2007/09/26: 理美容とパニック障害

パニック障害の天敵、理髪店、美容院について

以前から理美容業界の人にパニック障害や不安障害について知ってもらいたいと思っていたが、色々な縁が重なって、このたび県内の理容組合さんの依頼を受け、研修をさせてもらうことになった。

理美容業界の人は「お客さんをいかにもてなし、快適な時間空間を過ごしてもらえるか」についていろいろ努力をされている。日本の理美容業界の快適さにかける努力は世界一だと言える。
ところが、パニック障害の人たちにとっては、その快適なはずの理美容の時間と空間が、不安と恐怖、絶望的な苦痛をもたらすという、逆説的な状況になっている。
そして理美容業界の人たちはそのことを全く知らない。これはとても不幸なことである。

研修のタイトルも
「理容業におけるパニック障害と不安障害への対応について」
という、こちらの意向を通してもらったもので、非常に楽しみだ。

楽しみはいいけど、研修の資料を作らなくてはいけない。
労働衛生週間などもあり、この2,3カ月で20数本の研修をこなしていて、骨が折れる。

しかし、この研修会は自分の方向性とも合致しており、やりがいがあるものだ。
パニック障害に対する知識や理解が少し深まるだけで、大きな苦痛となる理美容がマシになるのであれば、こんなに素晴らしいことはない。

できることなら2時間ぐらい話して、パニック障害の研修修了証などを発行し、ホームページでパニック障害の人達に「ここの理髪店さんはある程度研修を受けているので安全ですよ」と宣伝したいぐらいだが、なかなかそこまでは難しい。
それらについても少し詰めて事前の話し合いなどをしていく必要があるかもしれない。

パニック障害とは何か、ということにはじまり、何が苦痛で、どんなところに気をつければいいのかという情報伝達や理解を促すのはもちろんだ。
しかし精神疾患を持った患者としてのパニック障害者像を伝えたいのではなく、最も理解してもらいたいのは、「パニック障害の人は普通の人だ」ということ。
そこをどう分かってもらうかが難しいところだと思う。
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投稿者: 西川公平
2007-09-26 15:42
カテゴリー: パニック障害

Comments

takashi on 2007/09/27 2007-09-27 21:05

歯科医院なんかもニーズが高そうですよね。

YELLOW on 2011/07/19 2011-07-19 12:54

はじめまして

私も20代からパニックとつきあっています。

先生のこのタイトルをみて知っていてくれるひといるんやーってびっくり!

パニック障害ってすごい誤解あるようで、お店などで発作起こした時に
お店のかたの対応でびっくりしたこと傷ついたこと、何回もありました。

美容院では、カリスマ店長っぽい方にすぐ裏に連れて行かれ、
「あの、ぼく何かしましたか?」って何回も聞かれました。

そしてますます自分を責めてしまい泣けてきた時に、
偶然休憩所から出てきた店員さんが、昔の知り合いで、
何も言わずに頭をぽんぽん、となでてくれました。

たったそれだけのことで、私の発作は落ち着いていきました。
対処法とかというより、ただ、そのままを受け止めてもらった気がして、
救われました。

他のお店では、あわてて全部の窓を閉め始めた方もいました。
うろうろとあわてられ、おまんじゅうをいっぱいつんでもらい、
発狂でもするのかと思われていたのかなあ。
先生の言うとおり、パニック障害の人はふつうの人です。
でも予期せぬとこで、むしろ楽しみにしている美容院みたいな場所でも
やっぱりきます。

そんなときは、そのまま、大丈夫ですよって落ち着いていてもらえたら
それだけで負担が減ります。

私の実話は、もしお役に立つのなら、研修会でもぜひ伝えてくださいね!

先生のご活躍、応援しています!

gestaltgeseltz on 2011/07/20 2011-07-20 10:47

>takashiさん
歯科医の方は別件口腔違和感でもあれこれありそうですね。

>YELLOWさん
はじめまして。
お店の人にちょっと知っててもらってるだけでも、ずいぶん違うと思うんだけど、なかなか難しいですね。
いつの日か滋賀県の理美容学校でパニック障害の授業をできたらいいなーと思っています。

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