2016年2017年に自殺した、出産後1年未満の母親の人数が、92人(1年あたり46人)だったということだ。
それを持って、出産がうつのリスクファクターであると警鐘を鳴らす記事がたくさん書かれている。
(例えばココ「知ってほしい“産後のうつ”~92人自殺の衝撃~」)
https://www3.nhk.or.jp/news/web_tokushu/2018_0914.html
(元データは多分これ:人口動態統計(死亡・出生・死産)から見る妊娠中・産後の死亡の現状)
https://www.ncchd.go.jp/press/2018/maternal-deaths.html
果たしてそうだろうか?私の常識的に考えて、そんなことはありえない。
「妊娠出産って、普通に考えて自殺を減らすよね?」
というわけで、統計を調べてみた。
まずは、文字通り母数を調べないといけない。
2016年と2017年の母親の数≒赤子の数だから、出生数で調べると、976,979人(2016)941,000(2017)だから、合計1917979人で、そのうち92人が自死しているわけだから、0.0048%の自殺率だ。
一方で、出産年齢は、それぞれ異なるから、各年代ごとの出産者人数を出さないといけない。
で、年令・性別によって自殺率も異なるから、それも出さないといけない。
そうすると、出産した人数から、出産しなかった場合のその年代の女性の自殺人数が推定できる。
というわけで、計算しました。
結局その年代のその人数の推定自殺者は、だいたい、、、、91人ぐらいかな?
早くも面倒になってきたので、2016年の分を倍にして、182人ぐらい自死する推定(雑)。
で、推定182人が死ぬはずだったのが、92人に減った。つまりどこからどう考えても、妊娠出産は自殺を半減するイベントだと思われる。
妊娠出産は大変かといえば、そりゃもう大変だ。
一方で、普段から「自殺しようかなー」と思ってる人でも、「いや、でも子供のために生きんとな」と留まる理由が絶大だったりもする。
そして、新生児という、ある意味強制行動活性化装置も直ぐ側にいるわけだから、ネガティブなことを考える暇もないというか、どちらかといえば生活リズムは乱れ、思考は制止し、記憶はあやふやになる。
さらに、そこには相当頻度で家族や専門家の目が加わることとなり、コミュニケーションの総量は増加する。
要するに、妊娠出産時期ぐらいの質量で関われば、自殺者が半減するということもあるかもしれないね
まあそんなわけで、私の中の「普通妊娠出産って、自殺を減らすよね?」という思いは、統計的に確かっぽかった。妊娠出産は自殺を50%程度予防することがわかった。
じゃあ逆に、一体それを自殺のリスクとして押し出す意図は何なんでしょうね?
まあ、だいたい、政治とカネの話になるんでしょうから、このへんで辞めておきます。
参考資料
・
(「知ってほしい“産後のうつ”~92人自殺の衝撃~」)
https://www3.nhk.or.jp/news/web_tokushu/2018_0914.html
・
(人口動態統計(死亡・出生・死産)から見る妊娠中・産後の死亡の現状)https://www.ncchd.go.jp/press/2018/maternal-deaths.html
・
人口動態総覧の年次推移
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/geppo/nengai17/dl/h1.pdf
・
第7表 死因順位(1~5位)別死亡数・死亡率(人口10万対),性 https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/geppo/nengai17/dl/h7.pdf