休職者に対する認知行動療法の介入成績について

CBTセンターを訪れた休職中のクライアント80名に対して、認知行動療法による介入を行いました。
その内紹介状などによって、医療と連携できていた方は、46名(56%)でした。

紹介状に記載されていた診断名は多い順に「うつ病・うつ状態(29%)」、「双極性障害(14%)」、「適応障害(4%)」、「不安症(4%)」などでした。ただし診断名には重複があります。

80名の中で5名は1回で来なくなりました。2回以上来談されたのは75名で、今回はその方々を対象に分析を行いました。
なお、EAP等契約に基づく産業カウンセリングのクライアントさんや、最初から失職中だった方の相談は分析の対象としておりません。

休職状態でCBTセンターに来談されるクライアントさんの6割近くは医療従事者に勧められてきています。自らインターネットなどで探してくる人が4割を占めます。
復職達成者に対する平均カウンセリング回数は8.7回でした。これは、金額にして約50,000円です。
要した回数の幅は、1回の人もいれば、40回以上の人もいます。

休職者に対する認知行動療法の介入成績について

休職者に対する認知行動療法の介入成績

グラフでは、左が別の職場への方向性、右が元の職場への方向性を表し、青色矢印が社会機能の向上、赤色矢印が不変や低下を指しています。
つまり64%の方が休職した職場の方向に(グラフ右)、36%の方が休職した職場ではない方向(グラフ左)に進んでおられます。
CBTセンターにてカウンセリングを受け、元の職場に何らかの形で戻れた方は46%、別の職場に再就職できた方は12%と、約6割の方が再び働くことができるようになりました。
一方で、カウンセリングを受けたものの、休職したままの方、辞職したけれど働き口の無い方が、約4割おられました。

その他結果、休職者に対する介入まとめ

復職した/していないにかかわらず、うつ症状のアセスメント(BDI:ベックうつ調査表)の平均値は、CBTセンターに来る前に比べて改善していました。(中等症⇒軽症)
同じく復職した/していないにかかわらず、社会機能に関しても、ほとんどの方に改善がみられました。(ひきこもり⇒何らかの活動ができるように)

ほぼ全員がメンタルヘルスの問題で心の医療機関にかかっておられる状態で、CBTセンターに来られています。
「精神科・心療内科にかかっているから、カウンセリングは受けなくても良い」などと思わず、良かったら相談してみて下さい。6割がたは良いですよ。

CBTセンターにおける認知行動療法の介入成績について

各種カウンセリング

CBTセンターでは利用する様々な人のニーズに合わせて、各種サービスを提供しています。
滋賀県・京都府内はもちろん、大阪、兵庫、三重、奈良、岐阜、福井あたりの滋賀近辺の近畿・関西あたりからもお越しいただいています。お気軽にどうぞ。