2007/06/12: ::認知療法・行動療法について:: について その8

2ちゃんねるの::認知療法・行動療法について:: スレッドを見て思った事を1日5つ言及してみるスレッド. なるべく是非を問わずに、利用者からの疑問に答える形で進めたいと希望している。現在816〜まで。

Q36、認知療法やってると、自然にトラウマとかどうでもよくなってこない? 自分の場合そうだった。思い出すことはあるけど辛くないっていうか・・・時間の経過のおかげか認知療法のおかげかはわからないけど。
A36、現在の生活の中でいろいろな事が苦しく不便な時には、たくさん過去の嫌な事を思い出します。それは現在嫌な状態なので、脳の嫌な事を考える部分が発火しており、それが関連付けて過去の嫌な事を考えさせているからです。逆に認知療法で現在の生活が安定してくると、あまり発火しなくなり、「嫌な記憶の思い出し」も減ります。そのような落ち着いた状態で、必要があれば過去の嫌な記憶の再構成を行えば、楽に取り組めると思います。

Q37、認知療法を使うカウンセラーが運良く見つかっても、手放しでよろこばない方がいいかも。結構いいかげんな人もいっぱいいるから。
A37、認知療法を使う使わない、カウンセラーかそうでないかに関わらず、一定の割合でいい加減な人がいます。良い施術者がみつかるといいですね。

Q38、CBTをする人の中には修行中の大学院生、臨床心理士の試験に落ちちゃうぐらい勉強不足な人、いろいろいます。認知療法家としての経験・経歴などもストレートに聞いていいと思います。
A38、経験・経歴を聞くというのは面白いですね。いつの日か心臓外科医のようにそれがカウントされる日が来るのかもしれません。まあでも、そういう事を疑問に感じさせるというのは、よっぽど酷い施術者なのか、よっぽど疑り深いのか、どっちかですね。

Q39、エクスポージャーの例「見知らぬ人に「たった今精神病院から退院してきたのですが、今何月なのか教えてください」と言う。バナナにひもをつけて散歩しながら、それにまたバナナをエサとして食べさせようとする。」
A39、「恥をかく、恥をかかされる」という事に関してとても敏感で「恥=死」ぐらいに考えている方にとっては、なかなか強烈な治療だと思います。クラクションをたくさん鳴らす患者さんがいて、その方は「他の車になめられてる」と思うと、猛烈に腹が立つので鳴らしてしまうそうです。怒りと恥は隣りあわせってことで。

Q40、姿を見るだけ声が聞こえるだけで嫌になるほど嫌いな人がいるんだけど、昨日そのことでまた良くない感情に捉われたのでこの療法をやりました。
何かその人を嫌いな理由が全部自分に対する絶対要求だったんですよね。謙虚じゃなきゃいけないとか、失礼なことをしたらいけない、育ちが良くなければいけない、顔センスが良くなければいけない・・・
うすうすはわかっていたんですけど、あらためて文字にすると感慨深いものがあります。紙に書いたり、電子文書でも、文字にすると考えが自分から離れるので、ある程度客観視できていいですね。
A40、それは「セルフモニタリング」です。セルフモニタリングこそ最良の認知再構成法であり、最良の暴露反応妨害法です。
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投稿者: 西川公平
2007-06-12 18:53
カテゴリー: 2ちゃんねる

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