うつ病

ネガティブな考えを分散する(思考分散法)

ネガティブな考えを「その一方向に考え続ける」という方が結構います。
あるネガティブな考えが、別のネガティブな考えを呼び、さらにネガティブな記憶がよみがえり・・・と、デフレのスパイラルのようにどんどんと深みにはまっていきます。

ちょうど頭の中の「ネガティブ袋」を開けてしまって、その中から次々に何かを取りだしていくように、どんどんとネガティブな世界が広がっていきます。

そういった状態ではある一方向性の考えが不必要に「真実味」を帯びてしまうので、しばしばどこまでが客観的な事実で、どこまでが主観的な思考なのかの区別もつかなくなります。

そこで、この考えを分散するという技術で”客観的事実と主観的思考の区別”や”思考の相対化”などを行っていきます。

シンプルにいえばそれは「同じ状況で何か別の考え方はありませんか」に代表される問いかけの答えとなります。
これらはその人それぞれの切り替え方があるので、いろいろな問いかけ方法が試されています。
例えば、
「その状況で特に落ち込まない人がいるとすれば、その人はどんな風に考えるんでしょう」
「もし上手にやっている友達がいれば、どんな風に考えていると思いますか」
「別の可能性はありませんか」
「足早に立ち去った理由が『あなたを嫌いだから』でないとすれば、他のどんな理由が考えられるでしょう」
などなどです。

このように、いつもの方向ではない考えを導き出す問いかけを「ソクラテス的対話」と呼びます。
必ずしもポジティブな考えを出す必要はありませんが、方向性が異なっている必要があります。

しかしいつもの方向ではない考えを頭からひねり出すのは、慣れていないこともあって最初難しく感じるかもしれません。
「違う考えなどは考えられない」とあきらめられることもしばしばですし、違う考えの方には説得力を感じられないこともよくあります。

認知のゆがみという言葉がありますが、単独の「認知」に問題があるというよりは、ずるずると芋づる式にネガティブな方向に考えを展開していく”ベクトル”にこそ困りごとがあるのだと考えられます。
ですからこの「思考の分散」では、ある一方向の思考が出た時に、それをきっかけにどんどんネガティブな方向に思考が展開されるのではなく、別の方向性に思考を分散していくことが練習課題として出されます。

この思考の分散は、練習すればそれなりにできるようになります。

その結果、あまり後々まで長時間ネガティブな思考を引きずらないようになってきて、生活が便利です。

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