認知行動療法(CBT)の重要なポイントの一つにこの「心理教育」があります。認知行動療法は心理教育を行う上でとても優れたノウハウを持っているのです。
聞く本人にも、話す施術者にも、家族にも、コメディカルにも、教師にも万人にとってシンプルで判りやすい理解の枠組みを提供します。
認知行動療法の心理教育
心理教育を行う前に
心理教育を行う前に、その心理教育は必要なものなのか?、その心理教育がなされることが、来談者さんがカウンセリングルームに来た目的なのか?。動機や目的が合致しているかを確認しておく必要があります。
来談者さんの中には自分の話を聞いてもらいたくて来ているのであって、説明や解釈してもらいたいわけではないという方もいらっしゃいます。
はたしてその心理教育を行う事が今必要な事なのかについて、来談されている方と合意を得てから行って下さい。
また、心理教育というものは「一般論」です。その心理教育で一般的だとされている事と、来談者さんが日常感じたり考えたりしていることが異なっている場合、正しいのは来談者さんのFeelingの方です。そのことをわきまえた上で心理教育を行わないと、「この人は私を型にはめて考えようとしている」という印象を抱かれることになります。
心理教育を行う
心理教育を行う際にはアジェンダの設定をしてください。すなわち、「今日のこの時間は心理教育のために30分ほど時間を割こうと思っているんだけど、それに時間を使っても構わないか?今日どうしても話したい優先すべき話はないか」について確認を取った後、心理教育を行う事に関して合意が取れてから行って下さい。
できれば心理教育を行う前のカウンセリングで、「次回は少しあなたの抱えておられる問題に対して一般的に言われている事などを踏まえて、どのような問題解決があり得るかについて、全体的な話をしたいのですがどうでしょう?」などと、前もって了解を取っておくにこしたことはないでしょう。
また、ご家族や職場の方など困りごとに関係が深い人間関係に対しても、心理教育の際のは同席いただくことで、心理教育傍ら社会的な介入を行う事も有益だと思います。