2009/03/21: 第10回滋賀CBT研修会

清水栄司先生に研修していただいた、不安障害の集団認知行動療法に関する滋賀CBT研修会を終えて。

昨日清水先生にはるばる滋賀まで来て頂いて不安障害の集団認知行動療法について4時間の研修をして頂いた。

パニック障害の集団認知行動療法が2時間、強迫性障害の集団認知行動療法が2時間という割り振りで少しつめつめだったが、おおむねのところの話が聞けて楽しかった。

清水先生はおそらく認知療法学会等で知り合ったのだが、とても気さくなお人柄というか偉い先生とは思えない低姿勢ですごいと思う。臨床の話のなかにもそういった気さくさが出ていて、曝露反応妨害法というある意味物々しい治療も清水先生の下ではほんわかししているんだろうなーと思った。

強迫性障害が、クラークのモデルに基づいているのも面白かった。認知療法的には侵入思考をノーマライズしたり、それに対する「反応しなければならない」という構えに対してやっていくんだ。
行動療法で治療を済ませた人が、「反応しなければならない」という構えを変更させていることはわかるけど、先にそっちに焦点を当てておくことで曝露の効率が良くなるなんて事があるんだろうか?
なんにせよやったことないので、ちょっと試してみないと判らないですね。

茶話会や懇親会も盛り上がって、清水先生と色々話ができて良かった。

第11回はいつごろしようかな。どなたがきてくれるのかな・・・
11回目からは、保育とか付けようかな・・・

などと考えています。

ちなみに、清水先生がしきりとおっしゃっていた「侵入思考」については、以下の本を参考にされると良いです。専門家向けの本です。
侵入思考―雑念はどのように病理へと発展するのか

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強迫性障害に対して認知行動療法をこれから開始されるのであれば飯倉先生の「強迫性障害の治療ガイド」がお勧めです。基本的なところは全部わかりやすく書いてあって、専門家はもちろん患者さんに買ってもらって勧めていける値段です。
強迫性障害の治療ガイド
飯倉 康郎
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投稿者: 西川公平
2009-03-21 10:49

Comments

こぼり on 2009/03/22 2009-03-22 02:50

ああ、僕も清水先生の話を聞きたかったです。本当、立派なのに気さくな先生ですよね。いちどOCDの集団CBTに混ぜてもらったことがあるのですが、予想通り、和やかにERPが行われます。

月末の学会や東京認知行動療法研究所の報告も楽しみにしています。ちなみに、こころの科学144はまだ届きません・・・

gestaltgeseltz on 2009/03/23 2009-03-23 12:33

>こぼりさん
清水先生の集団はほのぼのしてそうですね〜、たしかに。
なんか今度のCBT学会でサルコフスキスの通訳を6時間ばかり勤める事になっているらしいですね。なんというか、お疲れ様です・・・。

東京認知行動療法研究所の報告にはいらっしゃいますか?

こぼり on 2009/03/24 2009-03-24 23:00

メールありがとうございました。バカ親になった暁には報告します。

サルコフスキスの来日とタイミングがあえば、みんなでフォローアップセッション、やってみたいですね。彼を連れていったら、どんなリアクションをするか楽しみです。

「基調講演はプロで構わないが、ワークショップは言葉ではなく魂を翻訳してほしい」という希望で、「させられ体験」をすることになりました。

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