06/12: うつ病の認知行動療法①

ウツの治療と言っても、認知行動療法でエビデンスがあるのは、あくまで軽度から中等度ぐらいまでの人だから、思考抑制が入っちゃってるぐらいの勢いで重症度の人は、・・・むむむって感じ。
でも難治性の人々が回ってくるのは、まあ世の常ですね。

重症度の高い人々にはとりあえず行動療法的なアプローチを採りがち。
すなわち「ちょっと散歩してみましょう」とか、「何かする前とした後で、気分が変わるか確かめて見ましょう」とか、「一日一個、良かった事とその理由を書きましょう」とか、「日常観察表をつけましょう」とか。
そんな感じであれやこれやしているうちに並行して入ってる薬とかが上手いこと効いてくれる事を祈ってる。

軽度から中等度の人らには、まあ何でもアリだと思う。上に書いた奴も使えるし、もちろん有名な5つのコラムも使う。
あとはその方の特性に合わせてコラムを処方するって感じでしょうか?

日常活動記録表は定番だし、ぐずぐず主義(すごい名前!)克服シートも結構使えるし、完全主義の費用対効果もいけてる。帰属の分散とかも使うなあ。
自己需要カードってのもかなりいけてる。この事故需要カードなんかをしていると、最初のうち「なんだか言い訳しているみたい」って風になるけど、それを折衷し出す方向に進めば合理的思考の出来上がり。

自作コラムでは、エネルギー節約表とか、生活ルール変更用紙とか、責任の分散グラフとか、まあそんな感じのもあって時々使う。大体その人に合わせてテキトウに作っちゃう方が多いんじゃないかな。
患者さんにコラムをあてはめるってのは、何と言うか失礼な気がする。コラムの方を患者さんにあてはめていけばいいんだ。あんなもんただの紙と線だし。

何にせよどの辺が変わると上手いこといくのかは個人差があるし、ざっと話を聞いて、行動・機能分析をしたあとで、患者さんに選んでもらうことが多い。

つまり
「今までの話の中から思うに、あなたを困らせているのにはAって部分と、Bって部分と、Cって部分があって、それぞれはおよそこんな関係(図示)にあるように思えます。
どこから治療に取り組んでいかれても、別の部分にもよい影響を及ぼすと思います。
Aを改善したいならこーゆーコラム、Bならこんな方法とこんな方法があります。
Cは少しアプローチしにくいので、AやBを片付けている間に影響を受けて小さくなってくれる事を期待するのがお勧めです。
で、今までお示しした方法の中で一番やってみたい/興味のあるものはどれでした?」
みたいな感じで選んでもらえば、まあハズレがないし、本人さんもやってきてくれる可能性大。
いずれにせよ課題をやってもらえないという事は、治療者が全面的に悪いので、そんな事態だけは避けたい。

最近小耳に挟んだけど、某先生とかはひたすら丁寧に5つのコラムをやり続けるというから、それもまた一つの方法だなあと感心した。私の治療はやや移り気なところがあって、うまくいかないときサラリと別の方法にチェンジしてしまう事が多い。
ウツには行動療法ではなく認知療法が有効というエビデンス的に言って、ずーっとコラムをやり続けるというのも、試してみる価値があるかもしれない。
投稿者: 西川公平
2007-06-12 02:01
カテゴリー: うつ・躁うつ病

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