2007/06/10: 強迫性障害の患者さんに対する最初のエクスポージャー

強迫性障害の患者さんに対する最初のエクスポージャーについて、あれこれ

ファーストエクスポージャーは超重要。全ての治療を通じて最も困難な課題が最初のエクスポージャーだと思う。
幾つかのコツを箇条書きにしてみる。
・本人の選んだもの
・生活阻害度合いが酷いもの
・やりたいと思っていることが出来るようなもの
・出来るか出来ないかぎりぎりぐらい
・設定が楽で、その後も難易度を延長して取り組めるもの

動機付けが不十分だとか、予期不安が強いと言うことであれば
・今でも五分五分で可能なこと
・昔は出来なかったけど今はできるようになったこと
等を、エクスポージャーの予備実験としてやってもらうこともある。

また『次に活かすので是非観察して欲しい』というように、実験観察風に出すこともある。
こーゆーのは「観察課題」といって、ブリーフセラピーのお得意の奴ですね。
ブリーフセラピーは患者さんにアクションを起こしてもらうに際し、治療者のふるまい方みたいなちまちまとしたテクニックに関して、非常に詳細に書いているところが感心させられる。さすがポストモダンのセラピーだ。

「もし不安や不快感を低減させるような強迫行為をとらなかったとしたら、いったい何が起こるのでしょう?
無限に続くのでしょうか?次第に減衰するのでしょうか?
それは試してみないと判りません。そこで一度時系列的に不安や不快感の上がり下がりをチェックしてもらいたいと思います。
そのデータがあれば今後の治療がすごく上手くいくので、難しいでしょうが是非ともお願いします」

観察(つまりアセスメントでありモニタリング)は常に治療でなければならないと思う。
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投稿者: 西川公平
2007-06-10 15:36
カテゴリー: 強迫性障害

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