2010/03/31: 認知行動療法と構成主義心理療法

最近メル友?風の勝倉先生などが訳されている本を紹介します。
たまたま買ってたんですが、読まずに大切に積んであったのを読んでみました。

専門家向けの本です。CBTもやるし、ブリーフもやるぞ、的な人にお勧め。

序章に「合理主義者」と「構成主義者」という区分があって、よくよく読むと、「ああ、わたしは構成主義者であって、合理主義者ではないんだ」と判ったのが収穫です。

しかし、この世知辛い世の中を生きていくためには、合理的である事がそれなりにビンゴであるという風潮についても、それなりに理解しつつやってかんとなあと思います。

まずは、執筆陣が異様にゴージャスなところが面白いです。
皆が知ってるであろう人を上げてみると、序説についてはドナルド・マイケンバウムが第二章を書き、認知療法については第三章でアーロン・T・ベックその人が。第四章ではヘイズがその評価を行っている。論理療法について第五章でアルバートエリスその人が書き、・・・などなど、著名人炸裂です。

とりあえず第6章まではなかなか面白かったのですが、第7章はいきなり論理展開が全然ダメになってしまっていて、非常に残念です。本当に「構成主義」の事を知っている人が書いているんだろうか?

そう思って、6章までを振り返ってみると、せっかく各療法とその評を書くのだから、評においてはあくまで「構成主義からみた各療法」に重点を置くべきであったのではないかな・・・、などと思ってしまいました。

このままグダグダ続くのかと思いきや、一転して第8章では、「構成主義」というものの見方が、我々にどのような変化をもたらすかについてしゃきっと書いてあり、面白い。

認知行動療法と構成主義心理療法―理論・研究そして実践
マイケル・J. マホーニー
金剛出版
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投稿者: 西川公平
2010-03-31 19:16
カテゴリー: お勧め

Comments

ちー on 2010/04/06 2010-04-06 00:52

いつの間にやら、たくさんアップされましたね。 さて、上のタイトル、惹かれました。

面白そうな本ですね。読んでみようかな!

わたしも最近、「自分は構成主義よりなんだ」と、気づきました。
家族療法をかじっていたので、もともと構成主義。臨床現場で使う時も、こっちの方が私には馴染む。 気づくきっかけは、こちらの本↓

【認知行動療法100のポイント 】
マイケル ニーナン (著), ウィンディ ドライデン (著),
石垣 琢麿 (翻訳), 丹野 義彦 (翻訳), 東京駒場CBT研究会 (翻訳)

少しずつ、読み進めています。細かい事言えば、もう少しこう言われたいのではないかなと思う箇所もありますが、翻訳とは思えないとても滑らかな日本語☆。.
翻訳できる方ってすごいですね。有り難い。私がそんなことしようもんなんら…ウツという谷間に落ちていきますが。

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