2016/01/18: ‟これがないと〜できない”からさよならしませんか? 〜認知行動療法で抗不安薬を減薬する方法〜

「薬がないとどこにも行けない生活を変えたい」「自分で不安に対処できるようになって、薬がなくても生活できようになりたい」「いつも薬を持っているか気にしている生活はもう嫌だ」などとおっしゃり、当センターでカウンセリングを希望される方がいらっしゃいます。

不安や恐怖、〜に行けないという困りごとで医療機関を受診するも、「とりあえず生活が送れるように抗不安薬を出しておきましょう」ということで処方がスタートし、そのまま病院に行かなくなるというケースも多いように思います。
一方で、治療において抗不安薬が必要とされていた状態から、徐々に減らしていく方向で主治医の先生と話し合われ、当センターに来所される方もおられます。

今日は「認知行動療法で抗不安薬とさよならする方法」について、書いてみたいと思います。

※減薬は主治医との相談の上決めるのが望ましいという前提があることを始めに申し添えます。

「さよならする方法」と書きましたが、何か特別なやり方をするわけではありません。
普通に、「エクスポージャー」をするだけ。エクスポージャーとは、不安に自分自身を曝(さら)して、不安に慣れていく方法のことです。認知行動療法の代表的な技法の一つで、不安や恐怖、回避をテーマとする困りごとに用いられる代表的な方法です。

抗不安薬がないとどうなってしまうと思うか、それがどうして怖いのか・・・
何がどうなってしまうことが怖くて、抗不安薬を持ち歩くのか、服用するのか、お話を丁寧に伺って、まずそうしてしまう理由を整理していきます。そして、薬を持ち歩く、服用する行動が続く仕組みを一緒に理解します。

仕組みが共有できたら、あとはもう不安に曝していくステップへ。
その方その方で異なりますが、「不安階層表」という不安な場面ごとに点数をつけた表を用いる場合もあります。できそうなところから慣らしていくのです。

また、長年抗不安薬を服用することによってしみついてしまった、「私は薬がないと不安に耐えられない」などの自分に対する思い込みを検証するやり方もあります。薬を飲まずに or 薬を持たずに出かけてみて、その思い込みがどのくらい妥当なものなのか実験を通して検証するというわけです。

怖いことが起こらないように、薬を飲んだり、避けたりすることは、いわば先回り不安で、実際のところどうなのか検証することや、本当はちゃんと不安と付き合っていける自分がいることを知る機会を奪ってしまいます。

誤解がないようにお伝えしなければなりませんが、必要な薬であってもやめていきましょう、というPRではありません。
本来付き合っていける、慣れていける不安を、無理矢理薬でコントロールしている状況から自由になりませんか、というお話です。

そういった疑問をお持ちの方はぜひ主治医の先生に一度ご相談ください。そして、相談の上、「減らしていけたら・・・」となった場合、当センターの認知行動療法でご対応可能です。
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投稿者: 栗原愛
2016-01-18 15:31
カテゴリー: 雑談

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