行動療法とは

行動療法とは学習心理学に基づいた人間の行動変容に関する科学的な知見を心理療法に応用したものです。
困った出来事があるとき、それを維持し、悪化させているのはどのような環境や行動なのかについて分析し、それらをコントロールする事によって問題の解決を目指します。

行動とは何か?

認知行動療法の「行動」とは、主に「状況・環境とのやりとり」を指します。例をあげれば「話しかける、食べる、運動する、断る、外出する、etc.」などは行動になります。
認知行動療法が気分の変化とともに重要視しているのが、この行動の変化です。例えば「話しかけすぎる、食べすぎる、断れない」等々の自分の生活を不便にするような行動が存在するとき、「私は弱い人間だから」、「根性がないから」、「病気だから」などというパーソナリティーや性格といった内側の理由におとしこまず、「何がそれらを維持しているのか」、「適応的な行動を取るにはどうしたら良いのか」について焦点を当てていきます。

行動の定義

「行動」は、一般的な用語なので誤解が生じやすいですが、行動療法では以下のような条件に当てはまるものを「行動」と定義しています。
(定義1)行動とは客観的に観測可能で、数える(カウントする)ことが可能なものを指す。
(定義2)行動とは「死人には不可能(注1)」な事で、「~する」という形で文末が締めくくられるものを指す。
(注1)「死人テスト」というものがあります。これは「死人に出来る事は行動ではない」という意味で、例えば「パソコンを触らない」というのは死人にもできるので行動とは呼びません。同様に、「おやつを食べない、学校や会社に行かない、怒らないようにする、メールを返さない」などは行動ではありません。

行動を維持したり、悪化させたり、無くしたりする要因

以下に示すのが、行動の維持や減少に関係している表です。

本人にとって望ましいもの 本人にとって望ましくないもの
得られる 行動は増える(維持される) その状況で行動は減り、
別の状況で行動は増える
失う 行動は減る 行動は増える

逆に言えば、何かの困った行動が維持されているのは、その前にあった良い状況がキープされるからか、その後に良いものが得られるから、となります。

行動療法の哲学・技法

行動療法は、歴史のある療法であり、様々な困りごとに対して数多くの技法があります。

こころの困りごとのほとんど全てに対して、行動療法的なアプローチは存在していると言っても過言ではありません。

しかし、それらの技法よりなにより、行動療法の哲学は人間の行動をより客観的、より具体的にとらえて、緻密に、適切に扱っていこうという姿勢にあります。

各種カウンセリング

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