2007/06/13: 社会不安障害②

社会不安障害の治療についての雑感

逆説的になるが社会不安障害の治療というのは存在しない。
そのメインの理由はCBTが「社会」なる概念を治療の要素として採用していない事と関係するだろう。
つまりCBTでは「今/その人が/どの状況で/何に不安や恐怖を感じているのか」を同定する事と、「それらの状況誘発性の不安恐怖を何とかする為にはどんな方法をとるべきか」について扱う事なら可能だ。

そういう意味では「社会」なる不安を、具体的な何かに落とし込んでいく過程そのものが、CBTの治療プロセスだろう。

しかし不思議な事に、ようやく同定して「さあ次回から再学習のプロセスに入ろう」と思っている矢先、次回にはそのような不安が消失している事がある。なくならないまでも、既に本人が何らかの不安への消去を試みている事がある。
幽霊の正体見たり枯れ尾花ではないが、不安というものは同定される事で、その機能を無くす時がある。

そういう意味では行動・機能分析というものは単なるアセスメントではなく治療的な要素を持っている。
特に開業して、それなりに健康な面をお持ちの来談者さんたちは、行動・機能分析をするだけで、あとは自分でやっていける人が多い。
という事は、この行動機能分析をいかに自発的に行ってもらうかに工夫をする事で、さらに効果を高める事ができるかもしれない。
むやみに治療者が治療者づらせずに、ただモニタリングしてもらうというのが最も対象者さんからコントロールを奪わずにすむ方法なのだろうか?
病的な人には普通にイニシアチブをとっている心理教育や行動機能分析にしても、それほど病的ではない人にとっては十分自分でこなせるものだとすれば、いらないお節介をしてしまうはめになるかもしれない。
投稿者: 西川公平
2007-06-13 13:53
カテゴリー: 社会不安障害

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