥当な核が捕まえられれば、徳に還元する必要はないと思う。

そういう意味では発表における「プロセスのメタメタしさ」と「フリーオペラント」部分は全然無関係なのだが、初めてフリーオペラントを目にした若い学生さんたちに、誤解を与えてしまってないかが心配だ。その辺は名だたる諸先生方が訂正してくれていると思うけど。
というより、そもそも「フリーオペラント」として成り立ってるのかというと、成り立っていないという怒りのご意見も噴出かもしれない。あまねく全ての関係性に存在する先行刺激が無いことなんてありえないしね。

しかし、そもそも私は強迫性障害にせよ、うつ病にせよ、パニック障害にせよ、不登校にせよ、すべて包括的フリーオペラントでしていると思う。
強迫の方に触れということもないし、うつ病の方に動けということもないし、パニックの方に電車に乗れということも、不登校の方に学校行けと言うこともない。基本的にそんな事は患者さんが自分の意思で勝手にすることだと思う。

ただし包括的にね。

この「包括的」という言葉のチャーミングさこそが、久野先生のチャーミングさの結晶なのだと思う。
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投稿者: 西川公平
2008-03-12 01:02

Comments

たなか@後輩 on 2008/03/18 2008-03-18 11:48

コロキウムお疲れ様でした.
nishikawaさんをここ数年コロキウムに誘っていたにもかかわらず,自分が行けなかったのは残念.
来年は行きたいなぁ・・・・.と思っております.

また,今回の発表のお話,どこかで聞かせてください.
時間が出来れば守山まで行くし.

ぜひ来年はご一緒できればと思いますよ.はい.

gestaltgeseltz on 2008/03/18 2008-03-18 21:46

たなかさん
去年の徳島に行けるのが、私的にもベストだったのですが、ともかくも初参加してきました。
また滋賀の勉強会にも顔を出してください。
ではまた

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