2008/08/07: カウンセリングは何回で終わるか

「カウンセリングは何回ぐらいで終わるのか」という質問を受けることが良くあるので、書いてみました。

ときどき「何回ぐらいカウンセリングすれば良いのでしょうか?」と聞かれることがある。

しかも数回カウンセリングをしてみた後ならまだしも、1番最初の問い合わせの電話で聞かれると、不明だとしか答えようがない。

例えば年間で個人的なアウトカムを出したことのある病気(たとえば強迫性障害など)だと、そのまま答える事にしている。
「私のカウンセリングした強迫性障害の方は最短で4回、最長で56回で治療終了しているので、あなたも4〜56回のどこかで終了します」という感じだ。
ちなみに4回の方は次の年に再発したのでもう2,3回した。私の施術では強迫で再発する人ってほとんどいないから珍しい。
強迫で治らない人はもっと短く、5,6回もすれば来なくなる。逆に言えば来なくならない限りは治っている。

これがパニック障害になると、もうちょっとあやふやな回答になると思う。そもそも強迫性障害よりパニック障害はあやふやな病気だ。だいたい4回から30回ぐらいの範囲で治療が終結してるんじゃないかと思う。
なんせ純粋なパニック障害の方がなかなかいないというか、うつだったり、対人的な問題があったり、リストカットしたり・・・それはパニック障害ではないです・・・という方も多い。

うつ病になると、これは難しい。病院でやってる頃はうつ病とは治りにくい病気だった。2,30回が当たり前のようで、正直治療率も50%を切っていた。
しかし開業したり産業カウンセリングを始めると、母集団の違いとは言え、びっくりするぐらいスピーディーに良くなるし、特に再発もしない。大体5、6回で終わっているのではないかな。働いてる人だと2,3回で復職して、2,3回で再発予防、みたいな。
しかし、そういう健康的なうつの方ばかりではなく、病院でやってた頃のようながしっとしたウツの方ももちろんいらっしゃる訳で、そういう人たちに軽々と「5〜6回で何とかなりますよ」的な事を言うわけにもいかない。

だいたい来談される方々がゴールのセッティングをどの辺りに組まれているかによって、ロングタームのセラピーになるのか、ショートタームのセラピーになるのかは、判らない所もある。

そうして結局、ごにょごにょとしたことを言う事になるのだ。

しかし最近では、長引きそうな人でも最初3回も来てもらえれば、後何回ぐらいで何とかなるかは判るようになってきた気がする。およそあと6回ですとか、あと10回ぐらいですとか。
なので、問い合わせの電話で聞かれた時は、「だいたい3回位来てもらえれば、問題の概要も見えてくるところなので、全部で何回ぐらいになりそうか判ると思います」と答える事にしている。


p.s.そういえば、某久野先生が「カウンセリングに6回行って何の変化もなければ、そこに行くのは無駄だ」みたいな事をおっしゃっていたのを思い出した。それは全くその通りだと思う。6回で変化がない時100回でも変化がない事は確実だと思う。まあ6回と言わず、1回行ったら意味があるかないか判りそうなもんだけど、来談者の方が我慢強いんだと思う。
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投稿者: 西川公平
2008-08-07 01:37
カテゴリー: 開業カウンセラー

Comments

takashi on 2008/08/13 2008-08-13 23:27

スコット・ミラーらも、

「6回で変化が起こらなければカウンセラーを変えるべき」

と言っていますね。

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