2008/10/16: 問題行動の消去

福井の勉強会で「盗癖」と「頻回電話」についてグループスーパーバイズしてきました。

問題行動をなくしていくということに関しては応用行動分析の知見が詳しい。
今回の盗癖の事例はそのまま応用行動分析とは何かという話として説明するのに良かった。

良く勘違いされがちなのは、褒めたり、おやつを与えたりすることが強化だと思っていて、叱ったり説教したりすることを罰だと思っているという間違いで、そういったことはない。
強化とは結果論であり、強化子とはある結果論からの仮説なのだ。

今回のケースでは、盗みの後でスタッフが叱責したり、zelleに入ってもらったりが随伴しているが、まさしくそれが強化子である可能性がある。あるいは違う可能性もある。そしてそれはそのような随伴性の操作によってベースラインとのギャップが発生するかどうかによって蓋然性が高まっていくのだ。

しかも盗みの件数をプロットしてもらうとと、結局のところスタッフが盗癖に取り組みだしてから急速に問題行動が減少している。
ということは問題行動はコミュニケーションの機能(注意喚起や要求)を持っていたのではないかとも類推できる(すこし飛躍だが)。
まあそういう事はABAの基本といえば基本、ありがちと言えばありがちなんだろうけど、なかなか地域に浸透していないというか、せっかく良い知恵と技術の体系があるので、もうちょっと上手に広報していくと良いのかなと思う。
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投稿者: 西川公平
2008-10-16 01:40
カテゴリー: 様々な困りごと

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