2012/09/24: 第38回日本行動療法学会大会参加記 1日目

1日目は研修という事で、黒沢先生のSFAの研修と小野先生の不登校予防の研修を受けた。

少し前にブリーフサイコセラピー学会に参加した時、行動療法学会の面々がシンポジウムをしていて、なかなか楽しかった。
今回は逆に向こうから送り込まれている、いわば刺客的なポジションで、戦略的には若干アウェイの中でも上手に話をできるバランスのとれた人材が来ていると思う。


まあ、そんなことはどうでもいいんだけど、黒沢先生のSAFワークショップはブリーフセラピーの持つ関係性や介入への洗練された表現があり、聴いていて耳心地が良かった。

行動療法の人々も面接というものを少し違った角度からとらえる事の面白みに引き込まれていたように思う。
黒沢先生は「3時間だと事例の話をするか、簡単なワークをいくつかするか、どっちにしようかいつも迷う」とおっしゃられて、ワークをいくつかのほうで進められて、それもそれで大変良かった。

ワークショップ前に津川先生も部屋に来られて、ちょっとほぐして帰られたのが面白かった。
お二人とも真面目モードな話と姿だったけれど、それがつまりお二人が行動療法学会に抱いている印象なんだろうなと思った。

小野先生の研修は長らく学校という組織支援を行って来られただけあって、随所に学校受けする親父ギャグが入り混じりながらの楽しいお話だった。
ワークショップ中にびっくりするぐらいの量「西川いじり」を入れてくるところなんかも、ちょっと教室っぽいとすら思った。

しかし、なんというかごく常識的な話というか、小野先生のおっしゃる不登校の予防策が実行されれば当然不登校は減るだろうと思う。
そういう意味では行動療法がうまくいかない理由その1「知識を知らない」その2「技術が無い」の両方について簡易パッケージされた介入実践を紹介されて、適応的な行動を生起させるという行動療法の原則にのっとっていると思う。

一方で、そのような簡易なパッケージの使用を難しくさせている要因とそれを取り除くすべについてはおっしゃらなかった。
これは一口に言えるものではなく、きっと文科省ー教育委員会ー学校組織まで一貫した仕組みが、一貫して妨げているのだろうと思うが、なかなか難しいと思う。

組織の持つホメオスタシスは、なかなかに手強い。
そして、一介のSCがそのシステムに立ち向かう事はなかなか難しい。
そして、組織は生き物ではないので、あらゆる生き物に適応できるというふれこみの学習理論は通じない。

そんな感じでホテルに帰って、次の日の発表に備えてスライドを作ったのが、一日目
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投稿者: 西川公平
2012-09-24 22:53

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