2010/04/05: 「家族と会話がない」という悩みについて

開業カウンセリングには「会話が上手くできない」という悩みを抱いている方が、思っていた以上にいらっしゃいます。
職場の人や友人と、という赤の他人と話せないのであれば社交不安という事もあるでしょうし、そういう人も確かに多いのですが、今回は「家族と会話がない」という困りごとのお話。

それぞれの家族の形態は、妻と夫、母親と息子夫婦、母と子、などなど様々なんですが、とにかく会話が無いという事に関しては一貫している。

きっとこの世の中には数多くの会話がない家庭があり、
そのうちの何割か、会話がない事に”悩んで”いる家庭があり、
そのうちごく少数が、「それを誰かに相談しよう」と思い立ち、
何かの偶然でうちのカウンセリングルームに来るレアなケースがある

・・・のだろうと思いますが、それでも結構多いなあと思う。

医療機関に勤めていたころは、あまりそういった悩み事がカウンセリングに回ってきた事は無かったのですが、やっぱりそういった問題は病気じゃないからでしょうかね。

さて、どちらかと言えば家族の問題に関しては家族療法を参照にしがちな私ですが、家族療法の人たちが良くやっているような解決のあれこれを書いていきたいと思います。
とはいえ、これはカウンセリングで色々話しをした中で、何かの理由でその解決法に至ったのであって、そうすれば誰もが上手くいくというようなものではないです。

家族1
50代母・30代娘の二人暮らしに、母親が再婚する事になり、家族に50代義父が加わった。ご飯時などに何とも気まずいというか、会話が無い状態なので何とかしてほしい。
→あれこれ話を伺う
→介入「夕食後に三人でトランプ(ババ抜き、7並べ、など)をしてもらう。」
→気づまりな状態が無くなった

家族2
30代夫婦と子供の三人暮らし。ここ1年ぐらい夫婦で会話をしていない。話をする時は子どもを介してのみ。子供も変に思っている。
→あれこれ話を聞くと、最後に話したのはドライブの最中。
→介入「毎週少し遠い所に家族で外食する。その行き帰りの道すがら、夫婦でしゃべる」
→ドライブ中はしゃべれた。家でも多少しゃべれるようになってきた。子供の機嫌も良くなった。

家族3
30代女性。ここ5年ぐらい夫と会話をしていない。離婚したいと思う。
→・・・離婚するには、まず会話をしないといけないですね・・・とあれこれ話す
→介入「ある特定の事柄について、ちょっとだけ話をする」
→久しぶりに夫婦で大ゲンカをした。夫と別居する事になった。今はそんなに苦痛でなくなった。


他にも色々とみていますが、結局のところ「家族で会話がない」という困りごとは、短期に(5〜6回で)、それなりに、解決に至っています。
その理由はおそらく、「家族で会話がない事を相談に来る」という時点で、半分以上解決がなされているからです。

まあしかし、確かに親しい人と会話が無いのは、その方と接する時間が長ければ長いほど、関係が深ければ深いほど、ある種の人々にとってけっこう苦痛なのかもしれませんね。
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投稿者: 西川公平
2010-04-05 20:40
カテゴリー: 様々な困りごと

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