行きつけの、と書くと変だけど、良くお邪魔させてもらっている原田誠一先生の東京認知行動療法研究所のCBT勉強会に行ってきました。
その時学んだことや感想などです
前回ACTの話がなされたらしくて、ACTについてひとしきり話題に花が咲いたところで、事例検討会がなされました。
統合失調症と、強迫性障害のケースについてでしたが、特に強迫のケースについて「転移・逆転移」という話が出てきて、それは普段CBTをやっていく上であまり考える事のない概念だったので、とても興味深かったです。
思い出せば行動療法コロキウムにおいても、言わば転移や逆転移と表現できるような話がひとしきり出てきているにもかかわらず、誰一人その言葉を使わない所が徹底していて面白いですね。
まあ、転移だからなんだとか逆転移だからどうだということではないのですが、カウンセリング中に治療者-患者間で自然に起こってくる随伴関係を使用した際に、その事について言及・記述出来るかどうかという事は、結構重要な事なのではないかと思います。
それにしてもカウンセリング中の治療者-患者間の”良い関係”が、むしろ治療者にとって”嫌悪的に”感じられるというのは、何というか、人間って複雑とも思いますし、単純にひねくれているなあとも思いました。
私がその後感じたのは、何も治療者-患者間の1対1関係で起こってくる話だけではなく、カウンセラーとはかくあるものだとか、うつ病とはこういうモデルだとか、前提としてあれこれ面接前に備わっている随伴性についても、やはり敏感であらねばならないなあと思いました。