2007/06/12: 法務省研究会、性犯罪の再犯防止プログラムに認知行動療法を採択

記事の抜粋および、感想です

*****以下抜粋①*****

法務省の性犯罪者処遇プログラム研究会は14日、性犯罪者の再犯防止のために刑務所内や保護観察中に実施するプログラム案を決めた。
グループでの話し合いや個別指導で、問題行動の背景にある考え方のゆがみに気づかせ、行動を制御し再発を回避する方法を身につけさせる「認知行動療法」を採用。
年度内に完成させ、来年度から実施する。初年度は延べ2200人程度が受講する見通し。
研究会は昨年起きた奈良の女児誘拐殺人事件を機に、同省が精神医学や心理学、犯罪学などの専門家を集め発足させた。
認知行動療法は海外の性犯罪者向けプログラムでも主流の心理療法。
これを基本に、本やビデオを使い被害者の心情を知らせることなども採り入れる。
薬物療法については「直ちに導入はできず今後の課題」としている。
案によると、受講させるのは性犯罪や性的な動機による犯罪を犯すなどした受刑者。
心理技官が詳細に調査し、再犯リスクや改善の可能性に応じ受講するプログラムの種類や頻度、期間を決める。

*****以下抜粋②*****

昔行われていた心理プログラムは全く役に立たないとしたうえで、最新の認知行動療法プログラムに参加した性犯罪者の再犯率は17.4%から9.9%に下がっていると報告している(Hanson et al., 2002)。
他の研究でも、「認知行動療法を受けた元受刑者は、受けていな元受刑者に比べて再犯率が格段に低い」(Scarola and Garin, 2003)、「1年以上認知行動療法プログラムに参加した受刑者は、再犯率が他の受刑者に比べて4割以上低い」(Aytes et al., 2001) といった具合に良い報告が多い

*****以上抜粋*****

てか、そんなこと言われてもなあ・・・中々難しいですよ。たぶん。相当難しい。
おそらく「動機づけ」の段階で、ホントに本人に治す気があるのか、それとも刑務所から出たいからハイハイ言って従ってるのか、そのあたりも怪しい。
しかも刑務所のだれが施術してるのかわからないけど、そんなにホイホイ施術できるもんでもないと思うんだけどなぁ。そりゃ他のわけのわからない心理療法に比べたら、理屈は分かりやすいと思うけど・・・。
とにかく我々が普通に施術しているものと比べて、いささか特殊なフォーマットの認知行動療法になるだろうという事はわかる。どんなになるかは知らんけど。

まあでもしかし、誰も何にもまともに治療していなかった所に、普通に認知行動療法入れたら、まあ多少はマシになるかもなあと思う。そもそもの生活技能というか、ストレスマネジメントとかもそれほど高くなさそうだし。

また、全員に動機がないわけじゃないだろうなぁとも思う。自分の性衝動にほとほと嫌気がさしてて、何とかしたいと思ってる人も中にはいるだろう。もちろん全然罪悪感のかけらもない人というか、そもそもその行動の何がまずかったのかという文脈の理解ができない人もいるだろうけどね。
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投稿者: 西川公平
2007-06-12 02:14
カテゴリー: 雑談

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