2010/03/21: うつ病の行動療法

先日京都で研修をしてきました。
テーマはなんと「うつ病の行動療法」。認知療法じゃないの?と確認したけど、行動療法オンリーでとの依頼。
むしろテンション上がりましたw

昨日京都認知行動療法カウンセリングルームの吉田先生に頼まれて、「うつ病の行動療法」というタイトルで研修会をしてきました。
うつ病といえば認知療法、みたいな流れがある中で、あえて行動療法というテーマで話すというのはなかなか面白い体験でした。

しかし、そもそもうつ病というものを行動療法の枠組みのみで話しきることができるのだろうか・・・?という疑念が最初からありました。そもそも疾病モデルと行動療法はぴったりフィットじゃないし。
ロジックを作り上げるのにむむむ・・・と頭を悩ませて時間がかかり、結果、資料もぎりぎりになってしまって、印刷していただいた方すみません。

でも、あれこれ悩んだ甲斐があって、うつ病なるものに対して行動療法としてどのように接していくのか、ある程度筋の通った話ができたので、ソレは良かった。

特に理論と実践の筋を一本に通すのが難しかった。正直3回ぐらい作り直した。

結局のところ難しいのはうつ病という病気がOvertBehavior不足の病気というよりは、CovertBehavior過剰の病気であることが多いので、CovertBehaviorを扱う技術や理論に乏しい行動療法が苦戦しているというところだ。
もちろん逆に言えば、OvertBehavior過剰や不足を補うことにおいて行動療法はもう全く何の問題もない治療法だ。

足りないところをしかたなく、レスポンデンとな思考やFusionや関係フレームなどを駆使して説明したものの、もはやソレは学習ではない領域なので、そのあたりについてはなんとも一貫性が微妙な具合になっている。それは私の話の一貫性というよりは、行動療法の一貫性のなさだ。
行動療法はオッカムの剃刀をどこかにしまい忘れたのではないかと思う。

それにしても、今回の研修はこれまでにないテーマだったこともあり、かなり書き下ろしというか完全に最初から作った感があり、とても勉強になった。久々に論文や資料なども引いて参考にした。

もし参加した人がいたら、良かったら感想コメントくださいね。
このエントリーをはてなブックマークに追加
投稿者: 西川公平
2010-03-21 10:40

Comments

コメントはまだありません。

Add Comment

TrackBack

トラックバック

トラックバッックはありません。