学習性無力感とうつ病の類似性

学習性無力感(learned helplessness)とは、動物を逃れられない状況(鎖などでつなぐ)において、いやなストレス(電気ショックなど)を与え続けると、最初はその動物は逃れようとあがきもがくわけですが、だんだんどうやっても逃げられないと分かってくるにつれ、一切の抵抗をやめて不活性状態に移行します。

興味深いことに、いったん学習性無力な状態に陥った動物に対して、その動物の「逃れられない状況」を解除(つないでいた鎖から解放)した後も、いやなストレスから抵抗したり逃れたりすることをせず、ずっと不活性な状態を保ち続けるのです。

このことは行動療法的には「自らの自発的行動が環境に対して望ましい影響を持たなくなったので、行動の自発性そのものが低下した状態」と定義します。

これを人間のうつ病に当てはめて考えているところが理論的背景です。

しかし、これらの理論はかなり古い行動理論に基づくものであり、今日ではいろいろな批判があります。
はっきり言えば、うつ病は学習性無力感では十分に説明されません。

例えばうつ病の生物学的な訴因について無視しています。うつ病発生における生物学的な側面について何も説明になっていません。

しかし、それら理論的な誤謬や批判があっても、なおこの概念は臨床上使用可能なところが残っています。

例えばうつ病が長期化・慢性化したうつ状態において、二次的にこの学習性無力感と類似の状態になっており、そのことがますますうつ病を治りにくくしているということもよくあります。

そのようなときに、行動活性化技法で回復の糸口を見つけることはよくあることです。

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