石垣琢麿先生の、「統合失調症への認知行動療法の適応」についての研修の感想
石垣先生を迎えて「統合失調症への認知行動療法」というテーマで4時間の研修をしてもらいました。
実のところ私はカウンセリングで統合失調症のオファーが来ることはあまりなく、どちらかと言えばデイケアなどでお会いすることが多かったのですが、そのころの事を思って話を聞いていました。
石垣先生の話はいい意味でLimitedというか、自分の話の及ぶ範囲と過、統合失調症への適応は難しくてうまくいかない事が多いということを強調されつつも、それでも認知行動療法というやり方があり、上手くいけば治療は成り立つのだという事をおっしゃっていました。
世の中には「夢のように良くなる」という宣伝文句の治療法が数ある中で、限界を伝える姿勢は素晴らしいと思います。それもやはり石垣先生の多彩な臨床経験に基づいてのお話だった故にリアリティーが感じられました。
今回の参加者はいつもにもまして多職種の参加があり、最も多かったのは「作業療法士」さんで、これは日常の臨床の中で最も統合失調症に介入されている職種ですから当然のことかと思います。次いで心理士、看護師、医師、教員、PSWという順番でした。
心理的・認知行動療法的な用語に不慣れな方も多いかと危惧しましたが、石垣先生の判り易いトークで皆さん熱心に聞いておられました。
またパネラーを務めてくれた田中先生、岡本先生にも感謝です。田中先生は統合失調症のジプレキサ服用で体重増加した患者さんに集団でどのように健康的な生活・食事の習慣を取り戻してもらうかの報告、岡本先生は被害妄想や関係妄想が激しい統合失調症の患者さんに寄り添うように認知行動療法を実施して上手く妄想を消失させている報告をされていました。
日本で統合失調症に認知行動療法として治療を入れている人はまだまだ数少ないですが、こういった機会をもとにどんどん施術者が増えていってほしいと思います。
たなか on 2007/12/11 2007-12-11 23:30
貴重な機会を与えていただき、ありがとうございました。
もう少しフロアの人たちの反応が知りたかったなぁと思いましたが、それはまたの機会に。
今度はこちらが声をかけたいと思いますので
よろしくお願いします。