2011/10/05: 木内 認知療法学会 参加記 その2

10月2日に参加した、ワークショップについて書いてみます。

今回、参加したワークショップは2つでした。

1つ目は、水島広子先生の「対人関係療法」。
本はパラパラ読んだことがあったものの、今まで対人関係療法(以下IPT)研修などで学んだことはなかったので、一度くらいは、と申し込みました。“事前に指定図書を読んでくること”という条件がついていたのも、ちょっとしたプレッシャーになって良かったかも。

IPTは、治療効果が明確な精神療法として、CBTと双璧をなす治療法として国際的に知られている。協同的実証主義という姿勢はどちらも共通だが、アプローチの仕方は全く異なり、CBTとは全くの別物とのこと。
症状に連動する対人関係問題を理解し、重要な他者との関係を、①悲哀、②役割をめぐる不和、③役割の変化、④対人関係の欠如、の4つのテーマのうち1つ(多くて2つ)に分類して治療するというもの。そして、「役割期待を巡るズレ」を修正するというものですな。
とは言え、その人に対する役割期待を変える(もしくは自分の役割期待を変えて他者に理解してもらう)ということを重視するのであれば、やはりその人の認知に手をつけているんじゃないのかな?という感じもしました(IPTでは、認知と感情は分けず、2つを合わせて“気持ち”と言うようですが)。

う〜ん、まだまだ勉強不足で理解不十分なところもあるのですが、参考になりました。臨床に生かせそうなエッセンスも沢山あったし。
水島先生は、とても笑顔の素敵な女性で、キビキビとしたプレゼンをしてくれました。時間の都合上か、演習が入っていなかったことと、配布資料がなかったことが残念!!
本にサインを頼んだら、快くOKしてくれて嬉しかったですw

2つ目は、永田利彦先生の「摂食障害の治療」
自らの実践をもとに、色々なデータや映像、イラストなんかを交えつつのワークショップで、なかなか面白かったです。
アメリカの摂食障害専門病棟の治療(対拒食)なんかは、24時間監視(トイレの中まで!)で、食事を取るまでナースさんたちが囲んで見張っているとか、なかなか過激ですごい。日本ではとても出来ないだろうなぁ。ただ、2ヶ月入院で600万+諸経費とか、費用もはんぱないけど。。

永田先生は、日本での入院治療の形態にはむしろ難色を示していて、可能な限り外来で対応しているとのこと。基本的には食事日記をつけてもらって、患者さん自身に24時間監視をしてもらうことが大事だと再確認しました。後から回収だったけど、実際の記録とかも配布資料として配ってくれていたのが参考になりました。

事例もいくつか挙げてくれていて良かったけど、欲を言えば失敗例とか再発例とか、そういうのも紹介してもらえたら面白かったかも。摂食障害は再発リスクも高いと言われているし、その上で考察したこととか取り上げて欲しかったな。
でもまぁ、何だか内容が盛りだくさんで、まだちゃんと咀嚼しきれていない感じ。永田先生は、何か独特の雰囲気があって、会場内に良い意味での笑いがおきることがしばしばでした。あんな風に笑いを取るのか〜と感じ入ったりしてました(私はまだまだ、出来ない…)。
ワークショップ終了後、いくつも質問したりして、お引止めしてしまったかも。でも、こういう機会でもないと直接質問できることってあんまりないし、貴重な時間になりました。

まだまだいろいろと思ったことはあるけど、そんなところで。
このエントリーをはてなブックマークに追加
投稿者: 木内彩乃
2011-10-05 11:30

Comments

コメントはまだありません。

Add Comment

TrackBack

トラックバック

トラックバッックはありません。