患者さんの訴えの変化について。病圏の変化じゃないです。
カウンセリングをしていると、訴えの内容の論理整合性から「あー、神経症的だな」とか、「あー精神病的だな」とか思う事がなくもない。
例えばある女性は強迫性障害なんだけど、「歩いている時に犬とすれ違うと犬からおしっこが飛んできて、そのおしっこに混じった精子で、自分が妊娠してしまうのではないか」という事を心配されていた。うーんpsychoticだ。
しかしそれはそれで強迫性障害だから「そんな訳ないとは分かっているんですけど・・・」みたいに自我違和感があるわけで、これに自我違和感がなければこれはまさしく精神病圏の方という事になる。
この人の治療では、とりあえずその辺の訴えを放置しておいて、先に別の強迫症状(化学物質汚染系)を片付けていた。そっちの方が生活全般にわたって不便を招きそうだったし、なにより扱いやすかったので。
で、化学物質汚染に関する恐怖をほぼ片付け終わったところで、「今気になってることってありますか?」と尋ねると。
「犬のおしっこが怖いです」とおっしゃった。
それって前からあった奴ですか?って聞くと
「いや、以前のように犬の精子がとかは全然考えなくなった。単に犬のおしっこが汚く感じて電信柱とかが嫌なだけ」
と言われた。
この訴えであれば、全然神経症的というか、まあ普通の観念だ。
全然その辺は扱ってなかったんだけど、これも汎化の一種というべきなんだろうかな?
どうでもいいけど、この人の化学物質汚染恐怖を取り除くのに、珍しくカウンセリングルーム内でin vivoエクスポージャーを行ったが、この人はその事を「ショック療法」と命名された。
ショック療法・・・まあ、ショックかも知れんけど・・・。
でもまあ、2,3回のセッションで世界に化学物質がばらまかれているかもという恐怖が消失したのであれば、費用対効果的にも良いでしょう。
実際本人もモチベーションがめっちゃ上がってた。
そんなわけで犬のおしっこに対する自宅でセルフでのフラッディングを設定するわけです。
上手くいけばあと2回で終了ってところですね。
最近はPsychoticな強迫性障害の方々が数多く見えられてるけど、訴えの中身が多少Psychoticであっても、たちどころにPsychosisなわけじゃないし、ぼちぼちやってく内に何とかなるのではないかと思う。