2019/07/17: 第6回大阪神戸CBT研修会&第9回CBT casecamp感想 その3

その3です。

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いよいよ長かった合宿も今日で最後ということで、のんびり行きたいと思う。

合宿2日目は習熟度別のグループになっており、上から順に、キング、クイーン、ナイト・・・というグループ名になっている。
私は最初一番経験の浅いチームのディスカッションをサポートするお仕事なんかを貰って、意気揚々とうんちくを垂れていた。というか、はじめて参加した気分。
ちなみに1日目は神戸の名所がグループ名になっていた。

最初のケースは広島国際大学の首藤さん。ペアトレのお話だ。
うーん、発表にスキがないなあ。グループの皆さんは軒並み首藤さんの発表の素敵さにメロメロ。
むきーっと嫉妬して、発表者めがけて大人げないツッコミを入れる。
まあそれは冗談にせよ、ちょっとこのケースはなんとなく雰囲気、お母さんがかつての事件でトラウマ的になっていて、現在あるのはトラウマ症状の残滓みたいに見えるなあ。
あとは、物理的に色んな角度から子供を観るという行動実験によって、気持ち的に色んな角度から子供を観られるようになったという対比が面白かった。
何にせよそれに丁寧にお付き合いされてしかも短期で解決されたわけだから御の字と言える。
コメンテーターは、知る人ぞ知る嶋崎まゆみさん。レアポケモンゲットだぜ!の世界だぜ!
もしこの子が変な医療機関に引っかかってたら、結構酷いことにもなっただろうというお話をされる。
ヒストリーから小学校の担任の先生の腕が良いという事を想像されていて、視野が広いなあと思った。

2ケース目は比治山病院の梶原さんが入院多いうつのケースを出される。必ずしも上手く行っていないケースを出されるという、勇気ある発表!
コメンテーターの白木さんが頭から色々注文を出される。
そして登場する松本さん。なんとこの発表の患者さん役をするというセッティング。
発表の緊張、円満解決事例でないこと、コメンテーターの設定、模擬患者、時間の制約、・・・梶原さんの前にどこまでも高くハードルが積み重なっていくw

そうして出されたケースは、かなり情報量が多く、沢山のポンチ絵が出てくるものの、なかなかどうして混乱している。
白木さんは「ここに患者さんが居るんだよ」と時々追いジャブを打つ。
発表が終わり、グループディスカッションが終わり、模擬患者さんに感想が求められる。

・・・その時、世界が、凍りついた・・・

あ…ありのまま 今 起こった事を話すぜ!

白木さんと模擬患者さんが色々しゃべる。
梶原さんもそれに巻き込まれていく。
会場の緊迫感は続く。

要するに、オープンダイアローグで言うところのリフレクティングプロセスが「発表者の発表+グループディスカッション」としてまずあり、そこから白木さんと模擬クライアントさんの対話を通じて発表者やフロアに返していくという、これはなかなかの投げかけだ。
明日をも知れない明日に飛び込む信念と勇気がいる。

参加者としてはどうでした?と白木さんが松本さんに聞く。
それはなかなか忙しいけれど、治療者としてこの場にいることと、模擬とはいえ患者としてこの場にいることの体験は全く違う(真逆と言っても差し支えない)ということのようだ。

最後に一欠片の愛を手にして、梶原さんの発表は終わった。
いやー、面白かった。ワクワク・ハラハラ・ドキドキしたー。
松本さんも名演技でした!

さて、昼食ということで当の梶原さんと掛井さんと村上さんと4人で飯を食いに行く。
スタッフ弁当という手もあったんだけれども、せっかく旅のしおりも作って貰ってるし神戸の食を楽しみたかったし。
「群愛飯店」という中華のお店について一息入れつつ雑談。
さっきのセッションのヤバさについてヤバい、まじヤバい、ほんまヤバい、みたいに話し合う。

まあでも、セッションというのはその瞬間、一瞬の芸術みたいでないといかんなと思ったというか、揃ってるメンツで予想を遥かに越えて力を発揮させるという予定調和のなさがオープンダイアローグの凄みなのだろうと思った。

さて、連チャンで3ケース目はギャンブル障害のケースをCBTセンターの料崎さんが発表された。
コメンテーターはなんと蒲生さん。蒲生さんに限らずコメンテーターのクオリティーが今回むちゃ高いな。そしてコメントもむっちゃ面白い。ギャンブルの機能と家族の機能をイチから考え直すというのは、確かにそうだと思った。
ギャンブル障害についてはなかなか治療をする人がいないんだけど、一つは嗜癖行動の困りごとはうつ病や双極性障害などの心の病気ではない時、精神科医療として打てる手がほとんど無いということにもあると思う。
まあでも、CBTからしてみたら、普段と変わらず機能分析するわけだから、違いがあるもんでもない。

よく考えたら、私って、このあとロールプレイと模擬面接のワークショップするんやったな。
資料とか読み返しておかないと・・・。
あ、結構間違いがある!直しておこう、などと雑務に勤しんでいると、隣でスタッフがエンドロールを作っている。

え?えんどろーる?
あの結婚式の最後に、「ええ式やったなー」って流す、あのアレか?
押してる時間を計算して、かつエンドロールの時間を計算して、ワークショップの時間配分を修正する。

さーて、最後は合宿名物のロールプレイと模擬面接のワークショップ。
事例検討というのも罪深いもので、人の事例にあーだこーだいちゃもんつけてると鼻ばかり高くなって腕がどんどん落ちてしまう。
その辺を釣り合い取るためのロールプレイなわけです。

「仕切るのは私。演じるのはあなた」の世界。それでは早速張り切っていってみましょー♪
まあそれにしても、岡嶋さんは帰っちゃったけど、フロアには蒲生さんも居るし、小関さんも居るし、白木さんも居るし、しょうみこちらの陣容は黄金聖闘士だらけなのだよ!フハハハハ!

ま、私の出る幕はないな。

そんなこんなでロールプレイをひと回し、模擬面接をひと回し、はい蒲生さんいってみよー。はいナイス模擬面接。
じゃあロールプレイのふた回し目、模擬面接のふた回し目。え、今年も久保田さんのくじ引く?どんだけ?はい、小関先生いってみよー。はいナイスナイス。

とか何とかいいつつ、実際のところ蒲生さんや小関さんの模擬面接はやはり参考になるな。
言語における確立操作もどきを自分以外の人間がやっているのをはじめて客観的に見れたし、体感からつながって吐き出される言葉がどのように作用するのかも見れた。

しかし、これはもうちょっと研究せなあかんので、模擬面接を全部文字起こしして、許可がもらえたら滋賀や大阪の勉強会で念入りに検討することにしよう。

そしてフィナーレ!素晴らしいエンドロールが流れたのでした~。
事務局の看護CBTを学ぶ会の皆様を始め、参加者の皆さんもお疲れ様でした。
「家帰るまでがケースキャンプです」は言い忘れた。

来年どうするか、全然検討つかないな-。まあでも、今年のキャンプも楽しかった。
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投稿者: 西川公平
2019-07-17 18:59

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