2008/06/16: 臨床心理学と応用行動分析

応用行動分析(ABA)の臨床的活用について

先日福知山市民病院の宮裕昭先生の応用行動分析の臨床的活用についての研修を受けた。
私は宮先生には初めてお会いしたのだが、大変含蓄のあるお話を聞けた。

昔から学会などでお会いする先生のほかに、地方の臨床現場で素晴らしいアプローチをされている先生がいると思っていたが、まさしくそんな方の一人だと思う。

そもそも応用行動分析の人たちは、発達障害や知的障害のお子さんに対してアプローチをすることはあるが、あまり精神科疾患に対してはアプローチしてくれない。
久野先生の弟子の仁藤さんや橋本さんなんかも割とそんな感じでやってて、珍しいなあと思ってた。

しかし宮先生のお話しは本当に徹底的に行動分析っぽくて、すがすがしい感じだった。不安も無ければハビチュエイションも無く、ただ問題行動を取り去るのみという、まさしく臨床的なお話が聞けた。
「拒食、過食嘔吐、自傷、不登校、虐待、夜尿、etc.」というなかなか難しい行動上の問題を鮮やかな切り口で改善されているのが素晴らしかった。いろいろ参考になることも多く、今後日々の臨床に行かせるポイントもふんだんにあった。

ただ「認知や不安は扱わない」と何度も主張されながら、実質確立操作や心理教育などで認知再構成をされたり、不安を扱っておられるのがちょっとお茶目な感じではあったけど、そんな瑣末な事はさておきいいお話が聞けて、感動した。

もっと応用行動分析の人たちが精神科疾患や行為障害に対してどんどんアプローチをしていってほしいと私は思っている。
そのためにも宮先生にもまたお話を聞きたいというか、滋賀で研修していただけないかなと思う。でも「**に対する認知行動療法」ってタイトルではお引き受けいただけないだろうな・・・。

宮先生は米山先生の同期らしい。なるほど骨太なわけだ。
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投稿者: 西川公平
2008-06-16 13:16
カテゴリー: 雑談

Comments

宮 裕昭 on 2008/06/17 2008-06-17 20:56

 福知山の宮です。先日いただいた名刺からホームページを拝見しました。
 研修では稚拙な私の講演に長時間お付き合いいただき,また,参考になるコメントをいただけたことを感謝申しあげます。

 次回は認知症高齢者にみられる種々の不適応行動の改善について,実例を示しながらお話しする予定です。ぜひご参加いただき,色々ご教示いただけたら幸いです。

 今後ともよろしくお願い申し上げます。

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