2007/06/12: ::認知療法・行動療法について::について その2

2ちゃんねるの::認知療法・行動療法について:: スレッドを見て思った事を1日5つ言及してみるスレッド
なるべく是非を問わずに、利用者からの疑問に答える形で進めたいと希望している。
現在163〜272まで。

Q6、CBTは思考パターンを無理矢理学習させる感じで洗脳みたい
A6、CBTは学習理論に乗っ取っているので、学習が洗脳であるなら洗脳です。
しかし、いわゆる洗脳と違うところは施術者側が「どう考えるべきなのか」について刷り込むというより、施術される方が自分のアイデアで自分を変えていくという事です。
ですから、「今までは**と思ってたけど、やっぱやーめた。今度からこう考えようっと」と自ら考え方を変えたのを、自己洗脳と呼ぶなら洗脳です。
しかしまあ、多額のお金を取ろうとか、騙そうとか、苦しめようとか思って施術しているわけでは無いので、仮に洗脳だとしても大目に見てください。CBTを施術してもたいして儲かりません。

Q7、歪んだ思考パターンを矯正しようとしたら、子供時代に歪んだ思考法を私に植え付けたのがわが親であるということに気づいてしまい、親子喧嘩して関係断絶中です。
A7、親は子供にボタンの留め方から、挨拶の仕方から、ありとあらゆる思考・行動様式を植えつけますし、その幾つか(下手をすれば多く)は現在の生活様式にそぐわない可能性があります。
どの思考・行動様式を今後も用いてゆき、どれを今後は用いない事にするのか、成人されているのであれば自分自身で選択可能です。その取捨・選別にCBTを利用された方は今までも何人かいらっしゃいます。

Q8、自動思考や感情を書いてる最中や、読み返しているとつらくなります。
A8、それは副作用のようなものです。取り組んで間もない時や、取り組んだ自動思考があまりに強敵な時、耐えられない感じがします。
例えばウツの方に活動記録表を書いてもらうと、「あまりに活動してないので、ウツだ」と考えていやな気分になったり、OCDの方に暴露してもらう最中「こんなに汚れたものに触って、大変な事になる」と考えていやな気分になったりも同様の副作用だと思います。
そんな時は、慣れるまでもう少し簡単な奴から取り組むのが良いと思います。
また、CBTをやって嫌な気分が沸いてくるという現象そのものをCBTで取り扱うのも良いと思います。
あるいは、しばらく休んでみるというのも方法かもしれません。

Q9、紙に書くのではなく、パソコンに書いたり、テープレコーダーに取ったりしても効果は同じでしょうか?
A9、その人の生活に合わせてアクセスしやすければ何でも良いと思います。
CBTの効果がどこで発生するかは難しいところですが、自動思考等々で頭がぐるぐるめぐっている時に、「これをCBTという装置に乗せてみるかな」と思えたときこそ、最初に効果が出てます。
つまり「CBTに乗せてみる」⇒「CBTで変えてみる」となってます。はじめはCBTに乗せられさえすれば十分なので、やりやすいメディアをあれこれ試してみてください。
経験的にはメディアの質よりも、書くものを置いてある場所の工夫とか、取り組む時間帯の工夫とか、その場で簡単なメモを取っておくとか「CBTに乗せてみる」率をアップさせる工夫をする方が良い気がします。

Q10、私には自動思考がありすぎてどれから取り組んで良いかわかりません。また反論や合理的思考を書いてもそれで合っているかわかりません。
A10、とりあえず手当たり次第に取り組んでいって30枚ぐらい書けば、およその方向性はわかると思います。30枚に至ったらちょっと分類してみてください。合理思考が合っているかどうかは、それが「最も納得がいく考えで、かつ気が楽になる」のであれば合ってますし、そうでなければ合っていません。
あるいは「合理思考が間違っていて意味の無い行為をしている」という考えが「いやな気分」を引き起こしているという風に、CBTに乗せてみてください。
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投稿者: 西川公平
2007-06-12 15:42
カテゴリー: 2ちゃんねる

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