2009/07/07: 現代催眠 ~ミルトンエリクソンに学ぶたわいない会話の催眠

東日本催眠療法研究会第3回研修会に参加してきました。
「催眠状態」という状態がこの世に存在したり、その状態を作ったり利用したりできるという事を初めて体感しました。ある種感動。

大阪人間科学大学の谷晋二先生が「行動療法は昔は催眠まで習ったけど、今は習わない」とおっしゃっておられたのを思い出しながら、エリクソンの現代催眠を習いに行ってきました。

催眠と聞くと5円玉に糸を通してぶら下げて、左右に揺らしながら、ねむくなーる・・・というのをついつい想像してしまうけれど、まあそーゆーやつが古典催眠です。

現代催眠は、まあ変な言い方催眠である事にそんなにこだわらずに、ちょっとクセのあるおしゃべりやコミュニケーションを通じて、ゆっくりと気持ちをほぐしながら、ほぐれた気持でリラックスした言葉を聴いた患者さんが、いつもとはちょっと違う方向に意識を向けて、違う方向に考えられる手助けをする、そんな回復を助ける一つの話法です。

上みたいなのをしゃべるのが、コミュニケーション的な誘導かな?それは習ってないのでわからないですが(笑)

とりあえず教わった先生は熊本精神保健福祉センターの中島央先生という、その道のエキスパートの先生でで、おしゃべりの上手な先生で、12時間のWSが瞬く間に過ぎたという感じがする。
CBTの研修とはまた一風変わった感じで、かなり興味が持てた。

CBTの中にそのような催眠を取り入れることもできるだろうし、催眠の中にCBTを取り入れることもまた可能だろうなという心持でいます。
判りやすく言えば、認知療法で「反論」や「合理的思考」を出す時、あるいは行動療法で「エクスポージャー」をするときなんか、なかなか出にくく、やりにくい時に、よりやりやすくする事はできる事だと思う。

もしこれまで施術を受けていて、若干私のやり方が変化したなと思う方がいらっしゃったら、それは少し催眠のテイストが混ざったからで、おそらく施術もよりやわらかい方向に変わるんだと思いますが、あるいはより盛り上がる方向かもしれませんが、その分治りやすくなったとでも思って、あきらめてください(笑)

実際なごやメンタルクリニックの岡嶋先生は時々催眠を利用してエクスポージャーしているというのを聴いて、「そりゃずるい」と思ったのもある。

しかし講義を受けて会話の中や文脈の中に催眠性があるというその内容から言えば、むしろエクスポージャーには催眠的要素がつきものだとも言える。

面白かったのは、私も含めて皆が催眠を習いにきているものだから、みんなポコポコすんなり催眠にかかる。
催眠を学びに来た人もそうだし、催眠にかかりに来た人とか、催眠をかけてもらいに来た人は、やっぱり催眠がかかりやすいんだろうな。

きっとCBTをして欲しくてCBTセンターに来ている人には、当然CBTが良く効くっていうのがあるんだろうな。

逆にいえば、自分の事を改善したくてカウンセリングルームに来ている方は、当然そうでない方に比べて圧倒的に治りやすいだろうし、それなりにお金も払っている分、ますます治ることに熱心だろうから、そういう人たちが治る邪魔をするのはいけない事だと思った。

ともかくも、色々な事を考えさせられた2日間でした。

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投稿者: 西川公平
2009-07-07 00:48

Comments

おかじま on 2009/09/01 2009-09-01 00:41

ずるいと言われたおかじまですが,何か?遅きにコメント失礼します。
10月の学会の中級研修会で時間をいただきましたので,この辺のことを私の経験から語ってみたいと思います。経時的に催眠療法+行動療法というケースと,行動療法+催眠療法というケースを作ってみた結果をお示ししたいと思っています。それを谷先生に解説してもらおうという豪華な中級研修会になる予定。私は理屈を語るのが下手なので,応援を頼みました。

gestaltgeseltz on 2009/09/01 2009-09-01 21:26

岡嶋さん

中級研修会で物知りのアマチュアが発表するのに辟易していたので、臨床家の岡嶋さんのご発表楽しみにしています・・・と思ったら、中級研修会は学会のど真ん中に行われるみたいで、私は発表してますわ・・・・残念。

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