2009/02/14: 認知行動療法を習うという事

師匠とか、弟子とかの話し

時々「誰から認知行動療法を学んだのですか?」と尋ねられることがあります。

誰から学んだのかはとてもビミョウというか、少なくとも学校で習った事は一度もないので、どこかの学閥に所属しているわけでは無いのです。
学会なんかではそれぞれの先生の下にそれぞれの弟子が金魚のフンみたいにくっついてて、一人ぼっちの私はうらやましくもなくはないのです。
ちなみに大学で習って役に立ったのは学習心理学ぐらいです。
そのころは「不安」とか言わない徹底的なスキナリアンでしたけど、今はコウモリな感じにこなれてきています。

良く行く勉強会として京都認知行動療法を学ぶ会があり、井上和臣先生の話からはちょくちょく盗んでいるなあという感が確かにあって、誰から習ったかといわれると井上先生からの影響は大きいと言わざるを得ません。
しかし「弟子か?」といわれると、向こうも迷惑だろうというか違うかなという感じです。

原井宏明先生にも色々習っている事は多くて、なんせ認定行動療法士のときのケースレポートを見てもらいましたし、日本で現在開催されているワークショップの中で、臨床家として得るところの多い「強迫性障害のワークショップ」も面白いですし。
しかし「弟子か?」といわれると、向こうも迷惑だろうというか私のこだわり「岩にかじりついてもOCDの患者さんにエクスポージャーの見本を示したり、HP内でやってもらったりしない。あくまでAll自宅で自分で」という点を含む、治療技法上の平行線があって(今のところそれは母集団の差という事に落ち着いています)、まあ違うかなという感じです。

原田誠一先生の勉強会には結構行ってますが、それは原田先生のもつ生活臨床というかまだ精神科医が技術を持っていた頃(≒良く効く薬がそんなに無かったころ)のワザを盗みたいからで、今後ともお世話になると思います。
しかし「弟子か?」といわれると、向こうも迷惑だろうというか違うかなという感じです。

その原田先生に「西川さんはてっきり久野先生の弟子だと思ってた」と言われた時にはどひゃーと思いましたが、久野先生とは学会の喫煙ルーム友達です。今では久野先生は片肺とタバコを止められたので、ブログ友達ですが。
しかし「弟子か?」といわれると、どうでしょう。久野先生は当然弟子だと思っていると思いますが。

こう書くとアレですが、私に認知療法を教えてくれたのは大体のところリアルの患者さんと2ちゃんねるの患者さんです。特に後者は認知療法を展開する上で患者さんたちは何が判らないかについて教えてくれた気がします。

こうして書いてみると系譜というか、
1、学習心理学だけ学んだ
2、臨床を開始して行動療法を行った
3、井上先生をはじめ諸先生やネットや患者さんから認知療法を学んだ
4、認知療法のテクニックを行動療法を混ぜ込んだ

という感じでしょうか。

そういえば、一つだけ大学院〜就職したて時代に勉強した臨床技法がありました。
それは家族療法とブリーフセラピーです。

ひょっとしたら最初からブリーフセラピーに行動療法を混ぜ込んでいるのかもしれません。

それらには最近ご無沙汰している気がするので、また何か触れあう機会を作りたいと思います。
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投稿者: 西川公平
2009-02-14 21:01
カテゴリー: 開業カウンセラー

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