こちらは久々に、名古屋の研究会に参加してきました。
その時の感想などです。
勉強会では若手の二人がケースを報告されていて、勉強会を運営している身としては、二人も発表者が居るなんてうらやましい。さすが名古屋。と思いました。
それはさておき。
片方は自己臭恐怖の症例で、もう片方は過食症の症例でした。
自己臭というのはちょっと難しいというか、中にはPsychoticな側面を持っているような人達もいて、なかなか手ごわくもある症例にガッツのある取り組みでされていたのが印象的でした。
症例においては結局のところ自己の匂いを消すためにしている儀式的な行動の消去が序盤中盤となされてきて、症例に「自己臭の症状は対人不安を紛らわすためにやっているような・・・」という洞察が生まれて、さてどうしましょうという所でした。
E/RPを主体にして治療されていたのだけれど、どうも途中から自己臭に対する曝露や反応妨害がなされてもSUDsが上昇しないようになっていて、途中から曝露は成り立っていないんじゃないかなあ・・・みたいな雰囲気があったので指摘しておきました。
むしろ「他人に嫌われたらどうしよう」というテーマにしたがって、曝露をしていくべきなのではという思いがありつつ、どこまでをカウンセリングで扱う内容として、新たに目標を立て直して方向の修正や線の引き直しをするべき時期に来ているような症例に見えました。
過食症の症例というのもなかなか難しい症例ですが、発表者が初めて発表?という事もあり、臨床はさておき「どのようにプレゼンテーションするか」という事に関して、もう少し工夫の仕様がある感じがしました。
患者さんの「食べる-食べない」に関するこだわりと、ぴったりフィットする形で食行動をセーブする-しない」の綱引きが行われていて、どちらかと言えば悪化を招くか良く言えば現状変わらずという介入だったのが印象的でした。
そのようなあまり上手くいっていない症例を報告するのは勇気のいる事だと思います。
行動的な技法を運用するというのは、その運用を決定する前にあれこれ推し量る必要があり、運用中にもその推量を柔軟に変化させていく必要もあり、といった中で、技法→上手くいかない→技法の改良→上手くいかないという流れになっており、カウンセラー自体がもう少し自分の中の「上手くいっていない感」に沿って、柔軟にセラピーを組み立てればいいのにと思いました。なかなか難しいですけど。
その後は飲み会があり、若手の?心理士さん達とあれこれ話に花が咲きました。
特に麻雀とカウンセリングの類似性に関する考察などは、笑えました。
Tsuji on 2010/04/05 2010-04-05 18:18
以前、久野先生が、勉強は授業中に学ぶものではなくて、雑談から学ぶことが多い・・・と言った内容の事をよくおっしゃっていらしたように記憶しています。
今回の飲み会も、学ぶことが多かったと感じています。
若手?の心理士として、初心を忘れず、コツコツとやっていこう・・・と勉強会に出る度に思います。
それにしても、久しぶりにアルコールを飲んだので、弱くなったと感じました。習慣飲酒って、やっぱりアルコールに強くなるんですね。身を持って実感しました。