患者さんの手記ですが、中々いい事が書いてあると思い、抜粋。というか、コピペします。
例えばこれを書いたのが躁的な時だったとしたら、
「ひゃっほう!俺ってなんてサイコーに役立つ文章を書くんだ。こんな素晴らしく真に迫った文章書けるの俺ぐらいだ。てか天才?これで出版社から『手記を本にしませんか』とか依頼来ちゃったらどうしよう。印税生活の始まりかよ。うっはー。とにかくこの記事書いた事を知りあい全員に自慢しなきゃ」
と電話やメールしまくりでしょう。
逆にうつ的な時だったとしたら、
「・・・何この文章。ていうか己の恥をこんな公共の場にさらして、最悪。俺ってなんて恥知らずで情けないんだろう。こんな駄文が誰かの目にとまったら、どう考えても人間のクズだとしか思われない。記事を消したい、というか自分が消えたい」
という風になるでしょうし、なかなか厄介なことだと思います。
かつて「躁うつ病患者の生存手引き」(下記)から参照していましたが、今はなくなっている模様。・・・生存??
http://anond.hatelabo.jp/20101016114205
2019/4/13 薬のところは間違っていたので、修正しました。
****以下抜粋(薬物のところのみ改変)****
気持ちはよーくわかる。何故なら俺も躁うつ病だからだ。
とゆーわけで誰かの役に立てばということでこんなことかいてみる。
ちなみに、当方現在リーマン。躁うつ病患者にありがちなことに、高校大学ともに一回中退してる。
鬱レベルは大したことないが、躁レベルはそこそこ高く、ふと思い立って借金して海外生活を始めるレベル。
1、日記をつけよう
躁鬱というのは躁と鬱を行ったり来たりする病気である。
躁の時は
「マジ俺ドラゴンボール集めて世界の覇者になれるんじゃねーの?カンボジア辺りにあるんじゃねーの?」
とか思ってリアルにカンボジアに行ってしまうし、
ひとたび鬱に入ると
「生きる価値もないゴミムシです、俺を殺して5匹のワラジムシを代わりに生かすべき」
とか真剣に考える病気です。
しかし、近年は鬱や躁を抑える薬が出ているので、血液検査で有効血中量をキープしながら気分安定薬飲む(+抗精神病薬で欝をマシにする)で基本的には間違いありません。
色んな説があるけれど、個人的に双極性障害(=躁鬱)というのは遺伝的・器質的なもので完治はあんまりないと思った方がいいと思います。
母親も祖母も躁鬱でどっちも自殺してるんで、なんとなくそんな気がする。
そーいうわけで、基本的には現状把握こそが何より大事だということを頭に叩き込むべき。
これはどうすればいいかといえば、日記をつけるしかないです。
鬱は単純に体調・気分が最悪になるので本人にもすぐわかりますが、スカーっと脳が晴れ渡って万能感に支配される「躁」は、まず自分では気づけません。
どこで気づくかといえば、睡眠時間のリズム。
人によっては食欲。だから日記は「睡眠25時→7時、食事朝カロリーメイト、昼ラーメン、晩焼き魚定食」みたいに必要事項だけをサクっと記入しておけばオーケイ。
もし暇なら睡眠時間と食欲の変化グラフをつければ、あなたの躁鬱の波がはっきりとわかるはず。
鬱の時は10時間とか寝てるし、躁になると2時間寝てないみたいにわかりやすい。
これで、睡眠時間が減ってきたら下げ、増えてきたら上げる。
これが人生の基礎になります。
自分がどんな波を持っているのか理解しておいてください。
日単位で変わるラピットサイクラーには対応出来ないかもしれないけど。
2、警戒すべきは鬱ではなく躁
「死因・躁鬱」ってことはまずないです。
躁うつ病患者が死ぬときは、躁で空を飛び回った後垂直落下して自殺するパターンが多い。
というのは、もちろん病態として躁の波が大きければ大きいほど鬱の落下も激しくなる、というのもあるんですが、躁のときに「やらかした」ことを鬱の時に受け止めるハメになり「死ぬしかねぇ」になるパターンが多いです。
躁が終わった後借金の請求書の前で自殺を検討した俺が言うんだから間違いない。
つーわけで、とにかく鬱はしょーがないものと受け容れて、躁を抑え込むことに全力を費やしましょう。
・薬を使ってきっちり寝ること。
・躁の時は全ての判断を保留すること。
・酒を控えること、適度な運動。
とにかくこれしかないです。
3、躁をどこで発散するか
躁スイッチがオンになると、マジで全身がムズムズします。
会社に辞表を叩きつけてユーラシア大陸横断しようかなぁ、とか真剣に考え始めるわけですよ。
これは適宜発散しないとマジやばいです。
俺は「持っているものを捨ててどこかへ旅に出てしまう」タイプの躁人間ですが、
友人には「買い物フィーバーを起こす、免許もないのにハーレー買った」
とか、
「危うく都内に家を立てるところだった」とか「オーストラリアの炭鉱で露天掘りをしてきた」
とか、色んなヤツがいます。
俺自身も、高校中退→旅に出る、大学中退→旅に出る、と人生で二回やらかし、二回目では借金が200万以上出来ました。
なんとか人生立て直して今に至りますが、マジこれはシャレにならない。
結局、これを抑え込むには運動くらいしかないです。
「酒」ってタイプもいるけど、こっちはオススメしない。マジでアル中一直線なので。
他に、「創作活動をする」なんてのもオススメ出来るかもしれません。
ジムでガシガシ筋トレするとか画材買いこんで絵を書くとか、小説書くとか漫画書くとかそういう躁の時のための趣味を持っておくのが大事です。
4、金銭面でのパートナーを作ろう
躁鬱野郎に金銭管理能力は無いです。誰かに管理してもらわないと、あなたはいつかカネでやらかします。
つーわけで、既婚者・もしくは恋人がいる人はヨメ(ダンナ)に口座の管理をしてもらい、自分の口座には10万以上いれないことにしましょう。
基本的にお小遣い制度じゃないと、我々は上手く生きていけません。
そして、金遣いの荒さを観測してもらい、向こうの判断で薬を飲むなり病院に行くなりしましょう。
俺自身も(躁鬱病患者にありがちなことですが)非常に結婚が早く、二十歳そこそこで結婚して以来全てのカネの管理はヨメにやってもらってます。
給料が真っ直ぐヨメの口座に入るようにした方がいいかと。ヨメなんていねーよって人は親ですね。
もちろん、「ヨメに使い込まれたらどーするんだ」とかそういう疑問があるのは当然なんですが、そのリスクを勘案に入れても尚やった方がマシです。
躁鬱病患者の金遣いの荒さはマジで異常なので。
他、薬の管理も俺はヨメにやってもらってます。
オーバードーズで胃洗浄はもうイヤですから。
5、友人にカミングアウトしよう。
早めにやっといたほうがいいです、これ。
というのも、躁が強めの躁鬱病患者は「破天荒な面白い人」と周囲に認定されているパターンが多く、場合によっては一種のホーリー・フールとして変な尊敬を勝ち取っている場合さえあります。(これを中島らも型亢進と呼びます。今作ったけど)
この状態は、物凄く病気を悪化させるのでさっさと周囲に打ち明けて「俺こーいう病気やねん、やばそうなら止めてくれ」と言っておきましょう。
躁の部分に変なアイデンティティを持ってしまうとえらいことになります、というかなりました。現在俺は会社以外のほぼ全ての人間関係に自分は躁鬱だとカミングアウトしているので、しょっちゅう「躁臭いから薬飲めよ」という忠告をいただきますが、これくらいの状況だと結構躁は抑え込めます。
6、躁鬱の波を乗りこなそう。
躁うつ病患者にとって、人生は常にサーフィンです。
しかし、躁の波は上手く乗りこなせば中々良い結果を生むことがある。
これを使いこなして人生なんとかするのが基本です。
躁というのは抑制して乗りこなせば、単なるエネルギーの奔流に過ぎません。
ここまでたどり着けば、躁鬱は個性(キリィ!となれます。大学受験のとき、就職活動のときにたまたま躁がかぶっていい結果を出した俺が結果論でほざくけれど、躁のキチガイじみたエネルギーを乗りこなせば、人生は結構這い上がれる。
そういう意味で、躁は病気と言うよりは個性と呼んだ方がいい面もあります。
とにかく、自分の状況を見極め、適宜調整し上手く生かしましょう。
躁鬱病患者のラリった集中力・行動力のいい面だけは美味しくいただける状況に自分を持っていくのを目標にして、前向きに躁鬱ライフを生き抜きましょう。借金はするなよ!