2022/06/27: 心理療法のエビデンス2022

アメリカ心理学会の12部会(臨床心理学部会)が心理療法に関するエビデンスを出している。
最近見てなかったけれど、更新されたところもあるようなので、観てみようと思う。
それにしてもアメリカはいろんな心理療法を開発していくもんだなあ。

ちなみにAPA12部会は、「経験に裏づけられた治療」という表現を用いていて、判官びいきか心理療法に対して若干甘めに評点していると個人的には感じている。

以下は療法別の分類だが、症状別の分類もある。
https://div12.org/treatments/

こっちの方が目的にたどり着きやすく、見やすいかもです。

【心理療法】
以下は、心理学的治療法のアルファベット順のリストです。
ある診断に対して治療法がないことは、必ずしもその治療法に十分なエビデンスがないことを意味するものではないことに注意してください。
むしろ、経験的に支持された治療基準に従って、その治療法が我々のチームによって十分に評価されていないことを示す場合があります。
治療法をクリックすると、その説明、研究サポート、臨床リソース、トレーニングの機会などが表示されます。
また、ご希望であれば、診断名から治療法を検索することもできます。
また、症例検討のセクションでは、特定の症例提示に適切と思われる治療法を検討することができます。

ちなみに、今年は
【オンライン研修会 エビデンスに馴染みがない方々のための考え方・使い方・作り方】という研修開催予定
https://cbtcenter.jp/event/?itemid=2851


以下の治療法は、エビデンスベースの強さを決定するために評価されていることに注意してください。
以下の治療法には、「強い」から「証拠不十分」までのエビデンス評価があり、各治療法をクリックしてその評価を確認することができます。
推奨度合いは【強Strong、中Modes、弱Controversial】で判断されています。
*補足:1998年と2015年の調査があり、1998年の調査のクオリティーは必ずしも高くなかったため、現在再調査中のものが多いです。
したがって推奨度合いと調査時点を(中1998)と表示しました。2000年代などの新しい年号のデータの方が確かな情報です。

PTSDに対する早期解決療法 (中1998)
強迫性障害に対するアクセプタンス&コミットメント・セラピー(中2010)
慢性疼痛に対するアクセプタンス&コミットメント・セラピー (強1998)
うつ病のアクセプタンス&コミットメント・セラピー (中1998)
混合性不安障害のためのアクセプタンス&コミットメント・セラピー (中1998)
精神病のためのアクセプタンス&コミットメント・セラピー(中2012)
パニック障害のための応用リラクゼーション(中1995)
統合失調症のための包括型地域生活支援プログラム(ACT)(強2001)
うつ病の行動活性化療法 (強1998)
慢性腰痛の行動療法と認知行動療法(強1999)
アルコール依存症のための行動的夫婦療法(強2009)
行動的体重管理 (強1998)
不眠症に対するバイオフィードバックベースの治療法(中2006)
統合失調症のための認知適応訓練(CAT)(中2000)
全般性不安障害の認知・行動療法(強2002)
うつ病の認知行動分析法による精神療法(強2005)
統合失調症の認知行動療法(CBT)(強2004)
成人のADHDに対する認知行動療法(強2011)
神経性食欲不振症の認知行動療法(再発予防 中、体重増加 弱2005)
むちゃ食い障害の認知行動療法 (強1998)
神経性過食症の認知行動療法(強2004)
慢性頭痛の認知行動療法(強1991)
不眠症の認知行動療法 (強2015)
過敏性腸症候群の認知行動療法 (強1998)
強迫性障害に対する認知行動療法 (強1998)
パニック障害の認知行動療法 (強1998)
社会不安障害の認知行動療法 (強1998)
心的外傷後ストレス障害の認知処理療法 (強1998)
統合失調症の認知機能改善療法(強1997)
双極性障害の認知療法(CT)(中2007)
うつ病の認知療法 (強1998)
糖尿病患者のうつ病に対する認知行動療法 (強1998)
薬物使用障害の認知行動療法 (強2015)
薬物使用障害のためのコンティンジェンシー・マネジメント (強2015)
境界性パーソナリティ障害の弁証法的行動療法 (強1998)
うつ病のための感情焦点療法 (中1998)
感情フォーカス・カップル・セラピー (強1998)
強迫性障害に対する暴露反応妨害法(強2015)
特定の恐怖症に対する暴露療法(強2002)
PTSDに対するEMDR(条件付き推奨2001)
双極性障害の家族焦点化療法(FFT)(強2007)
統合失調症の家族心理教育法(強2000)
神経性食欲不振症の家族に基づく療法 (強1998)
神経性過食症の家族に基づく療法(中2007)
混合型薬物乱用・依存症に対するフレンドケア(中2004)
混合薬物乱用/依存のためのガイド付きセルフチェンジプログラム(中2009)
神経性過食症のためのヘルシーウェイトプログラム(論争中2006)
統合失調症のための病気管理と回復(IMR)(中2006)
双極性障害のための対人関係・社会リズム療法(IPSRT)(中2007)
むちゃ食い障害の対人関係療法(強1998)
神経性過食症の対人関係療法(中2007)
うつ病の対人関係療法 (強1998)
境界性パーソナリティ障害のメンタライゼーションに基づく治療法(中2009)
マインドフルネスに基づく認知療法 (強1998)
アルコール使用障害に対する節度ある飲酒(中2009)
ママパワー。母親と家族のレジリエンスの促進 (強1998)
混合型薬物乱用/依存症に対する動機づけ面接、動機づけ強化療法(MET)、METとCBTの組み合わせ(強2006)
線維筋痛症のための多成分型認知行動療法(強2002)
リウマチ性疼痛に対する多成分型認知行動療法(強1999)
不眠症のための逆説的意思表示(強2006)
PTSDに対する現在中心療法(未定2011)
アルコール使用障害に対する賞罰型コンティンジェンシー・マネジメント(中2010)
コカイン依存症のための賞金制コンティンジェンシー・マネジメント(中2010)
うつ病の問題解決療法 (強1998)
心的外傷後ストレス障害のための長期暴露療法 (強1998)
パニック障害の精神分析的治療法(論争中2017)
双極性障害の心理教育(強 躁症状に、中 うつ症状に2005)
心的外傷後ストレス障害に対する心理的ディブリーフィング(無効~害2003)
過制御の障害に対するラディカルオープン弁証法的行動療法 (中1998)
うつ病のための合理的動機づけ行動療法(中1998)
不眠症のためのリラクセーション・トレーニング(中2008)
うつ病のための回想法/ライフレビュー療法(強2006)
境界性パーソナリティ障害のためのスキーマ療法(中2006)
薬物乱用・依存が混在している場合の安全性の追求(強 大人に、中 若者に2012)
薬物使用障害を伴うPTSDに対する安全性の追求(強2009)
うつ病の自己管理/セルフコントロール療法(強2007)
うつ病のセルフシステムセラピー(中2015)
うつ病の短期サイコダイナミック療法(中2006)
不眠症のための睡眠制限療法(強2006)
体重増加防止を伴う禁煙療法(中2004)
統合失調症のための社会的学習/トークンエコノミープログラム(強1990)
統合失調症のための社会技能訓練(SST)(強2006)
不眠症のための刺激制御療法(強2006)
心的外傷後ストレス障害のためのストレス接種トレーニング(中1999)
統合失調症の就労支援(強2002)
双極性障害のシステマティック・ケア(強2006)
一般外来患者に対する系統的治療法選択 (強1998)
境界性パーソナリティ障害の転移焦点療法(強~論争中2010)

******
ちなみに2012年の記事はこちら
https://cbtcenter.jp/blog/?itemid=1342


2010年の慢性腰痛の記事はこちら
https://cbtcenter.jp/blog/?itemid=962&catid=6
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投稿者: 西川公平
2022-06-27 17:10
カテゴリー: 雑談

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