2011/09/08: 心理臨床学会 in 福岡 に参加して

6年ぶりの参加でした。その時の感想など。

2005年の開催以来、行っていなかった。同時に、未納で退会扱いになっていたことも判明。。2005年は、縦長の会場に満員御礼でステージが見えず、ワークショップとは名ばかりだと思ったことを覚えている。あと、事例検討が事例提供者とコメンテーターの先生とのやり取りに終始し、フロアーが物々しい雰囲気に終わっていたことも。


今回は、東大の石垣先生のお誘いを受け、自主シンポに参加。
『地域心理臨床に 認知行動療法はいかに貢献できるか -地方で実践と研修を充実させるには-』
というタイトルで、私は、福井でやっている勉強会の話。どんなシステムでやっていて、参加者はこんなでと。緊張しながら、何とか前座を務めさせて頂いた。
シンポジスト2人目は、お初にお目にかかります、べてるの小林先生。さすがは、べてる。迫力&重みのあるスライド。地域臨床とはどうしていくと良いか、考えさせられました。まだ腹に落ちていないので、じっくりスライドを振り返らせて頂こうと思う。
指定討論者は、九大心療内科の有村先生。全体をまとめつつ、的確な質問を頂いた。九大勉強会の状況も教えて頂き、とてもためになった。今後の勉強会運営に反映させて行きたいと、モチベーションが上がった。
自主シンポだけメイン会場からやたら離れていたのも疑問だったし、フロアーとの質疑応答に時間が割けなかったのも残念だったけど、有村御夫妻ともいろんなお話ができて楽しかった。


このシンポの直前に、東京カウンセリングセンター所長の菅野先生による、『うつ病のカウンセリング』を聞きに行った。“認知と行動は扱わなくてもいい、自分はコミュニケーションを扱う”とか、“うちの利用者も、1ページやればもうダメだとなる。認知行動療法とは、そんな無理な介入をさせるからよくない”などと、ユニークなことを言われていた。確か、一般向けにCBTの本も書かれていたはず。この学会におけるリップサービスなのか、日々の臨床から言われている事なのか不明。
質疑応答の時間になり、司会の先生が「どなたかいませんか〜。1人目は難しいかなー」と。満員御礼のフロアーに、呼びかけを続けていらしたので…
「無理な介入というのは技法や課題の問題ではなく、技法を利用者の状態にフィットさせていないカウンセラー側の問題では?」と、投げかけてみた。「その通りだ。震災の支援に、箱庭を持ち込んだカウンセラーがいて…云々…。」と。その後、質問者が続き、話に花が咲いた。とりあえず、質問者1人目の役割を果たせたようで?良かった。
終わりかけに、菅野先生が、企業の管理職研修について話をされた。「部下に仕事を与える際、管理職は「やれる?大丈夫?」と1回聞き、「本当に大丈夫?」と2回聞くよう伝えている」のだと。企業研修の経験も言葉も少ない私なので、なるほどと、お土産が出来た。


学会翌日は、性同一性の葛藤に対する支援をされた、関西医科大の吉野先生の事例検討に参加した。無駄のない的確な介入に、驚いた。この種のケース数を多く持ってこられたというから納得。知識やオーラを前に出しすぎない先生で、普段の臨床もこんなふうにされているんだろうと思った。いろいろ質問させて頂いて、楽しい時間になった。
午後は、家族療法の先生方による事例を聞きに行った。逐語を出されていて、ライブ感があった。非言語を、慎重に選択されていたのが印象的。指定討論者はお会いしてみたかった東豊先生。とても気さくな先生で、フロアーとのジョイニングの上手さに関心させられた。


強いて言えば、会場のマイクの数が足りず、スタッフさんも不在で?、話題提供者や司会者の先生が自らマイクを運んでいらしたのは、ちょっと滑稽というか、見ていてこちらが申し訳なくなった。これくらいの大きな学会だと、会場を用意するだけでも大変なんだろうな。


6年ぶりの参加だったけど、面白い事例があったので、来年も参加しようと思う。
来年は、春秋とも名古屋であるらしい。
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投稿者: 別司ちさと
2011-09-08 01:24

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