2012/07/19: ながの認知行動療法研修会を終えて

このたびブログでも宣伝していたように、長野で認知行動療法の話をさせてもらう機会を頂きました。
そのことについて、あれこれ書いてみます。

認知行動療法は、精神科疾患に対して無類のエビデンスを誇りつつ、それらは基本的に海外のエビデンスであり、我が国において未だ普及しているとは言えない。
少なくとも滋賀県や関西、近畿エリアにおいて、患者さんが自由に認知行動療法施術機関を選べるというような自由度は無い。
みなさん割と遠いところを、半ば仕方なく滋賀県まで来所されている。私自身は地産地消じゃないけれど、地元の患者さんは地元の施設がみるのが当然だと思うので、遠くから来られるのは心苦しい事だと思う。

「CBTを学ぶ会」という一地方で細々やっている勉強会を社団法人化した理由の一つは、研修会や勉強会という認知行動療法を学ぶ機会を、日本の各地域において増やしていきたいという狙いがあった。
「CBTを学ぶ会」では、滋賀県で6年以上にわたって勉強会を継続しており、また滋賀で12回、福井で5回、大阪で3回、三重で3回と研修会も重ねてきている。いわば勉強会や研修会のノウハウがそれなりに山積されている。

一方で日本の各地方ではそもそも勉強会などはない。あったとしても、今一つ盛り上がりに欠けたり、凝集性が低かったり、ビミョーな感じの所も多い。
そこで、色々な地域の勉強会や研修会を応援する意味で、主催や共催、後援のような形でCBTを学ぶ会の”出張”をしてみようというのが一つ実を結んだのが、今回の長野の研修会だった。

「本当に長野で認知行動療法の有料研修で人は集まるのか??」という自動思考をそのままにして、ふたを開けてみれば、ながのの研修会は大成功に終わった。
この成功はひとえに信州大学の高橋先生、総合リハビリテーションセンターの大沼先生をはじめ、地元の方々のご尽力があっての事だ。
お二人は大学で認知行動療法を学ばれて後、その火を消さずに臨床に活かしておられるという事で、認知行動療法に熱い人々なのだ。

もちろんまだまだ課題が多く、例えば私自身6時間×2=12時間にわたる研修を組んだことが無かったので、色々と想定外の事態も起こった。
今振り返って観ると、内容そのままにワークと休憩を増やして8時間×2でも全然よかった。
あるいは広報にも色々と工夫が必要な気がした。

まあ、それはそれとして、そのうち工夫をしていくにせよ、こういった感じで「地方で勉強会や研修会をやってるんだけど、コラボしたい」みたいな人がいれば、どんどん一緒にやっていきたいと思う。
保険点数とか、お免状とか、そういった個人とは無関係の普及についてはいささか眉に唾をつけてみているところがある。
まあ、そういうのは向いていないみたいなので、相変わらず個人的な話だが、個人的に認知行動療法の普及を試みていきたい。

とりあえず次は、東京医科歯科大学の歯科医師の先生が「CBTの研修会をやりたい!」とおっしゃっているので、お手伝いをすることになった。
お手伝い・・・と思っていたら、なんだか一日は喋らなくてはいけなくなった。うーん・・・、まあしゃーないか。
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投稿者: 西川公平
2012-07-19 18:29

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