2008/03/31: 3つのコラム

状況と気分と思考の分け方

先日とある研修会で「体験5つのコラム」ってのをやってみた。
まあ体験時間は15分ほどなので、あんまり込み入ったことはできない。
そこで、5つのコラムを書いてみて、特に「状況と気分と思考を分ける」ってのを重点的にやってみることにした。

いやでも、この状況と気分と思考を分けるってのは、込み入って無いかというと、意外と込み入っている。結構コツがいるんじゃないかな。

研修会場を回っていると、ある人が「昨日お風呂に入れなかった」と書いていたのが目についたので、少し声をかけてやり取りをしてみた。

「昨日お風呂に入らなかったんですか?」
「いや、入れなかったんですよ」
「つまり昨日お風呂に入”ら”なかったんですよね」
「入”れ”なかったんです。**のせいで!」
「なるほどー、じゃあ、状況のところにはとりあえず”昨日お風呂に入っていない”と書いておきましょうか〜」
こんなやり取りだ。

形式文法的な説明はこの際なしにして、「入らない」と「入れない」の違いを書くと、
[入らない]
1、入っていないという状態(状況)
2、入りたくないから、入らない(自発的意思)
[入れない]
1、入るという選択肢がない(不可能という状態像)
2、入るという行動が阻害された(受身の不可能)
になる。
それを加えて、やり取りを考えてみると

「(状態として)昨日お風呂に入らなかったんですか?」
「いや、(自分の意志ではなく)入れなかったんです」
「つまり昨日お風呂に入らなかった(という状態)なんですよね?」
「(私は入りたいと思っていたんだけど、邪魔されて)入れなかったんです。**のせいで!」
「(なるほどー、『入らなかったのは自分の意思ですか?』と訊いてると思われてるなあ)。じゃあ、状況のところにはとりあえず”昨日お風呂に入っていない(状態だ)”と書いておきましょうか〜」

という風になる。
ややこしいけど、入らないでも入れないでも、状態としてそうだという意味もあるし、そこに思考が入ってる場合もあるし、区別がつかない。
普段そんなに厳密に分けているわけでもないけど、まあちょっと面白かったので書いてみました。
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投稿者: 西川公平
2008-03-31 22:40
カテゴリー: テクニック

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