2008/03/26: 応用行動分析/行動療法についての勉強会

大阪人間科学大学の谷晋二先生にお越しいただき、応用行動分析/行動療法について、その基本的な考え方を勉強しました。

応用行動分析/行動療法の専門家である谷晋二先生に、はるばる滋賀まで来てもらって、研修してもらいました。
研修の最初に応用行動分析/行動療法についてどれだけ分かっているかのテストをされて、若干びっくりしたけど、ヤマ勘で答えたら結構当たっていたので、安心しました。

そもそも応用行動分析/行動療法の業界で臨床の腕がいい人で奥田健次先生といういささか変わった方がいるんですが、その奥田先生に不躾に「先生より上手な人って誰?」と尋ねたところ、出てきたのが谷先生で、これはもう日本で1,2を争う臨床家と言っても差支えないと思います。

さて、応用行動分析/行動療法を学ぶにあたり、序盤で強調されたのが「トートロジーを避ける」ということでした。
これは、「右とは左の反対である」とか、「A君が教室を飛び出すのはAD/HDだからだ」とか、そういう無意味な同義反復をしないということで、本当にそうなんだけどなかなか難しいことだと思います。
しかしこの「トートロジーにならない」ってのは、私にとってはなんというかすごく懐かしい響きを持つ言葉で、良く考えれば意識せずに身についているものの言われてみれば本当にそうだよなぁと思います。
きっと私がセルフエスティームとかいう言葉を好きになれないのも、それがトートロジーだからだろうな・・・、そういや岡山大学の長谷川芳典先生の論文とかを読み漁っていた時代があったなぁ(会ったこと無いけど)などと、ぼんやりと考えながら、感慨にふけって話を聞いていました。

あと、「誰にとっての問題なのか」という倫理上の問題も強調されていて、そのあたりも応用行動分析/行動療法的には最も重要なポイントの一つだけに、研修がより骨太な感じで素晴らしかったです。

あとから聴衆に感想を聞いても、ずいぶんわかりやすく、基本を教えてもらえ、気さくでいい先生だと評判が良かったです。
また今度、滋賀に来てもらう機会を作れればと思ってます。


以下は研修の内容と無関係なんだけど、それにしても、勉強不足と言うか、最近のABAの用語は判らなくなってきてます。

例えば、分化強化とか、確立操作とか、刺激等価性とか、ルール支配行動とか、マンド・タクトとか・・・・、私が目を離している隙に良く分からない用語が増えた。
いや、まあ私がそこまで深くABAを知ることなく学習をやめたからかもしれませんけどね。

しかし、分化強化ってのも、強化は前提として分化するんじゃないかな。分化じゃない強化ってのがあったら見てみたいものだと思う。
確立操作ってのも、臨床の介入で確立操作じゃない介入ってあるのかな?あらゆる介入は前提として確立を操作してる気がする。
非分化強化とか非確立操作介入とか、つまり決して分化じゃない強化とか、決して確立操作にならない介入って、そういうことがあり得ないと思うんだけど、あり得るとしてるからこそ分化強化とか、確立操作とかって用語があるんだろうなあ。

ひょっとしたら、ただの強化とか弁別でいいものを、すこし認知に阿って用語を変えたんだろうか?
だとすればABAも認知とか解釈とかがブームなんですね。
それとも施術側の頭がその点に及んでいるか否かを際立たせたく思っているのかな?

まあ、ちょくちょく勉強してみたいと思います。
このエントリーをはてなブックマークに追加
投稿者: 西川公平
2008-03-26 02:26

Comments

コメントはまだありません。

Add Comment

TrackBack

トラックバック

トラックバッックはありません。