2007/06/12: 遠心性リラクゼーション

自分で適当に作ったリラクゼーション。何で作ったかは忘れましたが、たぶん誰かの治療に使ったんだと思う。


パニック障害とか、心因性の腹痛とかの方は、自らの身体反応(自律神経症状)に対してかなり敏感。
つまり発汗、心悸高進、めまい、手足の冷え、腹痛、頭痛etc.を感じやすくなっちゃっている気がする。
こーゆー自らの内側に注意が向く事を”求心性”と勝手に名づけた。

要はこういった自らの身体反応を重大な何かの前触れと認知する事によって、一層の不安や恐怖を招き、一層の身体反応が起こってきて、より一層破局的な解釈(死んじゃう、気が狂っちゃうetc.)をするのがパニック障害だと、認知行動療法的には説明している。

従来のリラクゼーションは自らの身体的な何かを感じ取る(温度や重さや筋弛緩など)事によって成り立っていることが多いけど、このアプローチは結局前述の求心的なものだ。

ここから二つに考えが分かれる。
一つは、彼らは求心性のアプローチに長けているから、そのような身体の内側に向けるリラクセーションも体得しやすい、という考え方。
もう一つは、彼らは求心性によって苦しんでいるから、逆に遠心的にやってみよう、という考え方

具体的にやってもらってるのは、目を閉じて、現在聞こえている物音がなんであるか一つずつ数えてもらう。落ち着いていくに従って、とてもかすかな物音も聞こえてくる(聴覚的遠心リラクゼーション)というやり方。
他にも現在何の匂いがするか探ってみる(嗅覚的遠心)とか、どちらから風が吹いていて、どんな温度や肌触りか探ってみる(触覚的遠心)とかもありえるかもしれない。

「不安時に求心的かつ狭窄になりがちな感覚を広げてみましょう」というのは、やってみて割と良い手ごたえです。

とか思ってたら、「マインドフルネス」とかいう、自らを第三世代と称する不思議な一派が似たような事を言ってる。
うーん、似たような事を言ってるけど、「心身一如」とか、そーゆー宗教っぽいことが言いたいわけではないです。
あくまでリラクゼーションの瑣末な技法の話。
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投稿者: 西川公平
2007-06-12 01:53
カテゴリー: テクニック

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