2017/11/29: CBT CaseCamp2017 inさっぽろ参加記 西川

 今年もCBTケースキャンプの時期がやってきた。
 これまで毎年滋賀でやっていたが、今年は北海道のチームが引き受けてくれたので、なんと北海道開催。
 時期も11月という事で、海産物もおいしくなりつつある頃合いで、食の大地を堪能するケースキャンプとなりました。

 今回のケースキャンプも去年に引き続き基礎研修会とセットで開催された。というのも参加者の8割は北海道民で、6割は認知行動療法の施術経験がなかったからだ。
でもこれは、逆に考えれば、北海道で普及していない層に認知行動療法の楽しさを伝えることができるチャンスとも言える。
 幸いなことに北海道のチームは認知行動療法の地方勉強会を持っており、月一近く開催しているらしいので、研修会と勉強会が車輪の両輪となって普及を後押ししていくこととなるだろうと皮算用しておく。

 さて、北海道に向かうには滋賀には飛行機がないので、伊丹空港までえっちら電車で行かないといけない。滋賀は陸路的には便利なところだと思うんだけど、空路的には不便なところにある。
 とりあえず札幌の気温を調べたけど、それがどんな寒さなのか。どれぐらいの寒さなのか、どれぐらいの服装をしていけば良いのか、良く分からない。謎のままとりあえず毛糸多めで、背中にカイロを貼って出発した。
 滋賀から伊丹までカイロと厚着のせいですごく暑い。せめて家出るときじゃなくて、空港ついてからカイロにしたら良かった。
 そんなことを思いつつ、割と早めに空港に着いたので、適当に551の蓬莱で昼飯を食べる。定食は意外と量が多くて、肉まんだけにしておけばよかったと後悔。ビールを飲もうか迷ったけれど、これから明日の研修会の資料を作らないといけない身なので、自重した。
 そう、研修会の資料がまだできていない。前日も産業カウンセリングの研修だったし、資料作成に追われていた。
 私の今回のケースキャンプでの仕事は三つで、一つは4時間ぐらいの基礎研修会。もう一つは模擬面接とロールプレイ。そして最終日のコメンテーターだ。
 ほぼ何一つ準備ができてないという男前な状態で、まあでも行き道が長いから何とかなるよねという、結構ダメな感じであった。
 でも、そもそも新大阪までの電車が平日昼間にもかかわらず混んでいて、座って作業できないという誤算があり、空港についてもほとんどできていない。ただ携帯の充電が減った。空港行のバスの中では少しできたけど、バスでやると酔うんだよね~と、あまりできてない。
 そんなわけで、満を持していきの飛行機の中ではやり遂げなければいけない。作り終えるのだ。少なくとも明日の資料だけは今日の夕方までに送らないと印刷が間に合わない。もう印刷担当の方は待っててくれている・・・・。
・・・・はっと着陸の衝撃で目覚めた。気が付いたら、寝ていた。あれ?なんだかすごく眠かったぞ。
これは、あれだな。仕事が嫌すぎて寝逃げしたな、さては。

 千歳空港内はそれなりに暑かったものの、外に出ると一面の雪景色。流石に北海道は寒いな~。
でもまあ、あれだ。もともとは模擬面接で全部説明しようという企画だったのに、参加者に初心者が多そうだから、基本的な部分をつけ足そうとしてて、それで長くなっちゃったんだ。ここは一つ、ありものの資料を編集する感じでばっさばっさやればいいわ。
 一寝入りして気分が良くなったのか、頭が回るようになったのか、あるいはいよいよ追い詰まったと理解したのか、千歳発札幌行きの電車の中では仕事がサクサク進む。
 むかし大阪の専門学校で教えてた時も、よく当日の授業を当日作ってたなー。懐かしい。

 札幌駅も一面の銀世界。結構つるつる滑る。これでキャリーバック抱えて歩くの嫌だなという事で、ホテルまでタクシーで向かう。こんなつるつるの道をタクシーはタイヤを空転させながらもよく走ってるわ。
 ホテルについて、資料のディティールをあちこち弄りながら、ようやく準備物を北海道チームに送る。ふう。ひと仕事終わった。模擬面接と座長コメントスライドは、もうまた今度でいいやという事で、街に繰り出す。
 食べ物に関してはぬかりない太田さんが、Facebookに美味しいお店を記載しておいてくれているのをチェックした。
 さっそく「175DENO担担麺」という北海道のラーメン店にチェックインする。資料を作ること動かざること山の如し、ラーメンを喰いに行くこと侵略すること火の如し。
 175DENO担担麺は山椒ラーメンというか、山椒推しの店らしいので、山椒好きな私は多めで注文。しかも山椒ビールとかいうふざけたビールも頼む。
 食べてみると、、、何だこれは!何たる山椒だ!いや、まてよ?美味い。舌というか口全体が痺れる!けしからん!いや?でも美味い。
 山椒ラーメンがうますぎて、おそらく山椒ビールもピリリとしていたのだろうが、チョコの後で果物喰う気分というか、むしろあんまり分からない。

 北海道の人たちは、今頃頑張って準備しているんだろうなー。私たちも滋賀で合宿する時は、だいたい2週間前ぐらいとかピリピリしているというか、寝られないというか、なんかハードワークになるし、スタッフは揉めてばっかりだもんなー。資料遅くてごめんよー。
 美味しいものを食べてお腹が膨れて満足したので、人間らしさが出て、反省とか後悔とかしておく。でも、もう今日はビールも飲んだし、仕事はしないぞ。

 そんなわけで、夜の札幌の街をさ迷い歩く。
 なんというか、学会などで地方都市を訪れた際は、当てもなく夜の街をさ迷い歩くのが好きだ。どこの店に入るでもなく、建設的というわけではないのだけれど、自分を知る人が完全にいない空間で、その地方の店の看板を眺めて歩いたり、ぼんやりたたずんだり、独りぼっちを満喫した後、ホテルに帰って寝た。

 そんなわけで、二日目。お仕事の一つ基礎研修会の日。
 この日もお勧めされていた研修会場向かいの「三代目月見軒」で昼飯を食べる。
 ここは老舗のラーメン屋らしく、いわゆるニューウェーブ系のラーメン屋ではない、懐かしくもおいしい味がする。偶然料崎さんも食べに来ていたので、チャーハンを半分ずつ分ける。

 いざ会場に入ると、北海道のスタッフの人々と出くわす。おお中本さん、お久しぶり。おお北田さん、初めまして。でも、WEB会議を繰り返してきたから、あんまり久しぶり&初めてって感じでもないな。
しかし、この会場に、80人ぐらい入るのか・・・詰め詰めやな、まあ入るけど。でも、この会場で予定していた3人一組でロールプレイできる余地なんて、全然ないな・・・。
 んー、研修会のタイトルに模擬面接とロールプレイって書いてあるけど、思い切ってロールプレイは省くことにしよう。模擬面接は私がやってけばいいか。他の人にもしてもらいたいけれど、ちょっと余裕がなさそうだなー。

 そういえば事務連絡スライドが無いとのことなので、余ってた時間で事務連絡スライドを作って過ごす。みんな忙しそうだから、働いているふりしなきゃ。
 まあでも、ホントはパワポスライドのデザインをちょっといじろうかと思っていたんだけど、別にいいか。デザイン弄るとフォントもズレて、めんどくさいし。

 そうこうしている内に時間が来て、基礎研修会が始まった。気を使って坂野先生のスライドからパクった資料を交えたりなんかしつつ、行動療法や認知療法の基本的な話をして後、随時実際やって見せて説明したりする。
 最後ロールプレイする時間がなくなるように、入念に要らん話ししながら時間を稼いでいく。質疑応答もそれなりに出てくれて、私の説明不足を補完してくれる。それもいい意味で時間も稼げる。
 「質疑がたくさん出て研修時間が足りなくなりました」とか、言い訳として最高だ。

 私はここ3,4年ぐらい模擬面接とロールプレイをしているけど、それらはもはや空気みたいなもので、別に何を気負う事もなく模擬面接できる。
 まあ、普段やってることやってるだけだから、準備も要らないから楽でいい。
 しかも、実際見せる方が評判もイイ。唯一欠点があるとすれば、ビデオにでもとらない限り、やったことをほとんど覚えていられないという事ぐらいか。
 最後のロールプレイ・模擬面接の時間で、ロールプレイは時間がないので、模擬面接をしますと謝罪しつつ、模擬患者さんを募る。
 川辺さんが立候補してくれて、模擬面接がスタート。後々訊くと「北海道最強の模擬患者」と名高いらしい。
 何かこう、他人には優しくできるけど自分には優しくできない的な患者さん。「他人に優しくするように、自分に優しくすると、かえって他人に優しくできるようになるよ」という風に、しっぽを頭に食わせたブリッジを作り、認知療法の課題を作って終わった。
 困るような難しさのあるクライアントだったのかはよく分からなかったけど、とにかく楽しく模擬ができてよかった。
 川辺さんは患者さんの気持ちに入り込む人らしいので、模擬面接の結果どんな気持がしたのかを患者さん目線で丁寧に語られてて、面白かった。
 なぜか測ってた太田さんによると13分ぐらい喋ったらしい。ちょっと丁寧にやり過ぎたかもだけど、まあ判り易くするためだし、研修時間のケツもだいたいぴったりだし、良いってことにしよう。

 さあ、仕事1が終了した。めでたい。
 という事で、オフィシャルな懇親会その1に「海鮮問屋ヤマイチ根室食堂」という所に連れていってもらう。魚介類旨い。美味い、甘い。
 みんなでアンケートを回し読むと、おおむね好評。結構模擬面接の事が書かれている。これも研修あるあるだけど、まじめに資料を準備して喋った部分より、その場でアドリブで模擬やった部分の方が評判良かったりもする。というか、きっとインパクトが大きいんだろうな。
 でも今回は、基礎の部分も模擬面接の部分も、まあまあのバランスだったので、もっと基礎してとか、もっと模擬してとかの苦情は少なかった。
 楽しく飲み食いして、おしゃべりして、二次会は「British Pub DARWIN」というちょっと進化しそうな店にエスコートされる。
 あんまり何喋ったのかは覚えてないけどOTさんと水中毒をどうやって面白くするかについて喋っていた気がする。楽しかった。
 そんな感じで1日目を終える。


 2日目は、なんとオフの日。木曜祝日に研修会して、土日が合宿という日程が生んだ、奇跡のオフの日だ。仕事なんかするもんか!と言いたいところだが、一応ロールプレイ&模擬面接のコーナーのスライドだけは作っておく。
 基礎研修ではいい意味で時間が足りずロールプレイできなかったので、いい意味でそこのスライドをそのまま流用することにする。

 北海道の太田さんと青木さんたちが忙しく準備している合間を縫って、接待してくれた。男三人でどこに行くよ?とあれこれ候補を上げるも、最終どこもかしこも「男三人で行くところではない」という結論に達して、話が進まない。
 とりあえず昼飯に「回転ずしなごやか亭」という所で、回るけどうまい寿司をたらふく食べる。
 食後に海産物を買いに行きたいとリクエストすると「佐藤水産サーモンファクトリー」という、石狩の方まで連れていってくれる。そこにはありとあらゆる鮭加工品が置いてある。ガサガサ買い込んで、冷凍ものをクール便で送る。これで任務終了。
 あとは、太田さんの城である「さっぽろカウンセリングスペースこころSOFA」を表敬訪問する。なんというか、キャラグッズが多いカウンセリングルームだ。ワンピース3:ドラクエ2:キングダム1:カイジ1:その他4みたいな感じの割合になっている。
 他所のカウンセリングルームって面白いわーとあれこれ物色しまくる。どうやら残りの北海道チームは会場で設営準備を行っているらしく、こんなところで油を売っているのは悪い気がしたので、ヒマだろうと思うCBTセンターの岡村さんと料崎さんを派遣するよう手配する。
 訪問も終わってジンギスカンが喰いたいというと、「札幌成吉思汗しろくま」という名店に連れていってもらう。
 多くのジンギスカン屋が店を連ねている中で、ここは行列ができている。なんでも佐呂間で育成したこれまで冷凍したことの無い生肉を仕入れているらしい。それと海外のフツーのラム肉を頼んで食べ比べてみることにすると、いやもう、肉の旨味も、脂の旨味も全然違う。これは美味い。つられてサッポロクラシックまでうまく感じる。
 その後どうするという事で、太田さんと青木さんの入念な打ち合わせに基づき、すすきのならでは的なお店に連れていかれる。 ~中略~
 お店を出てほっこりしているところに、事例報告者かつコメンテーターのダブルワークをする予定の高橋さんから「管制塔の不備で飛行機が飛ばないので、初日1ケースでコメンテーターは無理」という、おい!どうするよ!的な事態が発生している。
 ほっこりは一瞬でふっとんで仕事の顔になり、代替え案や順番の入れ替えを忙しく検討しだす。
 ふー、何とかなった・・・となって、さてどうしましょうという所で、太田さんお勧めのゴッドハンドがいるマッサージ店に連れていってもらう。
 ゴリゴリと旅の疲れを癒してもらって、ものすごく眠くなった。明日から頑張ろうとホテルに帰って、眠ることにする。

 三日目、マッサージのおかげかぐっすり寝られて、いざ会場へと向かう。朝の歩道はカチカチに凍って、つるつる滑るが、三日目ともなれば滑らない歩き方にも慣れてくる。
 もう会場という所でパソコンを忘れてきたことに気が付き、もう一度ホテルに戻ったのはご愛敬。

 ようやくケースキャンプが始まる。何を隠そう、初参加だ。楽しみ。

 会場ではイイ感じにスタッフが分業しており、特に私がする仕事は無い。なんて素敵なケースキャンプだ!
 そうは言ってもプロジェクターをごにょごにょ弄ってピントを合わせたりして、仕事をしているふりをする。
 第一席はCBTセンターの岡村さんによるケース報告。初グループディスカッションで言いたい放題活発に討議を行う。ケースキャンプ1日目のグループは臨床&CBT歴で割り付けられているので、知らない人ばかりであいさつして回る。
 「行動活性化やエクスポージャーは躁転のリスクがある」などと知った風なことを言いながら、楽しくディスる。
 およそ不安階層表を作るときに、最初からクライアントさん任せにしてしまうと、項目が「どこで・なにを・どうする」という具体的なものにならないし、さらにどうしても不安100の所がぬるくなるから、100点とは何かについてキチンとディスカッションしてから出ないと、CBTの手続き全般が緩くなってしまうという感じだろうか。

コメンテーターの中川さんが空自を代表して管制塔不具合問題についてコメントされていて、会場中が感心する。

 第二席は北村先生のあおば心療内科の白濱さんによるケース報告。ケースキャンプにもよく来てくれて発表もしてくれるとは勉強熱心な方だ。
ケースは、ほぼほぼうつ病のクライアントさんで社交不安の訴えが多い人。うつ病の心理教育をして、うつ病の治療を積極的にしていくことが大事かと思う。
 クライアントさんの訴えというものは大抵陽性の症状が多いけど、このクライアントさんはそんなに訴えない陰性の症状が多くて困ってそう。
 コメンテーターの岡嶋さんがいつになく、かつてなくまとまったコメントスライドを提示される。すごい。

 お昼ご飯は弁当を食べて、いよいよロールプレイ&模擬面接。俺のくじ引きが火を噴くぜ!
 3人一組に分かれてもらって、散らばってもらい、各々ロールプレイをする。タイムキープをして、会場を回って、、、んー、いつも思うけど、ヒマだ。こっそり抜けてたばこなど吸う。
 そうこうしている内にセカンドセラピストまで終わったので、じゃあ模擬面接をやってみましょうとなる。模擬クライアントさんを募集したところ、CBTセンターの岡村さんが挙手される。

 せっかくだから、スタッフの安喰さんに模擬面接をしてもらう。若干疲れて頭が回ってないなりに、それなりに無難というか、ちゃんと観察課題を出す。おお、やり切った。
 もう一丁やってみようという事で、くじを引いて、PSWさんが当たる。CBTやったこと無いと言いながら、それなりに無難に面接をされる。
 むむむ。どいつもこいつも無難だな。イイっちゃイイんだけどな。

という事で、私が模擬面接する。コンテンツを扱うふりしてコンテクストを扱う事で、コンテンツを扱う、みたいな感じで模擬面接する。はい、終了。
 何かご意見ご感想ありますか?とフロアに振るも、しーんとしている。あれ?滑ってる?
 まあ、いいやという事で、二回り目のロールプレイ。なんだかんだやっている内に時間が来て、まとめて終わる。
 事例検討会には事例検討の副作用があって、頭でっかちになるというか、批判家になっちゃうというか、無駄にプライドを高くして実体のない空論を奨励してしまうようなところがある。模擬面接すると、現実のたいしてパッとしない自分に戻れるので、副作用止めみたいなもんだと思う。

 そういう意味では学会の偉い人々は、ちょっと哀れなぐらい批判家として大成しちゃっている。某行動療法学会の中級研修会とか、残念なぐらいディスカッションが成立していない、行くだけ無駄な会だ。

 そんな戯言はさておき、第三席に何とか滑り込みで間に合われた高橋さんがコメンテーターで、札幌鈴木病院の西塚拓海さんが事例報告される。
 んー、何というか、難しそうなケースに対してうまく介入しているし、汎化もしてるからそれでいいんだけど、説明というかちょっとちぐはぐな感じ?感覚派の患者さんに理論派のセラピストが戸惑ってるのか?これはまぐれ当たりに過ぎないのか?でもまぐれで当てられる部分じゃないし??
・・・などと思っていたら、後々訊くとどうやら岡嶋さんがSVしてたらしい。なるほどね。
 高橋さんのコメントはいつもながらまとまっていてわかりやすい。要するに、悩み迷うセラピストをクライアントがモデリングしたことで、衝動的に行動することと両立しない行動パターンを会得したってことかと理解する。

 合宿一日目が終わったという事で、写真撮影。謎のセルフタイマーにみんなやられる。
 いつも何とかなるロールプレイ&模擬面接は、やはり今日も何とかなった。あとはコメンテーターとして適当なことをでっちあげるだけなんだけど、高橋さんはともかく岡嶋先生までまとまったスライドを出してくるとは誤算だ。にわかにプレッシャーが高まる。
 これから飲み会だというのに明日の朝一までに事例を読んでスライドを作ることができるだろうか?いや無理。
 ここは一つ、有園さんが事例発表をしている間にスライドを作るというのはどうだろう?それなら40分も空き時間があるし、多分その時には素面だろうし、何なら資料に無いことも発表で語られるかもしれないから、そーゆーのも盛り込めるし、ナイスアイディアじゃない?
 だったら、PCも会場に置いてきた方が持ち物少なくていいよね。
 しかし、PCどころかスマホを会場に忘れてきたのには参った。何のごちそう写真も撮れないじゃないか。

 ということで、飲み会は飲み会として満喫することに独り決めして、「」オフィシャルな懇親会その2に出席する。北海道の美味しい海産物に羊肉の蒸し焼きなどを堪能しながら、おしゃべりに花を咲かせる。
 いやー、楽しいケースキャンプだなー。いままでケースキャンプを主催してた時は、何をしてる最中も端から端まで注意を分散してたからなー。そりゃ注意資源も種切れになるよ。
 でも今回は、そんなことほとんどしてない。ただただ楽しい。飲み会で―ウィー!!とか言ってたらいいだけの簡単なお仕事。
 一次会、二次会と経て、ホテルで静かな三次会。男子会の下ネタにドン引きする。

 そんなわけで、思いのこす事はもはやないとぐっすり寝た。
 四日目の朝。あまり飲まなかったので、目覚めもスッキリ。もう4日もいるのか・・・と思いつつ、ホテルを出て会場に。
 会場では、昨日の飲み会の疲れか、待ったりした空気が漂う。ケースキャンプ二日目のグループは臨床&CBT歴順になっているので、見知った顔ばかりで、ちょっと退屈。まあでも、一席はコメンテーターだからいいか。
 第四席の発表者の有園さんはいつもの強迫治療を封印?して、IBSの治療事例を発表される。前置きが長くて、どこが大事な点か今一つ分からないので、ベルをチンと鳴らして無駄話を抑制してみる。そっから逆に巻き過ぎてかえって発表全体が早く終わってしまって、悪いことした。
 いやー、しかし、コメントスライド出来上がらんな・・・アニメーションが今一つ決まらん。。。
 という事で、グループディスカッションの時間の半分ぐらいはスライド作り続ける。おお、できた。有園さんはスッキリまとめたいって言ってたし、事実かどうかはさておき、まとめるとこんなもんじゃね?
 今回は習熟度別なので、ピンからキリまでのグループがある分、発展途上グループからスタートして、もう頭打ちグループまで順々にグループの意見を出していってもらう。意見も順々に進化していっていて、なかなか面白い。例年そうだけど、頭打ちの一つ二つ前ぐらいのグループがディスカッションも盛り上がって、良い意見が出る。
 なんか、コメントスライドはコメンテーターのつぶやきとするつもりで、間違ってコメンテーターのボヤキとしてしまっていたので、そこだけくすくすウケる。4枚ぐらいかけて、行動クラスと、非両立行動分化強化と、儀式のコストダウンであっさりまとめて終了する。
 前から思うけど、有園さんはアウトリーチかけていくというその仕事柄、強度行動障害の方に行動形成をせざるを得ない状況に当たって、それなりに上手くやっていなくもないんだけど、有園さん自体が行動形成って思っていないんよね。
 なんというか、エビデンスとか、エクスポージャーとか、粗雑な道具をまだ使っているのかという感じ。そんなわけで、長野の行動分析道場に参加することをお勧めしておく。あそこは反面教師として大変いい道場だと思う。
 有園さんにコメントスライドをくれと頼まれたけど、我ながらまとめが雑なの固辞する。

 うぉー、これで仕事は終わったぜ。なんて楽なんだ今年のCaseCamp!最高だ!

 第5席はCBTセンターの料崎さんが発表する。解離だけにもやっとした発表。患者さんの動機は高そうで、不便は少なそうで、なんかちぐはぐ。
 グループディスカッションももやっととしているというか、妄想ちっくというか、どこか霧の中をさまよっているような話になる。
 まあでも、しっくりこないんだから、なんか語られていない重大な秘密があるんじゃないかなあと、金田一少年の事件簿的な妄想大会になる。
 頭打ちグループに入ってみると、ディスカッションが深まらない理由の一つに、すぐ関係ない雑談を始めるというのがある。朝礼の小学生張りにすぐ違う話しちゃうので、注意する人が必要。

 コメンテーターは元々岡島義さんだったけど、急遽これなくなったとのことで、北海道医療大学の本谷さんがピンチヒッターで入られる。コメントはピンチヒッターという事もあってか、無難かつポジティブな内容。

 さて、昼ごはんという事で、会場近くの今まで行けていなかったスープカレーの店「hirihiri2号店」に行く。スープカレー美味い。辛い。美味い。ひりひりするって程じゃない辛さにしておいたので、美味しくいただく。

 最後の第六席は信州大学の高橋さんが、面接録画を用いた「面接終結時におけるあれこれ」の発表をされる。面接録画は出す方も観る方もとても勉強になるというか、楽しめる。
 若干お疲れ気味な聴衆もがぜん乗り気でビデオ観てる。面接の終結というテーマも面白い。もう強迫や不安症にCBTしたとかいう発表には、飽き飽きだ。
 グループのディスカッションも盛り上がった。グループであまりにもたくさん楽しい話が出たので、最後の総括でフロアにおすそ分けしたら、これは結構ウケていた。
 コメンテーターは北海道認知行動療法センターの北川さんという精神科のお医者さん。おお、お医者さん的ポジショントークだ。まさしく診察場面をほうふつとさせる。
 いや、まあでも、普通コメンテーターのコメントって、こーゆー感じだよね。だから、ノーマルな上ポジと言える。特に偉そうって程ではない。

 そうしてCaseCampの全発表が終わった。太田さんがあいさつされて、次回大会を引き受けられた謎の組織CBT男子会の代表があいさつされて、シャンシャンとなる。
 太田さんお疲れ様でした。多分翌日は泥のようになっていると思うけど、とにかく終わって良かったね。

 終わったーという事で、実は滋賀までの帰り道がギリギリなこともあり、写真撮影終わったら、方々にしゃしゃしゃっと挨拶して(あいさつしきれんかった人、ごめんなさい)、ダッシュで会場飛び出して、タクシー乗り合わせで札幌駅まで向かい、新千歳空港にダッシュ。
 旅程を見直して、あ、まあ、でも空港まではそこまでタイトじゃなかったと思い直し、「えびそば一幻 新千歳空港店」という並んでる美味しそうな所でラーメンを喰う。実際美味い。あれ、でも、デジャブがあるというか、ここで昔食べたことあるな?味を覚えているぞ・・・?

 土産を買って、飛行機に乗って、神戸空港に。
 残念なことにちょっと飛行機が遅れてしまい、家までのタイトスケジュールはますます予断を許さない。 急いで空港ポートアイランド線で三宮まで行き、JR三ノ宮に乗り換え、発車したところで、PCが無いことに気が付いた。

・・・・あれ?

今から引き返すと、終電がない。かといって、今から進むと、PCがない。

あかんやつや、これ・・・。

 とりあえずポートアイランド線の忘れ物センターに電話をかけてみるが、そのような忘れ物は無いと。連絡先の電話番号を伝えておく。

 空港の忘れ物センターに電話するも、営業終了でつながらない。ANA窓口にかけるも、営業終了。
 見つかることを信じて、明日朝に送ってもらうという事で、済ますか。それとも自ら取りに帰ることで、PCが有るのか無いのかをはっきりさせるべきか。

 電車は芦屋についた。

 引き返すべきか、進むべきか。

 ファイナルアンサー?

 ・・・・・電車を降りよう。そして引き返そう。

 JR三ノ宮駅に戻ると、乗車駅降車で引っかかる。事情を説明すると、芦屋までの往復料金を取られる。

 ポートライナー空港行に乗って、車内を一通り見て回る。もちろん無い。
 私の記憶では、最後に観たのは飛行機の中だから、飛行機の中に忘れてきたんだろう。

 神戸空港に到着。既にANA窓口も、他の窓口も誰もいない。総合案内も誰もいない。ていうか、誰もいない。がらんとした空港。

 「落ち着こう。まだ焦るような時間じゃない」とばかりに、自販機で飲み物を買う。

 1Fに行けば誰かいるかもしれない。

 1Fには、ゲートの向こう側に、2人ぐらいお客さんがいた。売店にも店員さんがいた。でもそれだけだ。

 ゲートには、「何人たりともこの門を逆走するな。法律がそう言っている」みたいな文言が書いているし、こっちからは開けられない。

 うーん、困った、どうしよう?このままだとPCも見つからず、家に帰ることもできないという、まさに虻蜂取らず。

 そうこうしていると、警備のおっちゃん歩いてきた。これだ!

 「かくかく、しかじかなんです」と説明すると、あー、革のバックやろ?とすぐ合点がいった様子。どうも飛行機の中で見つかったのを何度か放送で流してくれていたみたいなのを、聞いていてくれていたみたい。
 「ANAの人を呼んでくるから待っててなー」と言われて、一安心。
 今度は帰りの足か宿かをどうやって確保しようかと算段する。

 良いことは重なるもので幸い、最終行程の部分を助けてくれる優しい人が見つかる。これは助かる。家に帰れる。

 そんなこんなで、無事に帰ってきて、まさにそのパソコンでこの文章を書いています。

 これまで自分だけが遊べない遊園地みたいな感じのCaseCampでしたが、実際遊んでみると楽しかったです。みたいなお話し。

 最後になりましたが、北海道のスタッフの皆さん、ありがとうございました。食の大地を超満喫しました。
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投稿者: 西川公平
2017-11-29 16:56

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