2010/10/07: 久保田先生

滋賀CBTを学ぶ会と、恩人の久保田先生について。

そして今回のお話は、珍しく私自身の事についてです。

私が滋賀県に舞い戻って来て、なんやかんやの末に滋賀CBTを学ぶ会を作ろうかなーということになりました。

滋賀県は当時認知行動療法に対して寒々しく、心身を温めるためにも落ち葉焚きを必要としていたからです(今でも似たようなものですが、理解してくれる人は増えています)。

そこで、勉強会を作ろう、と思ったみたり、いやでも私なんかがなー・・・などと約半年ぐらいぐじぐじと思い悩んだ挙句、2007年から「滋賀CBTを学ぶ会」を発足させてみました。

とうぜん勉強会のノウハウなんかはないし、知り合いも一人も居ない。果たして滋賀でCBTのニーズ何かあるのだろうか??という疑問を抱きつつ、おっかなびっくりのスタートでした。

さいわい一方的に送りつけられた怪しげなダイレクトメールに反応してくれる、ある種の好奇心が旺盛な人々が顔を覗かせてくれる事となり、とりあえず、とりあえず・・・・と現在にいたってます。ちょうど昨日は第53回の勉強会でした。

今でも私は事務仕事なんかが下手くそですが、当時のそれはさらに酷かった。思いだしても酷い感じで、あまりの仕事のでき無さに引いて来なくなった人も数多くいると思う。

さて、そんなこんなでやってきた滋賀CBTを学ぶ会ですが、会をやっていくにあたって恩人がいます。
それが聖和錦秀会 阪本病院の精神科医 久保田亮先生です。

久保田先生は学ぶ会が始まって以来、ほとんどすべて出席してくれています。
精神科医の立場から病理について、薬理について、時に精神分析についても色々ためになるアドバイスをくれました。
病気や薬についてこれまでの考え方や新しい発想など、ほんとうにこの勉強会で教わったことは多いです。

そんな久保田先生がいてくれたからこそ、毎回の勉強会のディスカッションがピリリとしまったものになっていました。
結局滋賀の勉強会は上手くいっていたからこそ、これまで長く続いてきましたし、その後私が勉強会を各地で開催してくような自信になったと言えるでしょう。そんな意味では私だけではなく、地方で認知行動療法を広めていくことに関しての恩人だと言えます。

また心理士として「医者が怖い」的な感じがぬぐい去れなかったのも、久保田先生が時にフレンドリーに時におちゃめに接してくれていたからこそ、払拭されたのだと思います。

また久保田先生には「ジョニー久保田」というマジシャンとしての顔も持っておられ、ケース報告の際にはいつもマジックステージが付いていました。
楽しいエンターテイメントとしてのケース報告というアイデアは久保田先生から教わったことの一つです。



ちょうど、昨日の第53回滋賀CBTを学ぶ会は、そんな久保田先生のステージでした。
臨床としてはもちろんこれまで通り見事な介入ですが、これまでになくCBTとしての作用機序がはっきりしていて、認知行動療法のケース報告としてもなかなかのものでした。
もちろんマジックも付いていました。



そんな久保田先生ですが、とても残念なことに、お身体を悪くされてしまい、今後はお仕事はおろか、ステージに立つことが難しいようです。
むしろ昨夜のステージもずいぶん無理をされていたのではないかと思います。


どうやら10月の京都の認知行動療法を学ぶ会でのケース報告をラストステージとされるおつもりのようです。

是非素晴らしいステージに酔いしれに行ってみてください。

もし久保田先生と仲の良い方で、今回の事態を御存じない方がいたらと思い、こうしてブログをつづっています。(このような事を書くことが果たして良いのか判りませんが)


むしろラストステージを4回、5回と重ねて、「どうなってるんや〜!」と突っ込まれる事態になって欲しいと切に祈っています。

写真はステージの久保田先生精神科医兼マジシャン兼催眠術師兼武道家
(クリックすると拡大します)

写真は京都の勉強会にて久保田先生とゆかいな仲間達
(クリックすると拡大します)
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投稿者: 西川公平
2010-10-07 15:10
カテゴリー: 雑談

Comments

kimi.hirarinn on 2010/10/11 2010-10-11 15:05

その京都でのラストステージも見事でしたね。いつもの黒のスーツに黒の帽子、胸には赤い薔薇一輪さして、ピシッと前に立っておられました。事例発表の後のサプライズもいつものようにCBTを前面にアピールするマジックでした。とても素敵で、カッコ良かったですね。
 改めて、久保田先生は真のCBT治療者だと思いました。先生の生き方にも本当に感動しました。久保田先生に出会えたことを、西川さん同様、心から嬉しく、誇りに思っています。勉強会の創世記から今まで、先生の役割はとても大きいものだったと今振り返りながらも思っています。
そして、これからもまだ4回、5回のラスト・ステージがありますように。
 

ちー on 2010/10/15 2010-10-15 01:31

こんなところに、こんな記事が。写真を掲載して頂き、有難うございました。やっと、お会いできました!私も勉強会行きたかった。。。北の不便な土地からは、間に合わず。

京都の認知行動療法を学ぶ会で、久保田先生のズバッと的を得たコメントはすごいなといつも尊敬しておりました。私の学習を助け、促進して下さいました。きっと、他の方も同じだったと思います。黒いサングラスで、茶目っ気たっぷり。優しいお声にも、癒されました。

まだまだ、いろいろ教えて頂きたいです。
さてっ、次のラストステージは、何処ですか?

久保田 亮(ジョニー久保田� on 2010/10/31 2010-10-31 12:43

皆さん有難うございました。

CBT勉強会で忌憚の無い意見を出し合って皆でディスカッションした事が、私にとっては、とても楽しい思い出です。

だから、自分の病気の重症度や予後が分かった時、先ず思ったのは「CBTの勉強会仲間に会いたい!!」という事でした。

この度は、座長の井上先生、発表の順番を変わって下さったT先生、色々交渉して下さったO先生、皆を呼び集めてくれた西川さん、

皆さんのお陰で、楽しく「事例報告&マジックショー」を演じることが出来ました。
本当に有難うございました。

特に今回は事例のまとめ方も、新作マジックも自信作でしたから。
あの空間で一番楽しんでいたのは、演者の私だったと思います (笑)

生きて動ける間は、

「認知行動療法の素晴らしさ、楽しさを世に伝えたい!!」

という思いが今の私を支える「柱」の一つになっています。

今後は福井CBT勉強会、大阪CBT勉強会で発表したいと思っています。

「鋭い視点で治療する認知行動療法家としての私と、<認知行動療法を讃える自作マジック>を華やかに演じるジョニー久保田」の両方の姿を記憶に焼き付けて頂き、皆さんの心の中で永遠に生き続けたいです。

「今回がLAST STAGEになるかも知れません」

なんて言いながら、何度もショーを演じて、

「LAST STAGEって言うのがジョニー久保田の口癖」

と皆から笑って貰えるくらいになりたいです。

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