2007/06/14: うつ病のキャラについて part2

うつ病のキャラで書いたことだが、どの辺の何がウツっぽいのか解説してみた。
http://blog.goo.ne.jp/gestaltgeseltz/e/15103ef614b7cb3fab3b7fe23a7724a2

しかし、そういった細部の症状があるからうつ病だという判断を下すのは、病院でお医者さんがすることですから、素人や素人みたいなカウンセラーが勝手な診断をしないようにしましょう。

参考:うつ病のキャラで書いたが、何がどううつっぽいのか解説してみた。
http://blog.goo.ne.jp/gestaltgeseltz/e/15103ef614b7cb3fab3b7fe23a7724a2

>仕事が面白かったが、最近は元気が無い。
・以前面白かったことが面白くなくなったりします。また、一般的には元気がないように見えます。

>なかなか相談に乗ってもらえない。仕方が無いので・・・用意しなければならない。
・相談しにくいと相談できない。職場で仕方がない事は多いが、それで済ませ過ぎて業務を増やす。

>だんだん上司や同僚とも口を利くのが苦痛、機械室にこもりがちになり、職場の人間にあれこれ言われないように家に持ち帰り
・社会的活動欲が低下します。一般的に言ってしゃべりづらくなります。

>どんどん残業時間が多くなり、毎月80時間を越えた。
・残業時間が60時間を超えている人々には自殺念慮を持つ割合が増えます。

>もともと調子の良くなかった腰がかなり痛み出し、普段動くのも億劫になった。また画面の見すぎか、目の奥がズキズキと痛む。
・うつ病はかなり多くの身体的な症状が出ます。腰痛、群発性頭痛はよくある症状です。長引く身体的な不調がうつ病から来ていることもよくあります。

>晩酌が増え、寝つきが悪いこともあって、ウイスキーなどアルコール度数の強い酒を飲むようになった。それでも眠りが浅く、小さな物音でも途中で目覚めてしまい、夜中に何度も目を覚ます。
・ストレスが強いとストレス解消も強くなり、アルコールの度数も増えます。またアルコールは寝つきを良くしますが、中途覚醒を引き起こします。うつ病の症状でも中途覚醒は起こります。

>一度目が覚めると明日の仕事の事を思って気分が暗くなるせいか、ますます寝つきが悪い。
不眠によって、布団の中でいろいろ嫌なことを考えたりします。またいろいろ考えるせいでさらに緊張して寝られなくなります。よくあるのは、「本日の反省会」および、「明日の嫌な予定」についての考えです。

>勤務時間もぼんやりすることが増えて、些細なミスが多くなった。
うつ病では集中力が低下し、判断力が低下し、ミスが増えます。工場などでは事故も増えます。

>イライラするし、その事を考えて頭の中がぐるぐる回る。どうやったら上司に恥をかかせてやれるか、どうしたら仕事に穴を開けて上司の責任にしてやれるかを四六時中考えるようになった
いったん考えがめぐりだすと、悪い方悪い方に考えが向かい、なかなか切り替えられない。
・「繰り返されるネガティブな考え」および、「そこから回復できない」は、認知療法におけるうつ病の中心的なターゲットです。抗うつ薬や認知療法はこれらの繰り返される考えを切り替えやすくしてくれます。

>やめていたはずのタバコも再開し、仕事に詰まるたびに喫煙室で何本も吹かす様になった。
>妻に怒鳴ってしまった。
・うつ病では我慢がしづらくなります(脱抑制)。しばしば思い切った行動(ActingOut)に出てしまう人もいます。

>朝起きにくく、出勤するのが辛くなってきた。1、2分ぐらいの遅刻が増え、また体調不良を訴えて昼から出勤することが増えた。
・うつでは遅刻、早退、欠勤などが増えます。

>こんなにも一生懸命、重い体を引きずって、死に物狂いで仕事をしているのに・・・・と、ものすごく腹が立ち「何を甘えた事を言っているんだ!・・・」
・頭の中で思いめぐらしていることも、伝えないので伝わりません。

>それ以来、そもそも少なかった家族の会話がほとんど無くなった。
・もし家族との折り合いが悪いとすれば、うつ病からの回復のチャンスを減らしてしまいます。気づきにくいうつ病にまず気付いてくれる人がいるとしたら、それは家族です。うつ病に有効とされる「対人関係療法」は特に家族との対人関係の回復をターゲットに置いた治療法です。

>重要なプレゼンの日、降りるはずの駅を行き過ぎてしまった。
>上司から電話があったが、すぐに携帯電話を切り、電源も落とした。
・思い切った行動(Acting Out)で、社会的な自殺企図です。

>どこへ行こうかとぼんやりと考えたが、どこにも行くところが無いなあと思った。
・個人を受け止めてくれる何か、どこかがあれば、それはセーフティーネットになります。それらを普段から築くことが自殺予防です

>手すりにもたれかかって、「ああ、俺にはもう何も無いなあ・・・」と思って・・・
・退職など「社会的な死」の後に「生物学的な死」があることは不思議ではない。
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投稿者: 西川公平
2007-06-14 17:23
カテゴリー: うつ・躁うつ病

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