2012/02/12: 認知療法研修、専門講座を終えて

福井県健康福祉部障害福祉課の委託事業として開催した、認知行動療法研修、認知療法研修編について書きます。

講師:田中恒彦
講師:西川公平
主催:福井CBTセンター
共催:福井県健康福祉部障害福祉課、福井県精神保健福祉センター、福井嶺北CBTを学ぶ会

内容:認知療法の理論と演習
福井の北部と南部の2か所で、認知療法の理論とワーク、逐語による事例提示をして下さいました。


<参加者数・内訳>
全参加者    71名
心理士・相談員 30
看護師・保健師 33
施設職員 4
精神保健福祉士 2
作業療法士   1
教職員 1


<参加された方の感想〜印象に残った点〜>

実際の逐語によるロールプレイで、質問の仕方、流れがわかり易かった。
逐語を聞いて、とても丁寧にCLさんと関わっていく姿を見れたのが印象に残った。
実際の事例で、CLがどんどん気づいてゆくこと。
聞いたことを正確にまとめることを繰り返す。
利用者の方から聞いた事を整理して行くやり方。自動思考に介入する意味。
患者さんの話を聞くだけでなく、患者さんの問題や希望を丁寧に聞きだすことが大切と判った。

コラムの演習では、質問をしても堂々巡りになる感じがあった。質問のタイミングが大事と思った。
瞬時に受け答えができるまでまだまだです。
話をしながら、「問題の見取り図」を作成するのは、とても大変なことだと思った。相当な訓練が必要だろう。
考え、状況、気分が一体になって話してくるものを整理する難しさを体験できました。
ロールプレイは難しかったけど、やらないと実際に行えないと思うので、やれてよかった。

認知バイアスについて、私たちは、すり込まれた情報や自分の生活環境などの情報やその価値観で物事をとらえ、理解判断してしまいがちであることを認識しておくことが大切。
認知療法の哲学的背景。
ラインホールド・ニーバー、釈迦、ニーチェの言葉と、認知療法の考えが似ていること。
クライエントさんのことを、いろいろ知る、引き出す質問の仕方、ソクラテス式が参考になった。
宿題は、ケースの言った事の中から1つより具体的に出し、その後どうであったか面接する。

認知を修正するのが目的では無いということ。
ポジティブシンキングをさせることではないということ。
認知行動療法は、共同的経験主義であって、お互いに知恵を出し合って治療、支援を計画して行くもの。
共に記入し、妥当性、共有性を2人で吟味する。
誠実さが何よりも大事と思った。少しでも臨床に生かしたい。
具体的に、CLさんの主体、CL理解を意識して、面接にのぞみたいと思う。
今まで断片的に得てきた知識や用語が初めて整頓できたと感じられた。
参加者と先生の質疑応答。


<希望する研修、レクチャー>
演習をもっとやりたい。演習にもう少し時間を欲しい。
グループワークに関する講習。
実際のケースに対しての検討。
演習以外に、今回のような逐語の事例紹介があるとより充実するのでは。
最後の面接場面について、分割して説明を加えて行ってもらえると、前半の講義がより理解しやすいだろう。

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“認知の偏り・歪みは、うつ病やメンタルヘルスの問題特有の物では無い。私たちが普段から持っているもの”。これを、身近な例えも入れ、丁寧に説明して頂きました。徐々に熱の入る講義から、言葉の抑揚の付け方や、言い回しも参考になりました。これまで何度かケース報告を拝聴し、温かい臨床をされる先生という印象がありました。福井会場では、参加者との質疑応答にも丁寧に応じて頂き、感謝しております。お忙しい中、本当にありがとうございました。


<お知らせ〜参加募集中〜>
2月末に、行動療法の専門研修を実施します。内容は、理論と行動活性化技法についてです。
http://studygroup.cbtcenter.jp/fukui/をご参照ください。
こちらも専門家のみ参加可能です。ご了承ください。
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投稿者: 別司ちさと
2012-02-12 17:50

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