2007/06/13: 【思考の】認知療法・論理療法 2【筋トレ】 について その9

2ちゃんねるの認知行動療法関連スレについてあれこれつぶやく。現在664〜729まで .

Q41,私は論理療法で逆に強迫観念に駆られてしまいました。やり方が間違っていたのでしょうか?
A41,論理療法も認知療法も強迫性障害の強迫観念(侵入思考)を再構成する事はかなり難しいです。同様に統合失調症の妄想も再構成する事はかなり難しいです。再構成できない問題を抱えている時に良く使われるのは、その強迫観念や妄想にまつわる周辺の自動思考(例:強迫性障害の自分は人間のクズだ、この病気は一生治らない)を扱う事で、それは再構成可能です。それらの再構成によってかなりストレスが減る事が期待できるので、そちらに論理療法なり、認知療法なりを用いてください。しかし、むしろ強迫観念そのものは行動的な技法(暴露反応妨害法)によって、かなり軽減するはずですから、第一選択は行動的技法でどうぞ。

Q42,私は過去の自分の失敗を引っ張り出してきて、これでもかと自分を責めるのが得意です。毎日何かのきっかけでフッと思い出して反すうしてしまう。そういうのも改善できるかな。過去さえ忘れられたらやり直せるような気がするんだけど、失敗や挫折が多すぎる...
A42,現在の悩みが「過去の思い出し」であるなら、思い出しをする状況をモニタリングしたり、カウントしたり、妨害方法を色々試したり・・・と、ずいぶんターゲットを絞れると思います。しかし、「過去を忘れる⇒現在を上手く振舞える」というプロセスはほとんどありえない方向です。「現在を上手く振舞えるようになる⇒過去のことが気にならなくなる」が一般的です。

Q43,認知療法の理想とする人間像(拘りのない、自由な人間?)って当然のことながら一つの思想であって、科学的に正しい人間像であると証明されているわけではないよね。(もちろん、証明できるはずもないんだけど)
A43,おっしゃるとおり「科学と人間像」という言葉は「タコのハチマキ」ぐらい両立しないものだと思います。認知療法の理想とする人間像というものはありません。人間像とか、性格とか、人格とか、そういった仮説は認知行動療法で使用しません。たまに自分を改める為に色々工夫するといいかな、ぐらいのことが望まれています。改善においてなるべくならCBTの技法を使ってもらえるとありがたいです。改めるところのない人になる事を目標とはしていません。

Q44,うちの親が認知療法受けたら「ねばならない」が「してはならない」になっただけだった・・・ 具体的に言うと過干渉から放置へと180度転換。パソコンで言えばビットが反転しただけか。
A44,それは良くあることですが、とりあえず親御さんに「変化の余地」があるという事は大変めでたい事だと思います。良くなろうと思って色々試している状態であればいずれ当たりも出てくるのでは無いでしょうか。

Q45,「嫌なニュースばかりだ...」私の認知は歪んでいますか?
A45,それでハッピーならとりたてて歪んでいません。そうでないなら、「ついつい嫌なニュースを見てしまう」とか、「嫌なニュースに注目しがち」とか、「嫌なニュースを記憶に残しがち」なのかもしれません。
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投稿者: 西川公平
2007-06-13 14:33
カテゴリー: 2ちゃんねる

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