2007/12/03: 第三十三回行動療法学会を終えて

感想など

三日間の大会プログラムが終わった。
自分が研修会を開くようになってから、「あんなに大きな大会を開くのは、さぞや大変だろう」と思うようになって、プログラムやなんやにはずいぶんイライラいなくなったが、むしろそのビジネス能力の無さには驚いてしまう。

今回私の中でわかったことは、行動療法と認知療法が本質的には異なっているということだ。
認知療法の発展した形は現象としての治療である認知行動療法だが、行動療法の発展した形は理屈としての治療である応用行動分析だ。
両者が相まみえる来年の行動療法・認知療法合同開催が楽しみです。

時に行動療法家は「認知療法は行動療法の一種です」とか、もっと言って「認知は行動の一種です」などと言うが、なぜそんな発言があるのだろうと疑問に思っていたところ、「行動分析は科学の一種です」と同じく、すぐれた別のものをあたかも自分と一緒だと言い張ることで、自分たちの価値が上がると信じている、つまり虎の威を借る狐だという事も思った。
精神分析の方からも「認知療法は精神分析の出身です」みたいな事を言われて、認知療法さんはモテモテだと言える。
一般的に、出世した誰かに対して「あいつは実は俺が育てたようなもんだ!」などと言うと気持ちがいいものだが、いろんな療法にそう言わせている認知療法が意外としたたかなのかもしれない。

しかし、また同時に腕の良い認知療法家という人が行動療法学会にきていることは本当に少なく、認知療法を理解していない行動療法家たちが、「認知療法とは**だ。だから行動療法と同じなのだ。だから頭に認知って言葉をつけるのは間違いなんだけど、広報上の理由から許してあげるのだ」みたいな、頓珍漢な事を言っていたりする。

言葉というものが難しいように、行動療法の方が簡単で、認知療法の方が難しい。どっちにしろ大して分かっていない私が、あれこれ説明できるわけではないけど、少なくともその両者が違うということだけは判ってすっきりした。
少しきちんと認知療法を学んでみようかと思う今日この頃です。

さて、自分の発表は国内初のポスター発表ということで、印刷やらなにやらに手間取ったが、グラフだけは奇麗に書けたと思う。元々アウトカムデータなのでグラフさえ描けば事足りる。
60枚刷っていったハンドアウトが15枚に減っていたところを見ると、まずまず好評だったのだろうと信じたい。少しいろんな発表を見ていたので、見て頂いた方全員と話せたわけではないのが残念なところだ。ポスター発表の上手いやり方というのが分らないなあ。
色々ご指摘を頂いた点をもとに、もう少し研究をブラッシュアップしていく必要があるとも思った。
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投稿者: 西川公平
2007-12-03 09:38

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