06/13: アスペルガー障害とCBT①

アスペルガー障害と認知行動療法について書いてみます。

パニック障害や解離性同一性障害が新しいように、アスペルガー障害が新しい感じがする。
新しいというのは、前は無かったという意味ではなく、今までの困りごと群の中から新たな1群として抽出されつつあるという意味で。

色々な勉強会などでケースを見たり、文献を読んだり、診断されている子どもさんと接するにつれ、大人のアスペルガー障害の方について徐々に弁別ができるようになってきた。
もちろん大人のアスペルガー障害を確定的に診断する事は非常に難しいので、出会う方は全て「アスペルガー障害の可能性」の人達になる。
ホン等に厳密な診断を下したりすることは、かなり労力を要するわりにほとんどメリットがないし、そもそも心理士は診断下す人じゃないし、まあ微妙です。

アスペルガー障害そのものにCBTを入れるという事は考えづらいが、1軸的な症状、例えば強迫症状であったり、パニック症状であったり、怒りの爆発であったり、対人的なコミュニケーションのとりづらさであったりには、とりあえずCBTを適応している。
CBTの入り方や進行具合は、定形発達少し妙な感じもするんだけど、適応は悪くないなあと思う。
最初のうち1軸的な症状を改善しても、次から次へと症状が移り変わっていくだけで、結局安定しないのでは無いかという心配があった。
しかし1軸症状を取り去るだけでずいぶん生活が安定して、しかも思っていた以上にしっかりしているような気がする。
なんというか、妙な混乱が彼らのなけなしの適応能力を低めているけど、それなりに適応能力ある場合は、とりあえずその混乱を鎮めるのが第一優先かなぁと思う。
まあ長いスパンで見られている訳では無いから、判らないんだけれど。
なんというか、そりゃあ色々考えがユニークだったり、行動がユニークだったりはするわけですが、それを揚足取りみたいに1から10まで変更していくわけにはいかんし、「変な人やなぁ」ぐらいのところでそれで良いじゃないかとしておきたい。
いかなCBTでも変な人の”変さそのもの”にアプローチできるとは思えない。多少の目立ったところは適性向上するにせよね。

そんなわけで、発達障害があろうが無かろうが、おおよそやる事は変わずCBTだというのが、今のところの感想です。
まあ、CBTしかできないってのもあるけどね。

ちなみに施術していて感じた特徴は以下の通り
1、合理的思考を自発的に出すか出さないかに関係なく、認知の変容が起こる
2、変容が起こるまでは強いこだわりを示していた認知や行動も、変わるときはがらりと急激に変わる
3、安定は意外と長持ち
4、PDDを勘ぐった時点で色々聞くと、隠し玉のように後から症状を発見(例えば、幻覚、妄想、解離、etc.)
5、隠し玉のように何か重要な情報を伝え忘れている(多分伝えるべきと思ってない)場合もあるので、家族とかにどんな生活の不便をもっていそうか、訪ねてみたほうが安心。
投稿者: 西川公平
2007-06-13 00:45
カテゴリー: 広汎性発達障害

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