認知行動療法を始める前に(セルフ編)

認知行動療法(CBT)を自分で使っていく際、事前にどのような準備が必要でしょう。
ここでは自分で認知行動療法を使う際に準備するべき事をいろいろ書いています。

基本的な余裕のチェック

認知行動療法に取り組むには、ある程度の時間やエネルギーが必要です。本当に余裕がない状態ではなかなか何か新しい事に取り組むことはできません。
あなたの生活を振り返ってみて、自分は認知行動療法という方法を生活の中に新しく取り入れていく余裕があるかを考えてみましょう。
もし主治医の先生がいらっしゃるなら、主治医の先生に基本的な余裕のチェック(認知行動療法に取り組めるか)を聞いてみるのが良いと思います。

紙と、ペンと、書き物机。書く時間を用意する

認知行動療法は基本的に「書く治療法」です。
本を読んで頭の中でやっていても効果はありません。「書く」という行動が思考を変え、ひいては気分を変えていく効果には素晴らしいものがあります。
最近ではパソコンを使って打ち込むというやり方もありますが、その方法に慣れているのであれば基本的にはOKです。しかし、よほど慣れている人でなければおそらくプリントアウトして読み返した方が良いでしょう。紙面をみるようにパソコン画面は見れないものです。

取り組むための時間を決めておくのも効果的です。「夜の歯磨きの後」、「家計簿付けたとき」、「昼の休憩時間に簡単にメモを取って、帰り道に電車でまとめる」など、現在の日常生活にある定期的な時間やその後にセットする事でより習慣化されます。

周りの人に「認知行動療法を始める」ことを伝える

もし主治医の先生がいらっしゃるなら、主治医にはその事を伝えましょう。また理解のあるご家族などにも「こういう事を始めようと思う」などと伝えるのが良いかもしれません。
誰か協力してくれそうな人がいる場合は、お手伝いを頼むのも良い方法です。もちろん認知行動療法の専門家であるに越したことはないですが、基本的に認知や行動は自分のことだと客観的に判断しづらいものですから、善意の第三者であれば誰であっても助けになります。

自分に合いそうな本を選ぶ

セルフで認知行動療法をすると言っても完全に自分独りですることは不可能です。
幸い様々な出版社から「自習本」、「セルフヘルプ本」というものが出ていますから、それらをご参照ください。
何冊かの中から自分に合いそうだなと思う一冊を選ぶのが良いです。
「セルフヘルプで認知行動療法を行う人のための推薦本」からも本を探すことができます。